nogutikusan’s diary

畜産と共に歩む20有余年、今の養鶏の課題や考えをお伝えします。

農業31社に1社が倒産する危険性 Alarmboxが予測する意味

AIを活用し企業のリスク管理を担うAlarmbox社が、7日発表した2022年下半期以降の業種別倒産発生予測ランキングを発表しました。 それによれば、倒産可能性の高い業種第1位に農業が入りました。 この場合の農業は、耕種農業の他、畜産業も含まれます。 調査結果によれば畜産農業では、飼料価格が高騰した影響により大手企業の倒産が発生しているということ、下期も飼料価格の高騰から、今後の動向に注意が必要であるとしています。 この調査では、耕種農家も対象になっていますので、畜産業だけを見ることができませんが、確かに養鶏業の他養豚業等で事業破綻(会社更生法による企業再生行動)が見られます。 では、畜産農場が自力経営を諦め、法的措置を行ったものを見てみます。 ■養鶏業 イ、2022年2月14日岡山県高梁市の養鶏場が破産手続きを開始しています。  飼養羽数は10万羽で、負債総額は3億円です。 ロ、2022年3月11日東京都千代田区に本社を置く大手養鶏会社と、富山県高岡市にあるグループ内餌販売関連会社が会社更生法適用を債権者より申し立てられ、保全管理命令を受けました。  グループ内の飼養羽数は1300万羽で、負債総額は2社で278億円です。 ハ、2022年3月25日三重県伊賀市の上記グループ成鶏農場が、上記会社より会社更生法適用を申し立てられ、同日保全管理命令を受けました。  飼養羽数は、2農場で100万羽を超える飼養羽数とされ、2021年までの3年間債務超過の状況が続いていました。 二、2022年4月19日静岡県掛川市の採卵鶏農場が、民事再生法適用の申請を東京地方裁判所に申請。  飼養羽数は70万羽で、負債総額は11億3500万円です。 ■養豚 ・2022年3月2日鹿児島県出水郡の養豚場が、民事再生法の適用を鹿児島地方裁判所へ申請し同日保全命令を受けました。 この養豚場は県内では最大規模の飼養頭数で、飲食店も経営しています。 2017年から売り上げが下がり、経常損失3億円の計上と設備投資の有利子負債が重くなり、大幅な債務超過に陥ります。 負債総額は32億8600万円です。 このように、養鶏業のリスクが多くなっている傾向が見られます。 多くは、この数年の配合飼料価格が主要因ではなく、それより前の低卵価時代での規模拡大や設備投資による借入金返済が、低卵価により収入減少が続き、近年の配合飼料価格の高騰からコスト増に耐えきれる状況になく民事再生を申請しているように見えます。 配合飼料価格が一段高になっており、相場価格次第では採算を割る可能性もありますが、現在関東の相場はMサイズ210円(規準値)と例年に比べると高くなっており比較的安心した経営が可能と思われます。 しかし、借入金返済を行っている農場については返済割合が従来より高くなっているところも多く、収入の改善が急がれる農場も見られますので、この先も安泰とは言えません。 その中でも、比較的順調な経営をされている農場では、農場の新築工事や改築といった設備投資を積極的に行っているところも見られ、体力差が広がりつつあるように感じますので、この先も要注意であることは、リスク管理会社同様の考えを持っています。 本年4月以降の企業倒産は見られませんが、先ほどのようにすでに負債を抱えていての、配合飼料価格という高コストをねん出することが難しいという農場もあると思います。 一般的に企業が破産までいかないにしろ、民事再生手続きを決断するまでは数か月は要します。 それは、借入先を探し続けて急場をしのぐためとも言います。ですから急激なコスト増が7月にありましたから12月以降に散発的に発生する可能性もあります。 結果的に金融機関や債権者への支払い猶予が会社信用を下げることになり、債権者から申し立てられる場合(上記ロ、ハの場合)や、経営難の改善を会社が諦める場合(上記イ、二の場合)があります。 この先も、不透明な状況が続きます。 急激なコスト削減は難しいともいわれ、いかに収入を上げていくのかを考えていく必要があります。 秋期の配合飼料価格はまだわかりませんが、現在の情勢を見ると、コーンは若干の値下がり、原油も世界情勢からの需要減退感から値下がる傾向も見られます。 ですが、今期の1万円以上の上昇が、1万円の値下げまではいく状況にも見えません。 ですので、春期と同じ程度の価格と考えておいて、どうしていくのかもう一度見つめなおしていきましょう。 一部の養鶏家は、禁断の人件費に手を付けることを検討しているという農場も現れています。 人減らしは、宿泊業や飲食業で進み、インバウンド需要で再雇用をしていても集まらず、事業規模縮小もやむなしというところも見られます。 人減らしは、一時的にせよ出費の改善が期待できますので手を付ける産業があります。 ですが、昭和の時代のように人が潤沢にいる時代ではなく、再雇用を開始しても賃金次第で集まらないというのは容易に想像できます。 ましては、畜産業での再雇用はほぼ困難かもしれません。 他産業と負けない待遇を提示できないことが理由です。 外国人技能実習生をより一層導入して急場をしのぐ農場がこの先増えていくかもしれません。 そうなると、農場でできていた作業が困難になり外注又は作業をしない等、飼養管理力の低下を招き、技量相応の生産量になるところもあり、ますます農場体力に格差が広がると推察されます。 皆さんの農場はどこに向かって進んでいくのでしょうか。

食品表示法違反の事例が発生しています 自社パッキングは再確認をしてください

消費者庁は28日、長野県のスーパーで販売した鶏卵から、鶏卵が指定した個卵重に満たない製品が混入していたとして自主回収を行うと発表しました。 生産元は群馬県の鶏卵農場で、埼玉県内の自社パッキング工場から出荷したもので「国産鶏卵大玉ミックス」と称した製品です。 製品表示には、鶏卵1個当たり64gから76g未満の規格商品として販売していたものの、個卵重が満たないものが混入したとしてします。 販売地域は長野県のスーパーで2022年6月16日から24日までの260パックとしています。 24日時点で5パックが回収しており回収率は1.9%となっていると公表しています。 この農場は衛生管理からとても品質を大事にされている会社でもあり、意図的ではないと思いますがどうしても業界を見ている者として、わきが甘いと言わざるを得ません。 梅雨も明け、これからの時期は個卵重の低下が避けられない状況ですから、製品を自社で用意する農場は特に注意が必要です。 皆さんご承知の通り、最近はこのような事例でも消費者庁への届け出が義務化されています。 たかが個卵重と思う方もいましょうが、食品表示法に違反している行為であり、容認されるものではありません。 一昔前は、季節要因があるので仕方ないと考える農場もあったと聞きます。 実際、数年前にも規格未満の鶏卵を販売して5000パックの回収騒ぎとなった千葉県の養鶏場もあります。 今の時代、用意できないならば売ることはできないと認識しなければならないのが常識です。 鶏の生産も鶏種によりますが、以前のLサイズからMサイズが主流に産卵する鶏が見られ、季節要因で数グラムの減少があることも珍しいものではありません。 ましては猛暑です。おそらく多くの農場では個卵重の減少が始まっているはずです。 それは季節要因だからよいという理由にはなりません。 自社パッキングでは計量責任者が必ずいます。 1個1個のパックを点検しているということはないでしょうが、原卵から微妙なサイズは予めはじいていおくことで実際は防ぐことができる事象です。 ですが、64g以上であればよいという認識だけでは、農場によりますが、63g程度やそれよりわずかに小さいものを入れて商品価値を上げるという残念な農場もあるのも事実です。 意図的ではないと答えるでしょうが、結果は混入で同じです。 餌が高い、商品価値を高めたいという思惑もあるでしょう。 63グラム以下なら、Mサイズ標準のミックス卵であればよいです。 ですが、パッキングの際に凸凹感が強く見えると商品としての値打ちが下がるのもまた事実です。 だからこそ、工夫して詰めるのです。 中心にやや小ぶりの鶏卵で外側ほど少し大きめの鶏卵といった具合です。 鶏卵は大きさが異なっても品質は同じです。 それは、私たち生産者はよく知っています。 ですが、消費者は大きさが違うということは信用して購入したことを裏切るものです。 それは、生産農場やパッキング工場より販売先が一番迷惑をかけるのです。 販売先は消費者と前面に対峙する立ち位置であり、苦情を受ける最初の窓口です。 当然店側の落ち度ではないので、納得はいきませんが、顧客にうるさいとも言えませんから、回収先の案内や返金対応といった面倒な事務作業を行うのです。 恐らくその場には農場の責任者は不在のはずです。 ですから、販売先のご苦労がわからず後日その辺の菓子折りを持っていくだけで不満があるのです。 鶏卵は品質は当たり前に安心であるものですから、この点を意識する農場は多いはずです。 卸先がパッキングする場合、わずかな重量を商品化するという意識はありません。 今回のように苦情になりますし、卸が損を負担するものはないからです。 つまりわずかな重量を意識して商品化率の上昇を期待していませんから、あまりこのような事故は聞きません。 ですが、自社ではどうしても甘くなりがちです。 それが先ほどのように商品化率という言葉なのです。 とても大事ですが、それに縛られるとはじく数を下げることしか改善できませんから、どうしても甘くなりがちで、自然品なのでやむなしと自身に甘くなり、結果信用を失くすだけの結果です。 たかが、1パック250円や280円のためにやってしまうのです。 そして被害が今回260パックとなるのです。 当たり前ですが、1パック1パック再計量はしませんから、事故品とひとくくりされ回収です。 280円だったら260倍の損害です。そして信用も無くします。 1個10数円の鶏卵を混ぜるだけでこれだけの代償です。 これを商品化率改善で補えるものなのか。 これから、鶏卵の重量は大きく変わります。 過去は小玉ミックス卵でも重量違反で回収が発生しています。 もう一度、自社パッキングの農場は何がお客様にとって大切なのか。 お客様の目線で皆さんの農場は商品を出荷されていますか。 たかが個卵重、されど個卵重。 その1個は小さい重さですが、農場の信用を重く背負っているのです。

ゲージフリー鶏卵の普及が進んでいます 安いだけの鶏卵と2極化が進んでいくのでしょうか

アニマルウェルフェアという言葉が、普及して久しくなりました。 この間、大手や中堅の養鶏場はこの新時代を見極めて改造し、ゲージフリー化を進めた農場もあります。 大規模流通店舗や外資系流通店では、本国からの意向もあり普及を進めていく傾向も見られます。 また鶏卵販売価格の価格差が小さくなり、高品質であっても価格設定が可能で消費者に認知されやすさが後押しして少しづつ普及しているようにも見えます。 外資系倉庫店では、ゲージフリー鶏卵の取扱いを以前から調査し見ていましたが、関東では初めて千葉県でも取り扱っていることを確認し広がりを見せているように感じます。 千葉県では、北総地域の鶏卵を主に取り扱っていいましたが、今回この他に、九州地方産のゲージフリー鶏卵を見ることができました。 価格差はレギュラー卵より1個10円程度高い状況です。 少し前は、1個当たりの価格は平均40円程度と高め設定が一般的でしたが早くも価格低下が進んでいます。 1個当たりレギュラー卵は22円、ゲージフリー鶏卵は33円と差がなくなっています。 その理由に設備改造は必要ですが、新築鶏舎ではなく既存を変更しており建設コストが著しく高いというわけではないということや、ゲージフリー鶏卵は引き合い先が、アニマルウェルフェアといった次の時代を見据えた戦略にマッチングしており、安定した取引先となっていることも大きな要因です。 今後も、ゲージフリー鶏卵へと切り替える農場も多くなるとはいえないことから、すでに変更して事業を行っている農場にとっては既得権(ゲージフリー鶏卵といえばこの会社というイメージ)がつき、更に有利に進んでいくと思われます。 また今は、関東に数社がこのゲージフリー鶏卵を生産し納品していますが、それでも不足していることから、今回九州地方の鶏卵を納品していることから関東の消費は関東周辺の農場とは限らないという可能性もあり、後発組の参入が阻まれる可能性を示しています。 業界動向から見ますと、ゲージフリー鶏卵といったアニマルウェルフェアへの対応さらに鈍くなっています。 その理由に、高額な建設コストや高価格帯の鶏卵に消費者がどのように反応するのか読み切れないといった納品先の判断、配合飼料価格といったコストの大幅な増加で余裕がないという状況もあります。 ですが、世界的にはアニマルウェルフェアへの流れは進んでいくことは避けられず、ガラパゴス化してバタリーで鶏卵を生産し日本国内で経営できれば良いということはできません。 その理由に、インバウンド観光で国内を潤う戦略もあります。 外国で普及している制度がない日本で、観光誘致することは難しいと言えます。 EUや経済重視のアメリカでもバタリーを新規設置の取りやめが進んでいます。 それだけ世界では流れが変わっているということです。 鶏卵を輸出している量は9650万トンで、相手国は香港が全体の96%、台湾2%、シンガポール1%未満、アメリカ(グアム)0.02%となります。(令和元年) いずれも、生で喫食できることや、日本食を知り購入したい購買層、在日本人が挙げられますが、さらに輸出が拡大できると予測されるにしても、世界的に見て生食が進んでいない文化が多いことから、生食できるほどの安全性を重視しているとは言えません。 また、世界各国に現地生産農場を展開し日本と同じ衛生管理で生産させる農場も存在しますので、安全な鶏卵は輸出で安泰とはならないのが大方の見方になります。 業界内の課題とされる、経済的理由や衛生面を理由にしても世界から見て納得を得ていないのも事実として受け入れなければなりません。 外食先は多くは仕入れ価格に意識を向いており、ゲージフリー鶏卵は必ずしも必須ではないと感じますが、宿泊業は高額施設ほど、今後影響を受ける可能性もあり国内販路に変化が訪れるかもしれません。 小売店は、大規模ほど国際的なつながりがある店舗では、その影響を受けるようになると考えています。 すでに外資系は導入を進めており国内系も平飼い等を取り扱ってはいますが、それ以外にもバタリーからの転向組からの鶏卵としてゲージフリー鶏卵を取り入れるとみられます。 中規模小規模ほど、大規模流通店舗の影響を受けやすい(仕入れ価格や顧客争奪等)時期に入っており、店舗の廃業や大規模店舗への譲渡も見られますので、既得権がある店舗へ統合された場合、販路の維持が心配されます。 大規模店舗はネットスーパーも展開しており、買い物への利便性を訴求し顧客を増やす戦略をとっているところもあります。 まだネットスーパーに利益を見込むと考える小売店は少ないのでしょうが、今後国内の高齢化や買い物困難者、買い物への時間節減といった広い層に良い影響を与え、やはり先行開業し知名度をもっとものが制することになるのかもしれません。 生産農場はいかにそのような勝ち組に乗れるのかが生き残りのカギになるのでしょうが、まずは顧客が求めるものに対応できていなければ何もできず、何も変わりません。 安い商品は中堅以下の店舗で取り扱うのでしょうが、中堅店舗は生き残るため知恵が必要になると感じます。安いだけを訴求してどこまで消費者に認知されるのかはわかりませんが、大手はすでに先行した既得権があるため新参組の隙があるかわかりません。 ゲージフリー鶏卵の他にも、品質を前面に出す商品もあります。 農場HACCP認証のある商品やJGAP商品も品質重視の商品として認知されると思います。 今後小売店側も、安さ、安心できる品質、世界標準の品といった様々な選択から選んでくるでしょう。 ですから、いつまでもお金がないから改造しない、できない。 安心できる商品を提供できる、認証そのものが無駄でできない。 安全のためにバタリーは存続し、世界は世界と認識しなければならない。 そういう選択が、生産者にありますが道を誤ると販路先の影響や、販路の先細りもあるかも言しれません。 優れた経営者は未来を見てどのように感じ行動をするのでしょうか。 ただ鶏卵があればよいという時代が静かに幕を引こうとしているのかもしれません。

人の流れが回復しているようです うずら卵卸値が最高になりました

鶏卵を生産される方にとってウズラは、また別物と考えると思います。 確かに、鶏卵は外食・加工向けからテーブルエッグまで幅広く利用されますが、ウズラは基本外食・加工向けが主流になり鶏舎設備も異なります。 鶏卵は、広大な土地がある地域や人口が多い大都市に近い等の条件で大規模養鶏地域が誕生します。 茨城県、千葉県、鹿児島県、広島県、北海道等大都市圏に輸送しやすい地域や広大な土地が確保できる地域と理由があります。 ではウズラはといえば、全国各地に点在していてというわけではなく、ほぼ愛知県に集中しているのが現状です。 有名なのは、豊橋養鶉農業協同組合豊橋うずら農協)になります。 愛知県での生産シェアは7割と最大になり、そのうち豊橋地域は愛知県全体の85%(約200万羽を少し超える)を生産しています。 外食等加工向け需要が主流のため、少しづつ減少が進んでおり、ピーク時の1975年61軒(約350万羽)から2012年に約30軒、2017年には22軒ありましたが、今はさらに少なくなっています。 この要因には、配合飼料の値上げによるコスト増が理由とされます。 ウズラは、腸が採卵鶏と比べ短く高カロリーで高たんぱくな餌を摂取できるようにして、配合から配餌まで採卵鶏とは異なる手法があります。 このような手間や維持費用を回収するためには安定した収益が必須でした。 そこに新型コロナウイルスによる外食向け需要の蒸発や配合飼料価格の高騰が進み、大変ご苦労をされています。 相場に大きな動きはありませんでしたが、多くは固定価格での引き合いが多いともいわれており、相場が動くということは既存の価格より見直しをしなければならない状況とも見え、それが製品価格への転嫁に進んでいくと期待されます。 転嫁は、加工缶詰メーカーが公表している通り4月より5%の値上げを実施しています。 ある食品メーカーも4月以降うずら卵を使用する商品の値上げが始まると考えています。 ですが生産者側も素直には喜ぶことはできず、餌代が1トン8万円台で飼養しているが夏は2割以上の値上げあると見込んでいると話し、この先もコストが増加すると考えています。 その中で、うずら卵の卸値が過去最高になったことは、農家さんのご苦労が多少かもしれませんが報われているといえるのかもしれません。 本年4月の豊橋地区の卸値価格(30個入り)は239円と過去最高となります。 200円を超えたのは2014年と2015年夏以降になり、2016年以降はおよそ220円程度で推移していました。 今回の相場が高くなった背景には、新型コロナウイルスによる制限が解除され、人々が街へと活動することで外食向けの需要が回復していることが要因です。 人々が外に出ることで外食産業が反映し、それが生産者側に波及するという本来の姿が見え始めています。 この先の感染状況は見通せないですが、6月以降のインバウンド観光への期待や、消費者の外食店への利用頻度の増加が期待できますので、ウズラの話ではありませんが、鶏卵にも良い影響を及ぼしてくれるのではないかと考えています。 この先、暑い夏がやってきます。 鶏達にとって過酷な時期にもなるでしょう。 そのストレスによって、生産量の減少も予測されます。 食下量の減少が自然に始まる中での、餌代の節約といった人為的な操作で更なる生産減少に発展しないことを期待しながら、人々がいつもの日常に戻っていき、それが鶏卵や畜産物へ良い影響が及ぶことを願うばかりです。

北海道で鳥インフルエンザの疑い 明日判明の見込みです

北海道は13日、網走市の養鶏場で高病原性鳥インフルエンザが疑われる事例が発生していると発表しました。 通報は本日8時ごろで採卵鶏760羽を飼養している農場から4羽の死亡鶏が見つかり、家畜保健衛生所が簡易検査を行いA型鳥インフルエンザの陽性と判定しています。 現在は遺伝子検査が行われており、明日早朝に結果が判明する見込みです。 これを踏まえて北海道は18時より対策会議を開き対応策を検討しております。 5月に入り例年鳥インフルエンザの話題がなくなる時期ですが、本年は4月に入っても感染確認が続いています。 北海道では今回が判明されると4例目となり、全国では25例目になる可能性があります。 4月には、北海道網走市エミュー600羽の感染、白老町では52万羽の採卵鶏となり継続が見られます。 北海道での野鳥からの鳥インフルエンザの検出も続いており、4月29日までに釧路市羅臼町、札幌市、えりも町礼文町など道央から道東までの広い範囲に検出されています。 今回の農場から新規発生が見られる場合、農林水産省から何らかの指導が発せられる可能性もあります。 4月は東北地方(青森・秋田県)、北海道(白老町、釧路・網走市)と北側の地域にみられます。 渡り鳥の帰りが終わると収束する傾向があるにせよ、農場での発生はやはり緊急事態的な状況です。 今後の推移が心配されると同時に、鳥インフルエンザの感染パターンが変化しつつある新しい時代に入る可能性もありますので、警戒を続けていただきたいと思います。

畜産業が苦境に立たされています 養鶏では民事再生法適用申請もありました

大型連休が終わりました。今年は制限行動がない大型連休でしたので、交通機関や観光地・宿泊も昨年以上の活況であったといいます。 畜産物の消費が活発でした4月に、静岡県の養鶏場が民事再生法適用を裁判所に申請しています。 配合飼料の高騰や新型コロナウイルスによる社会活動の変化から、畜産物に対する厳しい時期が続いています。 本年に聞く畜産家の声をまとめてみます。 ▲佐賀県の養牛農家は2月の新聞取材に、佐賀牛の値段が現時点で持ち直しており、経営が持ちこたえているとし、肥育農家は子牛を20か月かけ月育てるため、配合飼料は1頭について5~6トン消費するといいます。 1キロ15円の値上げがあると、1頭75000円の増加になり、200頭飼育していると1500万円増加になり頭が痛い状況といいます。 基金の補填があるにしても、原料の平均値との差額になるため、現場のマイナス分までは補填しきれていないというのが実情です。 ▲福島県の養豚協会の話では、飼料価格がこの2年で3割上昇していて、最悪な状況が続いていると警戒感を強めています。 組合員の養豚家からは限界になりつつある、運転資金の融資が必要になるという切実な声が続いています。 ▲鹿児島県の養豚会社の話では、目の前の経営に精一杯で、養豚農家の9割は赤字ではないかと話します。 年間豚を4万7000頭出荷するこの会社の経営者は、餌に1500トンを毎月使用しており、経営コストの半分はこのエサ代に消えていくといいます。 影響がない範囲で安いものに餌をシフトしているものの限界があり、厳しいという意見です。 ▲鹿児島県の6万羽を飼養する養鶏場は、直売所での鶏卵価格を5~10%引き上げをしたといいます。 背景には餌代の他、パックなど包装資材や輸送費用が上がっており値上げ分だけでは、コスト増には追い付いていないという声も聞きます。 ▲島根県の乳牛団体は、生産費の中で配合飼料価格の割合が高く、牛乳の生産による黒字経営は難しいといいます。 生産1キロ当たりの生産コストはほぼ同じになりつつある。100頭いれば月100万円の赤字になっている農家もあると話します。 このように配合飼料に対する負担増が日増しに重くなっている畜産家のご苦労が多く聞かれるようになりました。 このような中の4月18日静岡県掛川市にある養鶏農場(70万羽飼養)が東京地方裁判所民事再生法の申請を行いました。 負債額は11億3500万円です。 この農場は2007年に設立し、鶏卵生産の他、自社ブランドの卵を関東や県内のスーパーで販売したり、食品メーカーにも加工用鶏卵を販売しており、 昨年12月期の売上高は15億3800万円でした。 農場では、養鶏施設老朽化による設備投資等で金融機関からの借り入れが増えていたといいます。 卵の需要低迷に加えて、輸入飼料価格の高騰が響き、経営が厳しくなったといわれます。 営業は継続しており今後負債を整理していくことと思われます。 配合飼料の価格は畜種により異なりますが現在平均工場渡し価格で87731円/tとなり、過去最高を更新しています。 全農は6月までこの値段を基準に販売されるわけですが、7月以降の価格が大変気になるところです。 今期の値段ベースはコーンが7.5ドル、為替116円程度とみられ、現在の価格より低い状況です。 現在コーンは7.8~8ドル、為替130円程度になり、コーン価格換算1013~1040円となり、今期870円と比較すると143円から170円の増差額になります。 コーン単位はブッシェルですから、トンに換算するともっと大きくなります。(1トンに換算すると約40ブッシェルになります) 単純比較で、1トン当たりの取得費は5720円から6800円程度の増になります。 円安による輸入価格の上昇は飼料の原料だけではありません。 輸送賃も気になるところです。 現在、飼料運搬船の輸送賃は、1トン当たり75ドル程度とみられます。 為替による変動がありますので、輸送賃に変化がなくても差額14円/ドルの増になります。 支払いはドルになることが多くなりますので、結局は日本円を変換しなければなりませんので、円安の影響を受けます。 このように原料調達にかかる費用が春先と比べ増えているのが現状で、先ほどの畜産農家さんの声はさらに深刻化しないことを願うばかりです。 飼料価格の補助には、基金の支払いが一般的ですが、多くは1万円と少し程度になりますので、農場にかかる費用をすべて補うほどまでにはありません。 このこともあり、国以外にも各都道府県の行政側も何らかの補助をしてほしいという請願が寄せられていると聞きます。 静岡県は6月から県独自の支援を行うことを決定しています。 しかし支払う算出基準や助成する期間、予算の関係もあり十分な補填にはならないとされ、さらなる拡充を求めいると報道されています。 ですが、次期(7月から9月まで)の配合飼料価格は現状を超える可能性が非常に高くなっており、夏場の食下量が下がるとはいえ、高騰分を下げるほどの効果があるわけではありません。 やはりご苦労が続く可能性が高くなりそうです。 昨年愛知県の養鶏協会の方の話を思い出します。 相場の値段が200円台でなければとても大変である。というものです。 今の飼料価格を見れば養鶏家の多くの方はコストの6割から7割は飼料代になるかもしれません。ですから生産量を上げて売り上げを上げるしかないのでしょう。 そんな無理なことと言われそうですが、生産者側は何もできないのかといえば、先ほどのように餌のグレードを引き下げて仕入れ値を下げることができます。 しかし過剰な引き下げは鶏の体調を崩したり、生産性の低減(個数や卵重の軽減化)に至ることもありますので慎重さが必要です。 そして、無駄にダラダラ餌を与えないこと、健康を意識したメリハリのある配餌をする等工夫はあります。 ですが、コスト増をすべて補うほどではありません。せいぜい数%の削減に寄与できる程度になります。 餌以外にかかるコストも意識する必要がありそうですが、不健康な削減は結果生産量低下という、コスト増に対抗できる唯一の手段を失いますので、 知識がある方とよく相談して進めてください。 その他、商品の付加価値を探すのも手かもしれません。 安全の認証や国際的な認証もあります。 他とわが社は違うことを示すことで、取引の有利性を高めることができると思います。 何もできない、変われないと考えてしまうと、何も変わりません。 ですが、何か道を探し進んでいくことで、すぐに結果は伴わないものの新しい世界にたどり着けるはずです。 この先も、廃業に近づく農場がいくつか出てくるかもしれません。 それを回避するためにも、体力がある今のうちに探しに行くことが大事です。 時は金なり、時間は皆さん平等に与えられた権利です。 その権利を有効に使うのか、あきらめに消費するのかは皆さん次第です。 ですが、7月以降の配合飼料は今と同額ではない可能性が高いという現実が目の前にあります。 国に陳情するもよいでしょうが、予算付けまでは時間がかかります。 であれば、自農場でできる何かを見つけるしかありません。 この先も、ご苦労が続く可能性がありますが、良い転換点は必ずあります。 夜明け前が一番暗いという言葉あります。 苦境にあっても反転する時期があり、それは一番暗く厳しく見えるものといわれます。 どうか、あきらめず反転があることを信じ皆さんの家畜が一番であることを信じ 前を進んでいただきたいと思います。

4月が終わり季節は進んでいきます 5月の鶏卵相場と世界情勢

4月も終わり、季節は春から西は早く梅雨入りに入る時期となりました。 鶏卵相場は、先月より16円上昇し月平均価格は211円(全農東京M規準値)と、例年10円程度の上昇が多い時期ですが、昨年の21円に次いでこの5年間比較しても高く推移しました。 現在220円(28日最終価格)となり、この先の相場が大変気になるところと思います。 4月でも鳥インフルエンザの影響が続き、北海道の採卵鶏農場では道の飼養羽数の1割となる52万羽が殺処分され被害が続きます。 5月以降、農林水産省も続く場合は何らかの指導をする可能性を示しており、警戒をしていることがわかります。 今年の大型連休は鉄道、航空、自動車(高速道路)それぞれが混雑をしているようで、新型コロナウイルスからの影響が心配されるものの、制限を受けない大型連休になりました。 外食向けの需要が見込まれているため、4月は買い付け需要が多くなりました。 多くの地方紙は、29日大型連休初日の各地域の盛況ぶりが伝えられており、多くの人々が思い思いの連休を過ごされることがわかります。 人が動くことで経済が動き、お金の動きが活発化します。 観光は、多くの産業に良い影響を与える大事な産業です。 旅行者が遠い地域ほど、公共輸送は大事な役割があり、その地域での滞在に地域の商店や宿があります。そして良い印象をおみやげに、一定数がリピーターとなり、 次回も足を運んでくれるという好循環になるのです。 地域だけでは得ることができない収入もありますが、観光は次回も訪れる可能性を秘めていることを再確認していほしいと感じます。 また、外国への渡航も制限されなくなりハワイへの渡航も話題になります。 大型連休が続いている5月ですが、私たち養鶏家はこの先どのような時期になるのか、とても心配があり関心があると思います。 例年5月は大型連休が終わると、大口需要が一段落するため、鶏卵相場は落ち着く時期になります。 持ち合いとなる日が多くなり、少しづつ下落基調が見えることから需要減少を意識するスケジュールを立てていると思います。 秋以降は年末需要に向けて鶏を鶏舎へ再導入し餌付けをしていくわけですが、今年はどのような夏や秋になるのでしょうか。 現在鳥インフルエンザ発生は4月26日北海道釧路市エミュー約100羽以降発生がありません。 採卵鶏では、19日秋田県大仙市の約400羽(20日防疫措置完了)、16日北海道白老町の52万羽(27日防疫措置完了)があります。 北海道での52万羽は、道内飼養羽数525万羽(令和3年調査)の1割に相当します。 10万羽を超える飼養者は14戸で、その羽数は468万羽と全体のおよそ9割が占めています。 北海道での餌付け羽数は年間350万羽前後で推移しており、令和2年は341万羽なっています。 北海道での鶏卵生産量は毎年10万トン程度で推移しており、ほぼ道内で消費されていると推計されています。 今回1割程度防疫措置があったことで、札幌の鶏卵相場価格は東京と比べ約30円程度上昇している状況で、不足を関東やそれ以外の地域から流入していると思われます。 今後防疫措置が完了しても、当面は再稼働のための消毒・検査や調査等が続くことから、道内での生産量回復は本年末以降になる見込みで、しばらくは需要次第で不足感を感じる可能性がありますが、 本州からの移動もありますので、深刻化する可能性は低いと思われます。 5月の相場は大口需要の落ち着きから持ち合いが多くなり、6月に向けて5円程度の下落を繰り返して夏を迎えます。 北海道での供給不足が相場を高める要因にはならない可能性が高く、昨年のような高相場が継続することは難しいといえます。 昨年は供給不安が続いていることから上昇が続き、月平均価格は258円(上昇価格は17円)でしたが、本年は月価格217円(上昇価格は6円)程度とみています。 令和4年中には2年前の大流行から被害を受けた多くの農場が再稼働を終えて、生産量が回復するといわれ、地域によりますが通常生産量に戻った地域も見られています。 このこともあり、供給不安になる可能性が低いと考えることができます。 配合飼料価格も高騰しており、毎月価格変更をしている農場の皆さんには、原料費、為替変動による値上げが通知されているところも多いと思います。 3か月毎価格変更がある場合は、多くは6月まで現行より大きく変わらないと思います。 7月以降の価格見直しでは、上昇になる可能性もあります。 現在の為替は129円台後半で、20年ぶり一時130円を指し円安傾向が急上昇しています。 本年初頭は115円程度でしたので4か月で14円の上昇です。 原料の大豆も過去最高を更新していますし、コーンも8ドル台が安定化している状況で、原料価格の上昇も危惧されています。 多くの原料はドル建てで決済することが多いことから、通貨交換の過程で円安の影響を受けます。 海上輸送も多くはドル建て決済が多いはずですので、やはり円安の影響を受けます。 ドルの場合米国のインフレ引き締め対策から金利上昇を実行することで、金利上昇を止める日本円の魅力が薄れていることが要因です。 海外旅行をされる多くの方は、物の値段が高いことに驚かれることでしょう。 例えばビックマックアメリカ州により値段が異なりますが、約5.7ドル程度が一般的です。 日本円で換算すれば741円(130円/ドル)となります。 日本では390円(約3ドル/円)です。 大きさを考えれば、2個食べて同じかもしれませんが、つまりは通貨の価値が違うということです。 ですから、ドルの価値が高いということは、買う側の所得事情次第で高く感じるわけです。 鶏卵価格が高く、所得が多い場合、ドルの価値が高くてもさほど神経質にはなりません。 必要なものを購入するからです。 ですが、相場は反転し所得が下がる場合、ドルの価値は重いものになります。 持ち出すお金が増えるからです。 例年夏から秋にかけてはこの傾向が見られます。 昨年は、供給不安から相場は高く推移しましたが、配合飼料価格も高騰していきました。 今年はどうなるのでしょうか。 夏は、鶏達にとって暑い厳しい時期になります。 多くは食下量の減少になることでしょうから、約5%程度の飼料低減になることともいます。 ですが、その5%で生産量が5%かそれ以上ということもあります。 いかに食べさせることが大事なのかわかります。 ですが、食事代が高いから我慢しないさいではどうなってしまうのでしょうか。 そう考えると、どのように夏を迎えていくのか。その方向性が見つけられることでしょう。 経済情勢に太刀打ちできることはできませんが、防衛策を考えることはできます。 商品の価値を見つけて、安定した生産量を維持して、それがコストへの対策につながる。 そう思考力に問うてみると、皆さんが思うこの先の経営戦略に貢献できることでしょう。