10月全国的にも暖かい季節が続いていますが、渡り鳥は例年かそれ以上早く公園や湖といった思い出の地に飛来し羽を休めているようになりました。
冬の使者とも言われ、観光になったり、地元交流にと様々なシーンで鳥たちとの触れ合いをほほえましく報じられています。
養鶏家の皆さんにとってはいよいよ鶏を守るための決戦の時期を迎えたということになります。
既に準備を終えて消毒をして侵入を遮断する手法を確立した農場や、フィルター設置と消毒液注入で入気口からの侵入を極力防ぐ手立てをした農場、人の教育を行い、少しの手間が隙を生むというリスクを想像しながら自分ができることを考える思考力を持った農場と様々あると思います。
一方、まだ何もしていない、家保から消毒命令があるまで何もしないという農場、毎年同じことをしていれば高確率で被害がないと今年も信じ行動をする農場もあるでしょう。
それぞれの養鶏家の考えを持ち秋を迎えていることと思います。
全国的に飛来が確認されており、鳥取県米子市の水鳥公園では9月26日7羽のヒシクイ等ガン類が観察されたと報じられています。
この公園では開園以来最も早く降り立ったと報じられています。
石川県羽咋市の池では10羽程度のコハクチョウが例年と同じ8日にやってきたと報じます。
これから3月までの5か月程度をこの池で過ごし羽を休めて近隣の方々を和ませると思います。
7日には宮城県栗原市の沼ではコハクチョウ8羽が例年より2日早く飛来し羽を休めています。
この沼では県内最大の飛来地と言われ3000羽のハクチョウたちが越冬するということで、地元の方の協力を得ながら栄養を付けてきたに帰るよう温かく見守るようです。
環境省の発生状況に応じたレベルは1(通常時)としています。 通常9月下旬ごろから調査が始まりますので、間もなく調査に関した速報が環境省より公表されると思いますので、適時確認をされると良いでしょう。
弊所でもお客様には詳細をお届けしますし、皆さんの地域の家保よりたよりとして速報されると思いますので必要な措置を講じるきっかけにしていきましょう。
なお、令和7年は6月17日北海道釧路市でのオジロワシH5N1の227事例(令和6年度調査)が最後となり調査終了となっています。
4月から最終調査の6月まで主に北海道での検体が採取され陽性が確認されています。
本州では4月8日岩手県久慈市のハシブトカラスでの陽性が最後になります。
野鳥の感染があるから農場の感染があるということはなく、最近は野鳥からの検出があると同じ地域ではないところの農場で被害が発生するという傾向があるように思います。
ですから、野鳥が来たからその地域の汚染度が上がるということではなく、野鳥が飛来する季節から養鶏場でも被害が発生しやすいという時期が来たという視点で見るものです。
確かに養鶏従事者はハクチョウがいる池や水田の周りを歩きその履物のまま鶏舎に入るということでもなければ、一応遮断した空間を作っています。
後は、遮断を継続すること、空気感染とは言いませんが、鶏舎に入れる空気をできるだけウイルスのリスクを下げる方法を構築するといった手法と継続が必要になります。
そのために人の遮断が大事で、その意識づけが大事になります。 ぜひこの点をしっかり押さえておいてください。
さて、野鳥の鳥インフルエンザの感染については少し気になる報道もあります。 9日宮城県栗原市でマガンが死んでいるのが見つかり、簡易検査ではA型鳥インフルエンザの陽性となっており、国立環境研究所で高病原性であるか確認しています。
その結果15日高病原性鳥インフルエンザではないとする結果を公表しました。
H5,H7以外のインフルエンザでした。
感染力が強い高病原性ではありませんでしたが、対策をまだどうしようか考えている農場もあるでしょうが、静かに野鳥の世界では広がりを見せようとしているのではないかと感じますが、まだ大丈夫でしょうか。
ポジティブな話をすれば、令和は偶数年の農場被害は深刻であるが、奇数年度は軽微である傾向があると今のところ傾向としてありますので、本年は軽微な被害で納まると考えることもできるでしょう。
でもそれは偶然とも言えますが、皆さんはどう感じるでしょうか。
そして鳥インフルエンザの被害のうち3年以内に再発(複数回の被害を受ける同一養鶏企業かその同一農場)は約5%とも言われます。
多いのか少ないのかわかりませんが、多くは発生農場周辺に野鳥が飛来している又は養鶏密集地域であると言われます。
しかし、条件に当てはまるから毎年、3年以内に再発するところは全ての養鶏場であるとは言えませんので、環境もあるでしょうが農場はどうなのかという視点を持つことができるのか今のうちに再点検をしておくと良いでしょう。
ある再発農場は2年連続発生しました。
初年度疫学調査では堆肥場の金網の設置がないことを指摘され消毒し再稼働前に設置をしたと確認され稼働を始めます。
ところが翌年その系列の農場で発生。初回の農場に近いが人の行き来はないので処分は発生農場だけで済みます。
疫学調査を見るとその農場の処分先堆肥場に金網が設置されていないと指摘されており初回と同じことを繰り返します。
このように金網がないから発生したということではなく、そもそも野鳥対策と野鳥のリスクに関して意識が低いのが飼養管理に波及し周辺のリスクが高いのだとすれば、何もしていないとは言いませんが、見える物(消石灰の散布だけ、ネズミ対策はその辺に殺そ剤を置いておけばよいだけ、靴の履き替えは人が見ていなければ省略とは言いませんがリスク危機の低下による見込みの甘さ)だけの対策で何とかなると信じていて再発するという流れもあるように感じます。
更に3回発生する養鶏家もあり、ここまでくると本当に災害なのか、そうでないのかわからないとも言えます。
管理は惜しまず、悔やまない管理をしなさいと言われるはずですが、多くはそんな昭和の先代の話を聞く人もいないでしょう。
そんなことよりウインドレス化すれば野鳥は入らないのだからそんな思考は無駄であると感じる人もいるでしょう。
でも被害農場の多くはそのウインドレス鶏舎です。
いまどき高床式鶏舎でボロで、猫ウエルカムのような昭和30年代のようなのこぎり屋根鶏舎でしか発生しないようなものではありません。
先端かもしれないウインドレスでも普通に発生するのです。
では、なぜなのかと考えると野鳥は入らないが空気汚染なのか、ねずみなのか、まさか猫ウエルカムなのか。
そもそも人は鶏まで近づきますが大丈夫なのか。
昨年度の傾向では空気の流れ風下とか入気口の対策の必要性とか様々な話題と発生傾向が指摘されました。
どれも正しいように思います。
では皆さんはどうしますか。
でも石灰だけで良い、殺鼠剤を撒いておけばよいであればそれでよいともいます。
それだけでは解決できない(説得力がない)からこそこのような傾向からどうするのか考える農場もあります。
それは無駄かもしれない入気フィルター設置かもしれませんし、靴履き替え場所の屋根付き設備を作る、人の意識づけを向上させる。
わからないが必要なことを取り入れていくのが鶏達を守る一番の近道ではないかと思います。
「管理は手間を惜しまず、悔やまない管理を」 被害にあう農場の多くは初回の発生で動揺されるところが多いでしょう。
あの時こうしておけば、ああしておけば、指示しておけば・・ このような悔やむ言葉をよく聞きます。
であれば、悔やまない管理をしておけば良いのです。
中には2回3回と常連になりつつある養鶏家もいるでしょう。
その方は心に余裕でドンとこいやというところかもしれません。
鳥インフルエンザ防止にドンとこいやという思考はいりません。
悔やまない管理をして手間を惜しまないことが一番の防止策を構築できる言葉でないかと思います。
さあ季節は来ました。
後は鶏を守るという皆さんの意識と行動です。
被害があればこの状況です。 鶏卵相場は上昇し発生農場のおかげで潤う農場が増えていくでしょう。
それをお見舞い申し上げますという言葉でご飯が食べられるでしょうか。
いいえ「あの時ああしておけばよかった、悔やむだけだ」こうなるでしょう。
そうならないためにもぜひこの言葉を胸に毎日の管理をお続けください。
管理は手間を惜しまず、悔やまない管理
15日環境省の検査結果を追記しました。