nogutikusan’s diary

畜産と共に歩む20有余年、今の養鶏の課題や考えをお伝えします。 のぐ地久三事務所養鶏部公式ブログ

渡り鳥の飛来が始まり冬が訪れます 野鳥から鳥インフルエンザが検出されました

10月全国的にも暖かい季節が続いていますが、渡り鳥は例年かそれ以上早く公園や湖といった思い出の地に飛来し羽を休めているようになりました。

冬の使者とも言われ、観光になったり、地元交流にと様々なシーンで鳥たちとの触れ合いをほほえましく報じられています。

養鶏家の皆さんにとってはいよいよ鶏を守るための決戦の時期を迎えたということになります。

既に準備を終えて消毒をして侵入を遮断する手法を確立した農場や、フィルター設置と消毒液注入で入気口からの侵入を極力防ぐ手立てをした農場、人の教育を行い、少しの手間が隙を生むというリスクを想像しながら自分ができることを考える思考力を持った農場と様々あると思います。

一方、まだ何もしていない、家保から消毒命令があるまで何もしないという農場、毎年同じことをしていれば高確率で被害がないと今年も信じ行動をする農場もあるでしょう。

それぞれの養鶏家の考えを持ち秋を迎えていることと思います。

全国的に飛来が確認されており、鳥取県米子市の水鳥公園では9月26日7羽のヒシクイ等ガン類が観察されたと報じられています。

この公園では開園以来最も早く降り立ったと報じられています。

石川県羽咋市の池では10羽程度のコハクチョウが例年と同じ8日にやってきたと報じます。

これから3月までの5か月程度をこの池で過ごし羽を休めて近隣の方々を和ませると思います。

7日には宮城県栗原市の沼ではコハクチョウ8羽が例年より2日早く飛来し羽を休めています。

この沼では県内最大の飛来地と言われ3000羽のハクチョウたちが越冬するということで、地元の方の協力を得ながら栄養を付けてきたに帰るよう温かく見守るようです。

環境省の発生状況に応じたレベルは1(通常時)としています。 通常9月下旬ごろから調査が始まりますので、間もなく調査に関した速報が環境省より公表されると思いますので、適時確認をされると良いでしょう。

弊所でもお客様には詳細をお届けしますし、皆さんの地域の家保よりたよりとして速報されると思いますので必要な措置を講じるきっかけにしていきましょう。

なお、令和7年は6月17日北海道釧路市でのオジロワシH5N1の227事例(令和6年度調査)が最後となり調査終了となっています。

4月から最終調査の6月まで主に北海道での検体が採取され陽性が確認されています。

本州では4月8日岩手県久慈市のハシブトカラスでの陽性が最後になります。

野鳥の感染があるから農場の感染があるということはなく、最近は野鳥からの検出があると同じ地域ではないところの農場で被害が発生するという傾向があるように思います。

ですから、野鳥が来たからその地域の汚染度が上がるということではなく、野鳥が飛来する季節から養鶏場でも被害が発生しやすいという時期が来たという視点で見るものです。

確かに養鶏従事者はハクチョウがいる池や水田の周りを歩きその履物のまま鶏舎に入るということでもなければ、一応遮断した空間を作っています。

後は、遮断を継続すること、空気感染とは言いませんが、鶏舎に入れる空気をできるだけウイルスのリスクを下げる方法を構築するといった手法と継続が必要になります。

そのために人の遮断が大事で、その意識づけが大事になります。 ぜひこの点をしっかり押さえておいてください。

さて、野鳥の鳥インフルエンザの感染については少し気になる報道もあります。 9日宮城県栗原市でマガンが死んでいるのが見つかり、簡易検査ではA型鳥インフルエンザの陽性となっており、国立環境研究所で高病原性であるか確認しています。

その結果15日高病原性鳥インフルエンザではないとする結果を公表しました。

H5,H7以外のインフルエンザでした。

感染力が強い高病原性ではありませんでしたが、対策をまだどうしようか考えている農場もあるでしょうが、静かに野鳥の世界では広がりを見せようとしているのではないかと感じますが、まだ大丈夫でしょうか。

ポジティブな話をすれば、令和は偶数年の農場被害は深刻であるが、奇数年度は軽微である傾向があると今のところ傾向としてありますので、本年は軽微な被害で納まると考えることもできるでしょう。

でもそれは偶然とも言えますが、皆さんはどう感じるでしょうか。

そして鳥インフルエンザの被害のうち3年以内に再発(複数回の被害を受ける同一養鶏企業かその同一農場)は約5%とも言われます。

多いのか少ないのかわかりませんが、多くは発生農場周辺に野鳥が飛来している又は養鶏密集地域であると言われます。

しかし、条件に当てはまるから毎年、3年以内に再発するところは全ての養鶏場であるとは言えませんので、環境もあるでしょうが農場はどうなのかという視点を持つことができるのか今のうちに再点検をしておくと良いでしょう。

ある再発農場は2年連続発生しました。

初年度疫学調査では堆肥場の金網の設置がないことを指摘され消毒し再稼働前に設置をしたと確認され稼働を始めます。

ところが翌年その系列の農場で発生。初回の農場に近いが人の行き来はないので処分は発生農場だけで済みます。

疫学調査を見るとその農場の処分先堆肥場に金網が設置されていないと指摘されており初回と同じことを繰り返します。

このように金網がないから発生したということではなく、そもそも野鳥対策と野鳥のリスクに関して意識が低いのが飼養管理に波及し周辺のリスクが高いのだとすれば、何もしていないとは言いませんが、見える物(消石灰の散布だけ、ネズミ対策はその辺に殺そ剤を置いておけばよいだけ、靴の履き替えは人が見ていなければ省略とは言いませんがリスク危機の低下による見込みの甘さ)だけの対策で何とかなると信じていて再発するという流れもあるように感じます。

更に3回発生する養鶏家もあり、ここまでくると本当に災害なのか、そうでないのかわからないとも言えます。

管理は惜しまず、悔やまない管理をしなさいと言われるはずですが、多くはそんな昭和の先代の話を聞く人もいないでしょう。

そんなことよりウインドレス化すれば野鳥は入らないのだからそんな思考は無駄であると感じる人もいるでしょう。

でも被害農場の多くはそのウインドレス鶏舎です。

いまどき高床式鶏舎でボロで、猫ウエルカムのような昭和30年代のようなのこぎり屋根鶏舎でしか発生しないようなものではありません。

先端かもしれないウインドレスでも普通に発生するのです。

では、なぜなのかと考えると野鳥は入らないが空気汚染なのか、ねずみなのか、まさか猫ウエルカムなのか。

そもそも人は鶏まで近づきますが大丈夫なのか。

昨年度の傾向では空気の流れ風下とか入気口の対策の必要性とか様々な話題と発生傾向が指摘されました。

どれも正しいように思います。

では皆さんはどうしますか。

でも石灰だけで良い、殺鼠剤を撒いておけばよいであればそれでよいともいます。

それだけでは解決できない(説得力がない)からこそこのような傾向からどうするのか考える農場もあります。

それは無駄かもしれない入気フィルター設置かもしれませんし、靴履き替え場所の屋根付き設備を作る、人の意識づけを向上させる。

わからないが必要なことを取り入れていくのが鶏達を守る一番の近道ではないかと思います。

「管理は手間を惜しまず、悔やまない管理を」 被害にあう農場の多くは初回の発生で動揺されるところが多いでしょう。

あの時こうしておけば、ああしておけば、指示しておけば・・ このような悔やむ言葉をよく聞きます。

であれば、悔やまない管理をしておけば良いのです。

中には2回3回と常連になりつつある養鶏家もいるでしょう。

その方は心に余裕でドンとこいやというところかもしれません。

鳥インフルエンザ防止にドンとこいやという思考はいりません。

悔やまない管理をして手間を惜しまないことが一番の防止策を構築できる言葉でないかと思います。

さあ季節は来ました。

後は鶏を守るという皆さんの意識と行動です。

被害があればこの状況です。 鶏卵相場は上昇し発生農場のおかげで潤う農場が増えていくでしょう。

それをお見舞い申し上げますという言葉でご飯が食べられるでしょうか。

いいえ「あの時ああしておけばよかった、悔やむだけだ」こうなるでしょう。

そうならないためにもぜひこの言葉を胸に毎日の管理をお続けください。

管理は手間を惜しまず、悔やまない管理

 

15日環境省の検査結果を追記しました。

実りの秋 皆さんの農場で出来ることとは

気温も下がり過ごしやすい時期になりました。

お米の収穫も進み野菜の収穫、お米の収穫と生業とされる方々の生産活動の決算とも呼べる時期になります。

私たち養鶏家も暑い夏を終えて、鶏達のコンディションから生産環境の見直しといった来年の夏をどのように過ごし安定した生産ができるのか検証する時期でもあります。

今年は腸炎に関する相談が多い夏でした。まだ継続しているところも多いと思いますが、できること、環境面からの見直しといった投薬や生菌剤に期待するだけの管理ではなく、 少しでも快適な環境を整えるような発想も必要になります。

さて、今日は実りの秋というテーマで皆さんの農場で出来ることとは何でしょうかというお話をしたいと思います。

秋と言えば、食下量の増加によるコストの増加、体重増加が顕著に見られることによる生産活動への影響、鳥インフルエンザ対策、ネズミや寄生虫の目視の増加とその対策と言ったところでしょうか。

しかし最近の傾向を見ますと、鶏はだいぶ変わったと感じることはないでしょうか。

白系の代表格ジュリアライトでは、食下量の増加がそのまま体重、卵重への増加に結び付くというわけではないということにお気づきではないかと思います。

数年前から変化の兆しが確認できることは研修の場でもお話ししていますが、ブログでも紹介しています。

数年前はそんな感じはない、ピークの持続は長くない、餌を抑えることが正解であるという話がよく聞かれました。

ですが去年、今年と様々な方々と同じようなお話をすると、生産持続が変わったねとか、増体重がいつもより小さいから育成期は逃亡鶏が増えてしまったよとか、ピークが早くなったものの最高点がいつもより少し少ないといったお話をいただきます。

また、餌を絞る農場ほど個卵重の増加が鈍くピークでもMSが多く良いのだけれど、Sといった小玉がいつもより多く歩留まりから見ても今はいいけど正常卵価では少し心配だねという話、卵が小さいから破卵は少ないはずなのにあまり変わらず、卵殻の強度があるにも規格外とはじく必要がある鶏卵もあるという話もお聞きします。

秋は夏の棚卸とも言われ、今年の課題から来年に向けての改善点模索に頭を使う時期でもあります。

ですが最近は経営者筆頭にこの卵価上昇にどのように乗るのか、家保からの指導にどのように段取りするのか、餌を削り夏より少し高いコストを上限にどのように収まるのかといった目先の現金の話が多く聞かれます。

そしてその多くは、来年も同じで同じ会話をして、暑さが増して被害が大きくなり、何だこの季節は、何だその管理は、何だその餌の配合はといった本当に検討する事項を忘れ目先の不満のみにフォーカスしてしまい、いつまでたっても同じことの繰り返しで夏は被害が甚大という農場も見られるようになりました。

その要因は、課題を見つける現場力が低下していることや、統括する幹部職の経験不足や課題を見つける事ができない状態が要因に見えます。

一般的に羽数規模が大きいほど少しの被害は目をつむることができます。

50万羽のうち5万羽農場の生産1割減少でも被害は本来47.5万個生産が47万個(5万羽の1割だけ)になるだけです。

たいしたことがなく、この卵価では誤差の範囲と言われるところも多く見ますし、細かすぎと言われることもあります。

しかし、このようなことを個数で見るのか、人の思考が変わらないことで同じことを繰り返し来年は5万羽2農場で減少と広がるのかという予防的な思考があるのかということです。

よく言われるのは被害は静かに緩やかに広がるのが一般的です。

よくあることの管理ミスにより餌を数日与えられなかったことで、1列とか1山とか鶏卵がごっそりなくなるということもありませんか。

この場合管理する側は目視でわかりますが、生産量を帳簿や報告書だけで見る層はわかりにくくなり、指摘ができないのが一般的です。

この被害は小さく、1列で約1,2%程度、1山で8,15%と言ったところでしょう。(鶏舎構造により収容する端数が異なるため平均的な数値ですが)

特に多いのは1列、2列の抜けです。 現場が気づかないということもありますが、気づいても報告せず餌をそこだけ多く与え回復に期待するという所も多いのではないかと思います。

現場も1,2%なんかわからないから気にするな、数日以内に回復が始まるからそのままにしろといった経営層とは異なる思考で、自分の立ち位置を守る幹部層も散見されます。

いずれにしても、農場側の意識の違いで変わりますが、1,2%なら個数で500個1000個だから誤差だからという経営層もいるでしょうし、3キロ、6キロの減収で1600円、3200円の減収の1週間程度の損失とシビアに見る経営者もいるでしょう。

そしてそれを防ぐことで次の被害を防ぐためにどうするのかという思考で対策する人もいると思います。

今回は1列だった、でも6棟ある農場で3棟までやられると3,6%の減少が想定できる、もしそれ以前に管理方法が綱渡りでもっとひどくなる可能性もあるという思考で見ると、たかが1600円、1%、誤差で片付けるには少し危険な感じもします。

鶏舎の給餌システムは今の時代自動です。

汲み上げて時間になり配餌、そしてまた汲み上げるの繰り返しで私たちは餌は自動化していると認識して違う作業に時間を割きます。

ですが、その餌は毎回正しく配餌しているとは限りません。

ただ時間になると、給餌機械が動き便宜上餌が排出できるだけという動作です。

では何も問題がないと言えばそうでもないのが本音ではないでしょうか。

多くは給餌タイマーの時間が半日ズレているとか、出発時間の針を正しく追っていない又はデジタルならば設定していない。といった人側のミスが多く見られます。

例えばタイマーが半日ズレるということはあり得ないという方もいますが、少し古い給餌タイマーはアナログ機械を使用しているところが多いと思います。

人が最初導入の際の設定で間違える、点検をしている時、故障して時間がズレていき半日程度遅くなるという事例もあります。

いずれも正常に動作している前提で物を見ていると、ある日餌が出ていないけどなんだろうかと確認するといずれか1つの事象があるというものです。

デジタル式は時間は正確で大丈夫と思いがちですが、意外と多いのが動作スイッチを何を思ったのか切りにしてしまい、気づかないという事例、故障しているのに誤作動と思い込むことで修理や交換しない農場もあります。

正しくは故障しているのか判断できず一過性とか様子見すると言ったその場しのぎをしたがる農場です。

そして良くないパターンで、人がそれを異常と認識できるまで時間を要する又は数日要する、あるいは指摘されるまでわからないというニアミスというより人災になり生産量を下げていくのです。

これを1%だから、1600円だから、しかたがないから、たいしたことがないからでは、その根本部分は何も改善されないのです。

数か月あるいは数年先にまた同じことを繰り返すというのが常で、養鶏家の宿命とも言えますが、少し改善策を講じると些細なことでしょうが、防ぐ方策を見つける事ができるのです。

そして、見つけるという新しい知見や意識が農場に芽生えるのです。

それがあることで、同じことを繰り返さないという意識、その他の事例でも危機感を感じて対策を先に手を打つことができるのです。

この意識はこの餌だけではありません。

例えば餌の配餌量は他とは異なるのか、多すぎか少なすぎなのかという一見不要なことかもしれませんが、1回の量が大きく差がある場合片や1日100グラム、でも50グラムと言うこともよくありますし、そもそも簡易的な量の調整しかできず正確に量を与えることはできません。

ですが、明らかに少ないということは片方はマニュアルに沿って体重が増えていくが、少ない場合は緩やかな登りになりロット間のばらつきになります。

それが1列なのか、それ以上なのかはその設定者次第で決まります。

ですから足りないとわかればすぐに軌道修正できるのです。

なぜそんな些細なことを話すのかと言われますが、エサは体重を乗せるアイテムであると同時に、産卵期では連続産卵のためにも必要量を与える必要があります。

今の鶏は少し変わっているという話をしました。

それは多くの方が気づいていることですが、生み出しが早く連続産卵が以前より長くなり500日齢までヘンデー90%というのも珍しいことではありません。

ですから、連産するには相応の餌を必要とするのです。

そして今も昔も変わらず「生んでいる時期は餌の多くを産卵に費やすから体重を気にするな」という昔からの戒めの言葉通り必須なことなのです。

でも平成時代からジュリアライトを飼育している農場ほど餌を食いすぎるから、早いうちに餌を抑えなければ体重が伸びていき個卵重が増えていくから売り物にならないという神話にまだとらわれているところも多いように感じます。

そしてその農場ほどピーク350日齢頃から生産量の低下が加速度的に進みヘンデー85%という所もあり、8割ぎりぎりで強換を実施しなければならないという昔の方法をそのまま踏襲していきます。

でも生み続けている状態を意図的に停止させて餌代を抑えるだけで、結果生産量の低下、餌の低下、個卵重の上昇停止と鶏の性能を自ら抑えてしまう農場もあります。

でも餌が多すぎるから(本音はコストが上がるから嫌だ)抑えるべきだ、生産量は400日にはヘンデー9割あれば良いから気にしないという所もあります。

確かに養鶏の経営は餌代より鶏卵代金が高くなるようなシステムですから、餌を削れば鶏卵代が変わらない限り利益は増えていきますので、平成まではその方法も良く活用されていますが、今の時代に合っているのでしょうか。

本当に餌を削らないと鶏は丸々としてしまいどうしようもなくなってしまうのでしょうか。

こんなに産み続けているのに。

そのエネルギーや栄養はその量で毎日の生産量を維持できるのでしょうか。

この視点です。

今日は餌の話だけをしましたが、農場で出来ることとはただ、消毒すればよい、清掃していれば良い、集糞していれば良いという管理だけではありません。

それ以前に餌はどうなのか、水はどうか、点灯はそもそもどうかという基本部分です。

「基本がない応用はない」

というは、養鶏家皆さんが知っている言葉であると同時に戒めの言葉です。

基本がない者は絶対は応用はできないということで、私自身も基本がない方の応用に成功した事例を見たことがありません。

大抵は、偶然よくできた(けど再現はできない)、

できなかったけど鶏が悪いので仕方がない(けど管理から結果意図的に鶏が悪くなったと検証ができない)

とよく農場を見る事ができないことで、鶏を見る農場と生産量の差が生まれていきそれが経営体力の差になります。

そしてそのために人に手をかけない農場ほど、ただの掃除はできる、ただ鶏を眺めることはできるといった管理の最低限しかできないだけで性能は運に委ねられてしまうところもあります。

そして無理に研修を受けさせて、わからないけどこれをやれば生産量が上がるから実行しさらに裏目に出るといった、先ほどの「基本がない応用はない」という正に戒めに逆らう行動でもありますし、そのような農場も見ますが、やはり裏目に出ているようです。

養鶏は昔は馬鹿の鶏飼いと言われていましたが、でも本当は違います。

何も考えなくても鶏と餌と水があれば卵は産みますが生業と言えるほどの収益は得られないことを知ると、趣味の鶏飼いとプロの鶏飼いは違うのです。

多くはプロ(それを生業にしているからこそ)ですが、その差は歴然で、毎年苦しい大変ともだえる農場もあれば、生産量を確保し確保できるから信頼され引き合いが増えていき収益に貢献する農場と、養鶏を良く見ると本当に体力差がある世界でもあります。

皆さんはどちらなのかはわかりませんが、大事なことは「生産活動は受け身では何も変わらない」ということです。

変えることも大事です。

でも応用は基本を持つ者だけができる技法であり万人向けではありません。

失敗は減収という賭けをするのと同じで、博打で行うことではありません。

成功か失敗か、のるかそるか。

そんな判断で応用するものではありません。

基本は水・餌・空気と皆さんは知っています。

でも従事者はどうでしょうか、水・餌は大事だよ。だって点検をおろそかにすると怒られるから。

そんな程度の方もいるのではないでしょうか。

まさか管理者も同じ発想ということはないと思いますが、同じ視点しかない農場ほど何もできず、何も変わらず、でも何かをしたがる。

そして失敗するが、検証はしないのでまた繰り返す。

そんな農場もあります。

秋は鳥インフルエンザ対策も重要でありますが、夏の総決算時期でもあるのです。

鳥インフルエンザは平成に入り何十年ぶりの再発で以降数年おき、最近は毎年発生とこちらに比重を置かなければならないのも現実ですが、でも夏の失敗改善を見出す時期でもあるのです。

そのためにも知識を得て、応用の策を考えるという時期でもあります。

これがあって実りある秋と言えるのが養鶏ではないかと思います。

だいぶ涼しい季節になりました。

汗をかき塩気のある食べ物がおいしい時期は終わりました。

秋は美味しいものがたくさんある時期ですが、養鶏家皆さんもたくさんある知見を1つでも吸収して次に生かしていきましょう。

でもそれだけに目を奪われてはいけません。

もう目の前は鳥インフルエンザが聞かれ始める季節があるからです。

両輪のように上手に農場をアップデートしてみてください。

そして実りある秋、皆さんの農場で出来ることとは何か考えてみてはいかがでしょうか。

10月6日は中秋の名月だそうです。

お月見団子や月見サンドを食べながら、農場で出来ることを月を見ながら一緒に考えていきましょう。

千葉県では鳥インフルエンザ防止の消毒命令が発出されます そろそろ時期ですが皆さんの意識はどうですか

千葉県は10月1日より家畜伝染病予防法第9条に基づき消毒命令が発出されます。

県内約200の養鶏家が対象になり、命令を受ける方は県内100羽以上の鶏及びその他の家きんを飼養する農場です。

期間は10月より令和8年3月31日までで、飼養施設の周囲及び農場外縁部を消毒薬を用いて散布することとしています。

既に家保だより等で告知されていることと思いますが、県外の方にも早い取り組みを開始している自治体があることを知っていただくと、うちは家保から指導がないから安心という不安な思考より、もう季節が迫って来ていると感じれば、ではどの様に警戒していくのかという思考が生まれ行動していくと思います。

是非皆さんの農場も被害ない秋を迎えていただきたいと思います。

さて、現在多くの自治体は発生が確認された際に作業手順の確認のための研修が行われていると思います。

これは養鶏家向けというより県職員や作業協力する民間企業を対象にしているもので、発生した際という行動が必要になった時期の作業を想定したものです。

皆さんの農場では発生を想定した行動というより発生の予防を想定していることと思います。

ですからこのような報道は他人事というより、そんな早い話をしている程度と認識している方もいるのではないかと思います。

しかし、このような行動確認は発生時に確認していては遅く、いかに短時間で広がりを止めるのかという視点であり農場とは違います。

いつ起こるかわからないからこそ、発生が統計上確認できない今に行い備えているわけです。

皆さんの農場に万一が起こるのはその後で秋以降冬に聞かれるわけで、確かに早いからこそ他人事に見えるのでしょうが、発生するとかなり経営的に難しい面に直面するほどの危機がやって来ます。

ですから他人に行動に早い無意味と考えるのではなく、もう季節がやってきて野鳥からどうのこうの、農場からどうのこうのという話題がやってくる可能性が高まっているわけです。

大事な鶏達が防疫措置されれば国から手当金が支払われますので、経営が本当に厳しく破綻するという農場はあまりありませんので安心はあるでしょう。

しかし、その支払いは数か月、半年とずれて支払われるのが一般的です。 その間の諸費用はどこから捻出するのか、借入金の返済方法は、我が家の維持費は・・と様々な経済的な問題が降りかかり、ご自身で解決しなければなりません。

片や農場から鶏が搬出され、空舎になった後洗浄し消毒し、次入替するはずであった鶏達を迎えるまで延期措置、キャンセルといった事務作業も同時に行われなければ農場運営が止まり、てんやわんやになります。

でもこの手間に支払われる収入はありません。無給で対処しなければならないのです。

次という時期が不確定な未来にために行うのです。

鳥インフルエンザは災害であるといわれます。 確かにその要素はあります。

しかし国や少数でしょうが厳しく自らを律する農場は、そのような他責志向を持つ人は人災に近いものという位置づけで見ているのも現実です。

つまりなんでも災害で片付けるものではないという発想があるのも現実で、受け身でなく、積極的に守りをしているのかという姿勢と行動がなく被害が発生では災害ではなく人災と言うべきでしょうということです。

8月以降の研修では、鳥インフルエンザを入れないためには当たり前の入れないという行動が大事と話していますが、本当に入れないと思うなら「意識し、手間を惜しまない」ということに尽きます。

目先千円位の手間節約のために被害あると数百、千、規模が大きいなら億単位の利益が飛んで行きます。

しかも回復はどんなに早くても半年、9ヶ月、年とかかり、帳簿上翌年まで影響が続きます。

分散農場であっても同じです。

5農場経営で1農場被害でも12%の鶏卵収益が損失します。

それだけ経営を脅かすものなのですが、感心が高くないのも現実で、研修の多くは法令から靴衣服を履き替え、手指足消毒し金網を修繕、殺鼠剤を撒くといった方法に時間を割きますので、要はこれをやっていればいいのだろうという、やらされ感が先行してしまい、行動のワンパターン化ができてしまい、根本になる人がこれは行動しなければリスクが高まるといった意識まで向上するというのも難しいように思います。

研修40分、50分ではしかたがないものですが、意識への浸透にはこれだけでは難しく意識のばらつきが生まれ運の良しあしで決まってしまうような運要素が見えるように思います。

是非皆さんの農場ではもう危機がやってくるのだと思考を補正し不安要素が高まる秋を迎えていただきたいと思います。

9月は各養鶏の地域部会や農業養鶏団体からの研修依頼をいただきます。 多くは60分、90分と長めの研修時間をいただき人の意識の大事さがあり方法論があるという視点で話をしています。

その方法は私より専門的な方、防疫措置に携わる県単位での研修や鶏を専門に指導できる管理獣医師の方がに委ねるのが正しい理解と衛生管理の向上に寄与できるのではないかと思います。

農場単位では難しいことと思いますが、是非この秋は人(皆さんや従事者の方)に意識を高めるような実りある知見を得られるといいのかなと思います。

このような鳥インフルエンザへの備えを行う中、国は来年令和8年1月に一部飼養衛生管理基準が改定されると報じられています。

春先から話題になっていたものですが、10月施行と噂されていましたが1月からになるのではないかというもので、 県単位の研修ではこのような話題というか予告がされています。

これは「密集地域では発生しやすいため農場だけでなく地域として発生しにくい対策を講じることの重要性」という考えが根底にあります。

イメージ的には豚に施行されている「大臣指定地域」のようなもので「対策強化地域」と呼ばれるものになり、9月の岩手での県研修会で話題になりました。

岩手県では発生が続発した県北地域と盛岡市が指定される見通しであると報告され、来年1月までに指定される見込みとされます。

指定地域では発生予防とまん延防止の強化が必要になり、養鶏場外の対策を求められ、ため池があれば野鳥飛来防止のために糸を張り防止したりする等出来るだけの措置を講じます。

昨年は1月以降養鶏密集地域での続発が相次ぎ被害羽数もこの時期から格段と上昇し、今年の鶏卵相場の上昇に至りました。

数は少ないですが再開を断念した養鶏場もあり、発生した後の回復の遅れ、経営者の退場といった様々な話が続いています。

特に令和6年度の発生農場は多くは回復を始めているところが多く、既に農場稼働5割7割と回復が進んでいますが、間もなくシーズンが到来します。

運の良しあしではなく、ご自身の思考と行動で回避できるような年であっていただきたいと思います。

鶏卵相場は年内は高止まりが続きます。来年初市も高い可能性もあります。

年末350円超えは確実でしょうから、収入が皆さんをバックアップしてくれるはずです。

ではその資金で何をするのか、車を買うのか、家を改築するのか、それとも衛生対策に投じるのか。

お金は使い方を教えてはくれません。

その人の意向に従うだけです。

ですから皆さんの思考の高低差が農場の運命を変えてしまうと言っても過言ではないのです。

さあ時間は少なくなりました。

急いで入気口にフィルター設置している農場もあります。 まだ間に合うでしょうが、何も考えていない、必要がない、行政から言われれば何かすればよいではなく、今できること、隙をなくすということ、そのために何を知り行動していきましょうか。

手当金が出るから大丈夫、鳥インフルエンザ保険に加入しているから大丈夫、行政の取り組みに不信があるから何もしなくてもしてもかわらない。

そんな後ろ向きな思考からそろそろ変えてみてはいかがでしょうか。

8月以降研修でお話をすると、少しづつですが変化を感じてはいますがすべての方がそうなったとは思っていません。

ですが、すべての方にその思考を普及するほど時間もありませんし、難しいことです。

是非皆さんは意識を変えてもうやってくる危機に備えていただきたいと思います。

令和7年度の最低賃金額が決まりました 最低額1000円未満の自治体はありません

令和7年度の最低賃金額改定が全国平均1118円となり、前年度から63円の増加となりました。

引き上げ額としては過去最大となり、多くの農場は支給額との比較を必要と知るところがあるでしょう。

もっとも高い地域は東京の1226円で、次いで神奈川1225円、大阪1177円と平均上昇額となる63円を加算したような金額です。

養鶏が盛んな地域を見ると、茨城1068円、千葉1139円、鹿児島1017円となります。

傾向としてはC地域は64円以上と都市部以上の引き上げを決めています。

多くの地域は10月1日からの施行となりますが、一部は11月1日以降としています。 9月に間もなくなります。

10月施行であれば、今のうちに現行支給額が改定額を満たすのか確認しておく必要があります。

さて、一部の農場は今の時給額からは数字を切り上げた程度の金額を提示して支給しているところもあるでしょう。

例えば千葉県の現在の最低時給額は1076円です。

多くは1100円程度を提示して算出根拠にしていると思います。

1日6時間実務であれば、日6600円で、週休2日であれば月132000円程度でした。

ところが、次期改定額は最低1139円ですから、多くは1150円程度か1175円、1200円とした額を想定しているかもしれません。

1150円とするならば同条件で、日6900円(300円現行より不足)同条件で月138000円(6000円不足)となります。

多くの農場では慌てふためいて右往左往することはないでしょうが、時間給で見てこの最低額を満たさないことは農場側は違法行為になりますので、毎年改定を要する農場は支払額が超えていることを確認してください。

さて、鶏卵を仕分ける方や技能実習生は今でも時給作業者を中心に想定していると思います。

そして時給最低額より少し多い程度を給与としているところも多いのではないでしょうか。

この2年程度急激に最低時給額が改定されており、上昇がキツイという声も聞きます。

しかしながら、人を安定して雇用できる環境がないと結局は人が集まらないから負担を増して仕事をさせることになり、離職者の発生とその補充ができないとジワジワと農場内の業務に支障が見えるようになります。

良く見るものとして、鶏舎内の清掃が滞るようになり、時間がないから、作業者が急に休むことで今週が清掃無し、場合により2週実施無しという所もあります。

酷くなると、前回はいつ清掃したか農場誰もわからないほど経過したということもあります。

現場は清掃程度で騒ぐことはありませんが、弊所ではその末路を見ていますのであまり軽度に捉えるものではありません。

この場合、清掃がおろそかになり、鶏舎内に不要物が集まりネズミが集まり始めます。

特に秋以降外が涼しくなり始めるとクマネズミといった鶏舎を好む小動物が鶏舎と外の行き来といった通勤を止めて鶏舎内に住み始めます。

当然ネズミ同士の競争がありますので、高所に巣を作れない個体が散見されると清掃がないことで、床にある ほこりが集まる場所に巣を作り出します。

集糞ベルトのベルト間に鶏の羽をベースにした巣を作ることもあります。

ベルト間に巣を作るわけがないという方もいますが、多くは針といったベルトのたわみを防止する横板と言われる針金を入れているはずです。

これが、通せんぼをして巣の壁は動かないですが、床面だけ動くと思うでしょうが観察すると、そのようにならないように床目に羽を敷き詰めているようで、巣自体は動きません。

ネズミの尿臭があり巣があるとわかりますが、人がいないという理由で気にしない、気にする時間がないと言っていることが多く、当たり前が崩壊してしまった農場もありました。

根本は人がいない、足りないといった理由ですが、その根底にあるのは支払う賃金が少なすぎることや、人を維持する思考力が足りず潤沢に補充できると信じ安易に人を放出したものの補充が全くできないということが主要因になるものです。

ネズミは様々なマイナスを農場にまき散らします。

配線の断裂による機器類の漏電や故障、集卵システムの回転部にネズミが挟まることの集卵停止や異物となったネズミの除去といった現状回復、そしてサルモネラの検出といったこともあり、たかがネズミと言っている農場は残念ですが、衛生管理は底辺にあると言えます。

そしてそのネズミを増やす要因に清掃の未実施があり、鶏舎に人がいないからこそ好き勝手に動き回るのです。

でもネズミとくくると、増えるから穴をふさぐとか、殺鼠剤をまき散らしておけばよい考えることもあるでしょうが、根本は人の目がないからこそ気づけないということに気づけていないのです。

最低時給は年々増加していくことになります。

これは労働力が減少していくからこそ人確保の手段として賃金上昇で人をつなぎとめることになるのです。

国の政策で人が潤沢に増えていきやすい、従業員が確保できるという時代ではありません。

安い作業者にすがるだけでは、この先も厳しいことではないかと感じます。

そう遠くない時代全国平均1500円は不可能ではないように感じます。

物価高を国の税制補助があるとも思えず、値上げた分は賃金に回すような時代になっているように思います。

いずれこの上昇による脱落者は一定数発生するでしょう。

これを助けるような政策を国はするのかわかりません。

そうなると、賃金を十分に支払えるような人の配置を見直ししたり、人が多ければ安泰という昭和時代しか通じない思考から脱却する必要があるようにも感じます。

ある農場は役職従業員を増やしすぎて、労務時間から割高すぎる賃金を支払い続けている農場もあります。

役職者は俺の右腕であり低賃金作業はさせないからという視野で物を見ている経営者もいます。

一見正しいような意見ですが、その役職者は仕事がないので寝転がっていたり、お気に入りとガススタンドへ社用車の給油しにいくといった無駄な人材に成り下がっていることに気づいていない農場もあります。

でも賃金が高いから低作業なことはしないから、清掃はさせない、集卵業務はさせない、それより次回の会議の議題を考えろというお金にならないことに力を入れています。

人が不足していく時代になりましたが、それでも昭和思考で1150円支払いすれば潤沢に集まると信じているのが皆さんが育てた農場が存続できるのか。

人はいるのだから低賃金者だけ採用していければ解決できるのか。

そもそも役職者とは何をしている人なのか、明確に説明ができる経営者はどれだけいるのでしょうか。

多くは農場責任者、統括者、部長というでしょう。

ではその人は何をしている仕事をしているのでしょうか。

多くは農場を見て管理している、異常を検知して解決策を見つける事ができる、部長だから偉いのである。

そんなところでしょうか。

しかし、農場を見ているのに掃き掃除をしていない場合、その責任者は何をしているのでしょうか。

そう尋ねると多くは現場職員が悪いと論点をすり替えます。

それを監督するのに忘れている役職者であるのにです。

そんな者に余計に支払いをしているからこそ、低賃金者は低賃金で良いではなく、それしか支払えないという現実になるのです。

経営者も自ら減額して低賃金者に補填するという奇特な人はいないと思います。

そうなると、最低時給で良い、最低時給の端数上昇した額でよいという思考しかなく、いつまでもお金がないから人は集まらない、そして農場が崩壊していくというスキームができてしまうということを知ると、 最低時給をベースにした人の雇用維持は無理が来る時期がそう遠くなく訪れることでしょう。

ではどうのように農場を維持していくことが大事でしょうか。

いつまでも最低時給をベースに組み立てしていくのか、本気に支払い、オールマイティな仕事をする人材に育て1つの仕事1人ではなく、2つの仕事1人のような幅を持つ人材にして人件費を吸収していくのか。

役職者は本当にその人数必要なのか、その仕事は一般職と変わらないなら、その役職は必要なのでしょうか。

役職はコストがかかる人材です。

頭を使い実行できる人材を農場は求めているのではないでしょうか。

ではそのような人材に育てられないなら、役職者は必要でしょうが、代用できるならそもそも不要です。

ある農場は、経営者と農場統括者、農場従事者だけの組織があります。

その農場は経営者が主に方針を示し、進捗や実施責任を統括者が行うのですが、よくできている農場ほど、統括者と従事者の頭抜けた連携で問題解決に取り組み成果を出しています。

丁度今の時期ですと、高温による鶏の影響対策と実行に従事者が取り組み逆に統括者が感心するといった先行く思考と実行があり農場は進化しているように感じます。

つまり、目先の人件費をどうしようかと考えている農場は、この先もそれなりの仕事をそれなりにして、鶏の能力に助けられて経営している農場のように感じます。

人件費は重いものですが、鶏の生産能力を引き上げたり、維持するためには人のかかわりは必要になります。

鶏の生産能力はこの数年更にに改善が進み高産卵、高産卵維持が当たり前になりました。

ピーク97%で500日齢まで90%持続というのは珍しいものではありません。

強制換羽は不要なのだろうかと感じるような高い生産能力を感じる方も多いと思いますし、経営されている方も実感しているかもしれません。

でもその高い生産能力は偶然で発生するわけではなく、人の管理でそのようになるという視点を忘れると、人は生産しないからこそもったいないお金と解釈することもあるでしょう。

お金は確かに有限です。

だからこそ無駄のない出費が経営の基本です。

その思考に仕事を本当にしているのか?という人材に現場従事者より多く支払う価値はあるのか、俺の右腕(俺のお気に入り)には惜しげもなく支払うという姿勢が毎年上昇する賃金圧力に耐えきれなくなっているような農場も散見されます。

皆さんはそんなこともないでしょうが、そうなってしまった農場もあります。

この先賃金上昇圧力は続くと思われます。

その要因は人手不足からの獲得のための上昇と外国人労働者を迎えるためにも世界に通用できるような賃金水準の維持が目的と言えるでしょう。

ですから、下がることもなく横ばいになることもないでしょうから、耐えてしのいでいくのか、生産確保のための方策に尽力して生産量確保に努めていくことで、収益を確保するということになるでしょう。

その時人件費をどうにか圧縮するというコスト思考は見方を変えると大変なことになると思います。

その使い方使途を見直すことも大事でしょう。

毎年最低時給の話題がありますが、根底は人々の購買を維持するためにも必要な物になります。

スーパーの食料品売り上げは毎月増加しているようですが、これは値上げ分が加味されて増えているのであり、売り上げが活況であると言うことではありません。

実際購入点数は少なくなっており節約志向があるとされます。

大手流通店舗は、自社ブランドの商品の充実や値下げによる来店頻度を上げたり購入につなげる行動をとっています。

ですから、賃金を引き上げることが悪と考えると最終的には、私たちの製品購入機会を少なくすることになり良いことではありません。

ではどうしましょうか。

流通店舗に納めているのであれば、購入機会を増やすように商品を間違いなく納入することが大事になります。

それで選ばれるのかどうかは消費者が決めることになりますが、先ずは数がないと話になりません。

地域密着店舗に納めているのであれば、その店舗の畜産物代表になるようなブランドになるよう育てていくしかありません。

テレビに出るような商品ではなく、地域の顔になる商品になるということです。 ○○さんの卵とか、指定農場の美味しいたまごのようなものです。

そのためには数も大事ですが、地域で良いイメージを持ってもらうことが大事です。

加工向けや外食向けで生産しているのであれば、商品の品質や安全性を前面に出すことが大事です。

そのためには、衛生管理を実施ていることを知ってもらう、第三者の認証をもらい客観的な評価をもらっていることが大事です。

どれも人が関わることになります。

生産能力だけで解決できるものではありません。

その人にお金を惜しむでは、数年先は大きな変化はないでしょうが少しづつ安全性や商品のイメージが崩れていくことになります。

それを支えるのは人なのです。

いかがでしょうか。

毎年10月は気が重いという声も聞きますが、大事なことは人はコストではなく投資と思い込むことではないかと思います。

その人へのコストと考えてしまう要因に、出費の在り方がどうなのかと言うこと、人を育てるコストはコストではなく投資であるという視点。

ブランドに育てることや安全な生産物のためには人のかかわりが必須であるということを知ると、ただの人ではなくオールマイティな人材に育てることが解決策になるということになるのではないかと思います。

間もなく改定時期になります。

10月以降時給は最低63円以上の改定が確定しています。

その上昇分を吸収するために削るのか、安い人材に活路を見つけていくのか。

経営者の手腕が問われる、そんな10月になるのではないでしょうか。

クロストリジウムによる被害を少なくするために 暑いから仕方がないではなくどのように涼しく飼育できるのかという思考を

今年はと言いましょうか、今年も暑い日が多くなりました。

天気予報を見ても国内最高気温が更新されたという話題や猛暑日が多いという話、7月の日本の平均気温は約3℃高く過去最高を更新したというニュース記事等

暑いというより危険な暑さとなった7月でした。

6月以降熱中症による救急搬送が昨年より増えているというニュースもあり、暑さは7月ではなく6月頃から継続しているのでしょうか。

伺う先の皆さんにいつも「こんにちはお変わりありませんか」という言葉から始まりますが、最近は皆さん先に「毎日暑いです。鶏も参りますが、人が参っているよ」と暑いことの言葉をいただくことが多くなります。

今年は6月頃からクロストによる被害があるというお話をいただきます。 弊所職員に聞くと、例年7月に入ると9月頃まではよく話題になるけど、6月に入り早々に聞くとは少し早いね、暑いからかな?という雑談も良く耳にします。

皆さんの農場ではそんなことはないという所が多いとは思いますが、この時期だからこそ大事な鶏達を守るために暑さもそうでしょうが、健康管理に時間を配っていただきたいと思います。

さてよく言われるクロストリジウム(以下クロストといいます)は、養鶏を経験していくと高確率で遭遇するものです。

入社して数年で始めてみる場合もあるでしょうし、私のように5,6年経過して初めて遭遇する場合もあります。

時期的要因もあるとされ、暑い日が続くと発生しやすいと経験則から良く語られます。

よく話を伺う診療所さんの話も同じで、例年夏(6~9月)に暑い日(猛暑日近くまで急上昇し継続したとき)が続くとポツポツ相談を受ける感じがすると言います。

資料を探していくと、クロストCPが主要因で、発生に関わる病原体がコクシジウムであると記されています。

獣医師の方々皆さんクロストが動く時コクシが関わると言いますし、コクシが見つかるということはクロストが動いているという話もしますので、切れない関係にあるのでしょう。

なおこの症状がある時の多くは、独特の刺激臭がありますので、ウインドレス鶏舎であれば風下を歩くと強く感じます。

経験が長い管理者は良く気づくと言います。 私も鶏舎の扉を開けると「ん?」となることも多く、養鶏勤務時代は上司に報告して「noguchikuくんベテランになったな」と言われ嬉しくなった時期もありました。

なんか懐かしいなと感じることがある臭気でもあります。

そのメカニズムも紹介されていますが今日は割愛し、では飼養管理にできることを見直すことに主眼を置きお話をします。

よく言われる対策に衛生管理を向上させなさいといわれます。

漠然としていてわからないというお話もいただきますが、大事な点は7つです。 1,レイヤー農場では餌箱(餌樋)や水樋といったところに排せつ物がある場合は取り除くということ(死亡鶏取りだし時に点検を兼ねて巡回する)

2,集糞頻度を上げて排せつ物を鶏舎に長く滞留させないということ

3,集糞ベルトは奇麗に掻き取れる板(スクレーパー)が正常に書き取れるように調整・交換すること(バタリーでの広がりはベルトに付着した鶏糞を食して広がることが多くあります)

4,この時期だからこそ生菌剤を給与して腸内環境の健康を維持しましょう

5,暑い時期は風を当てるという発想を持ち、暑熱ストレス軽減をはかるということ、産卵ストレスもかかりやすい日齢時は早めに涼しくできるよう風を当てストレスを軽減させる管理をする

6,廃鶏(中びな等移動後)後は十分な洗浄とトライキルのような混合消毒剤を活用してできるだけ残存させない取り組みをする

7,IBDワクチンを幼雛時期から十分に投与しましょう

このような点でしょうか。

皆さんもご承知のことと思いますが、このクロストは再発もしやすいという弊害があります。

発症した際、多くは産卵前であればサルファ剤を獣医師から指示書をもらい投薬することと思います。

効能書きには1サイクル3日を2,3サイクル実施のように記載されていると思います。

処方時には獣医師さんより1サイクルで斃死が治まれば止めるという場合もあるでしょうし、2サイクルまで必要で推移次第で3サイクルと細かく指示をされると思います。

大事な点は勝手に農場が1サイクル終了で良いと決めつけないということです。

この症状では多くの場合1サイクル開始2日目程度から斃死の減少が確認されると思います。

サイクル終了でだいぶ減ったから大丈夫という思い込みで投薬を止めてしまうと投薬なくても斃死が減少していき大丈夫と思ったところで、また斃死の増加へ転じてしまうという場合が良く見られるということです。

多くの場合産卵がピークに差し掛かる頃に増えていき、鶏卵はどうするのか、売り上げは、餌代の捻出はといった経済的理由もあり投薬を躊躇し、生菌剤投与に期待するという農場も見ます。

当然薬ではありませんので、効果が見られるまでは少し長い時間がかかりますが改善はあります。

その間の斃死の数、産卵の低下、摂取量の低下と3重のマイナス要素が発動されます。

そして季節は猛暑、なお餌を食べないことで体重が低下し摂取量が下がり産卵も下がる、という負のスパイラルに突入した農場も見ます。

こうなると、秋の回復を待つという期待もわかりますが、多くは産卵は良くて今より2%上昇まで、摂取量は改善されるものの総じて多くなり体重も増えていき冬以降脂肪パットが厚くなり、卵墜といった違う症状となって鶏舎に新しい話題を呼び込むこともあります。

よくお話ししていますが、目の前の鶏病はそれが本当にそれが引き金なのかという視点を持つという所に行きつくのです。

弊所でのご指導もクロストからの回復期の相談が多く、弊所の提携獣医師さんであれば経緯から情報を共有して回復期の取り組みを提案しますが、スポット依頼である場合何か産卵が増えないからで始まり、お伺いしてクロストが起因して回復期をどうするのかという実行までの時間ロスが多くあります。

このクロストはどの農場も散見されるとは限りません。

多くの農場は衛生管理も良く寄せ付けにくい管理をされています。

発症した農場は不衛生であるから発症したというわけではありません。

ですが、今お話しした7つの大事な点のうちいくつかが今年は十分でなかったから鶏のコンデションで左右されて発症したということもあります。

ある文献では育すう期から十分にIBDワクチンの投与がないと発症するリスクがあると言われています。

これも少し前から言われていますが、クロスト発症がない場合関心がない文献です。

ですが、F嚢が指令となり健康維持に貢献しているのであれば十分にワクチンを投与すべきものであるかもしれません。

最近はIBDは過去の病気であり、MD同様根絶されたものと思う方が多いと思います。

確かに育成期に良く見られたMD(マレック病)の脚弱や削痩は見なくなりました。

IBDも同様で今時ファブリキュウス嚢病が全国各地で見るということもありません。

でも鶏の健康をつかさどる抗体を作る臓器はたどり着くと、十分に機能しない場合1つの要因にもなるとも言われるわけですから、要らないではなく健康維持のためにも必要と考えるべきでしょう。

ある農場は発症がないからこそ取りやめた農場もありました。

数年前からこの時期になると育成期、成鶏導入後まもなくこのような発症が年1,2件発生するようになりました。

それまでの10年、20年間発症はほとんどない農場でしたのでとても分かりやすいものです。

また投与を開始していますので、その効果がわかるのは数か月先か来年になるでしょうが、無駄と思い込んだものが大事であったと気づいたことは農場にとって大きな成長でした。

皆さんの農場は発症がないから大丈夫と思うでしょう。 でも何かを変えた時(この事例ではワクチンの廃止)に年1,2回のイベント発動になり気づくまで数年かかり、経済的損失をこうむり、再開し効果を確認するまで数年と無駄とは言いませんが、無意味な10年を過ごしたという農場もあります。

大事な7つはどれかは皆さん必ず実施しているものです。

それは管理者経験があるからこそわかります。

でも細部を見ると、例えば3,4,5のようなすぐに取り組めるものを後回しにしていることはないでしょうか。

冒頭今年も暑いとお話をしました。

それは人に対し暑いですねと言うことですが、人が暑いということは鶏も暑いのです。

暑い時冷やすのが基本です。

でも高温管理が一般的になりいかに暑く鶏を飼い餌代を節約するのかが美徳と信じた経営者や管理者、それに刺激を受けた従事者。

昔鶏の体温は42℃だから20℃では寒すぎる、30℃でも33℃でもいいのではないかという話をしていた方を思い出します。

人は36℃だから15℃では寒すぎるものかと首を傾げたものですが、その方はいかに暑熱ストレスは弊害ではないと力説したかったのかなと今も思います。

それはひいてはコスト削減につながると言いたかったのでしょうか。

鶏の性能が変わり高産卵が持続できるようになったからこそ、産卵ストレスは昔以上に大変なものではないかと、鶏を見て思います。

今の時期何もしなくても暑熱ストレスにさらされる時期、そこに産卵ストレスが毎日加わると体調も崩れるのではないでしょうか。

暑いは、もしかすると鶏達へ緩和させるキーワードになっているのではないかと思います。

暑いは当たり前ではなく、暑いから風を当てて体感を少しでも下げよう。

そのような思いやる管理が必要になった時期になったのではないでしょうか。

水を屋根から流すのは意味ない、クーリングパットはカビるから嫌だとさらにできることを放棄してしまうと、鶏のストレスはさらに高まり、たかがクロスト、コクシではなくさらなる問題が発生するのかもしれません。

暑いから仕方がないではなく、涼しくしようとこれだけでも農場にとって大きな成長になるかもしれません。

そして管理獣医師の方と連携をとり鶏達にとってできるだけ快適な環境を作り予防していきましょう。

夏を迎える時に考えること 軟便を見るだけでも何かを気づく機会があります

梅雨も明ける地域も見られ本格的に暑い時期を迎えようとしています。

既に猛暑日を迎える地域も多く、暑さに弱い鶏達にとっても私たち管理をする者も厳しい日が多くなりました。

鶏舎に断熱塗料を塗布した農場もありましたし、屋根から少量の水が流れるように配管を組み立て屋根から冷やして鶏舎内の熱上昇を緩和させる農場もあります。

皆さんそれぞれの暑熱対策を講じる農場も多く見られ、毎年暑いから今年も暑いという思考で夏を迎えるところも多いと思いますが、一部の農場は年々暑くなるからこそ暑熱対策を考えていく必要性に気づくところもあります。

毎年の話題としては、猛暑による食下量の低下、産卵の低下、個卵重の低下、減耗の増加といったネガティブな話題が多く聞かれます。

対応策も限られますが、農場内を見直しして現場の姿や声を聞き思いがけない収穫(対策)を得ることもあります。

積極的に見てみましょう。

本年の動向から夏をどのように過ごすのか考えて見ると、収益や減耗提言等のヒントが隠されているように感じます。

5月からの研修、勉強会ではこのようなテーマで「鶏を見る機会と人が感じて動くこと」をお話していますが、今年は特に必要になるのではないでしょうか。

さて、今日はそんな農場の心構えのお話ではなく恐らく感じていることでしょう鶏達の軟便について考えてみます。

毎年の季節物で珍しいことではなく特に気にするものではないという方も多いと思います。

しかし軟便から今の鶏舎環境のバロメータになるからこそ少し気にしてみる必要があるというお話です。

確かに結論から言えば軟便を解決することはできませんし、それによる弊害を解決する費用対効果から資本を投下することも必ずしも有効であるとも言えません。

ですが、鶏舎環境を知りそれによる対策の構築は人の思考力を上昇させこれから秋に向けての課題(食下量増加による個卵重増加とともに脂肪パッドの過度の付着やウイルス対策の自ら考える気づき等)を見つける機会にもなります。

この問題の解決というよりその先の課題を見つける力を養うためにも少しお話を聞いてみてください。

軟便は何が原因で起きるのかという初歩的な話も大事かもしれません。

入社して初めての夏を迎える従事者にとって鶏糞の変化が大きく変わるこの時期は驚くことでしょう。

ダンプに鶏糞を積み込みしていた春先は粒状の鶏糞が当たり前になっていたのに、この時期は泥の鶏糞になる農場も多いと思います。

この時期は水分が多くなり、ダンプに鶏糞を集めると鶏糞が山のように積み込まれるというより、平たくやや水分を運ぶようなイメージになります。

そしてよくあることですが、ダンプの後部あおりの止め金具が鶏糞の重みで変形してしまう、あるいは留め具が重みで外れてしまい、走行中低速で輸送していても少しの衝撃(段差等)で外れてしまい車外(道路等)に放出してしまうということもあります。

だからこそ積み込み量をいつもより少なくさせてあおりにかかる負荷を軽減させる方法を教えたりと、農場独自のルールを教えているのではないでしょうか。

その要因は鶏の水分摂取が増えていき固形物とのバランスが乱れていくことで水の比率が大きくなることが要因です。

一般的に餌1に対し水が4や5といった比率になると良く見られます。

つまり餌100g取り込む鶏は水を400か500gまで摂取しているということです。 通常は餌1に対し1.5や2当たりが春先までの普通の鶏の摂取量になりますから、いかに水を必要としているのかということがわかります。

飲水計があれば正確に計算できるでしょうが、ない農場であれば餌1水4というレベルになっていると推測はできます。

経験から3を超えると軟便化が進んでいると判断していますので、どのように固形物(餌)を与えていくのか試行錯誤するきっかけになります。

ここまでは教科書的な話ですが、では24時間水分を放出しているのかという視点で物を見て見るとどうなのかという点が大事です。

多くの方はこのような暇とは言いませんが観察はされていないでしょう。

でも自動化が進んだ鶏舎だからこそ集糞一つとっても観察する時間と方法はあります。

作業の自動化は確かに私たち管理者の仕事負担の軽減をしてくれています。

その軽減した時間をどのように使うのかということです。

ある人はスマホを眺める時間に使うという人もいるでしょう。

ある人は集糞中は暑いからダンプに乗車し冷房の風に当たるという使い方をする人もいると思います。

でも使い方次第では、集糞し終わったベルトを観察すると水分だけの鶏糞や泥のような鶏糞の中に固形化した鶏糞が混ざったいることが観察できます。

例えば日中は水溶便が多いとか、ゲージ位置によって固形が多い等の変化があるかもしれません。

そうなると日中は暑いから餌より水を必要となるのか、餌は足りているか不要なのか。

位置によって変わるなら、風の通りが他と違いまだ快適なのか不快なのか。

他のゲージや鶏舎にも応用できるのか等

発見から気付きもあります。

ただ硬い、柔らかいではこのような発見や気付き、検討や応用もできません。

同じ1日を有効に過ごしたいと思いませんか。

でも鶏の種類にもよりますが、赤系は白と比べて軟便度が高いように感じますし、成鶏と育成期も違いがあるはずです。

いかに固形物を与えるのか考えるきっかけになるのが軟便です。

その技法がよく言われる涼しい時間に給餌をしなさいという昔からの方法や、それでも難しい地域では夜間給餌(ミッドナイトフィーディング)を選択するということになります。

鶏舎はいくら風を送り冷やすといっても外気温以下にすることはできません。

ですから外気温38℃に鶏舎は30℃ということはできません。

せいぜい外38℃なら内34℃あたりまでが限界で、体感的には風があるのでぬるい風が流れているという程度でしょうし、湿度がある熱になっているはずです。

高温管理を育すう期から実施すると暑さになれやすいと言われますが、あまり関係はないように感じます。

鶏が熱に対する限界は内気33℃当りですので、子供のころから暑い環境にいるので丈夫であるという思考は無理があります。

そして風を送り込めない鶏舎である場合内気31℃を超えるあたりで少しづつですが暑さによる減耗を確認できると思います。

水が切らさないが原則ですが、水を切らさないにしても鶏舎が暑いからこそ水のピックラインは鶏舎の熱で温められていき、ぬるい水を飲むことになります。

育種メーカーは水温40度を超えると鶏は水を飲まなくなると言います。

こうなるとかけ流しのようにして少しでも冷たい水を与える必要があるという技法が必要になるというわけです。

では軟便というものを見た時皆さんはどのように感じるでしょうか。

夏の風物詩であるという方もいるでしょうし、軟便ということは鶏への影響を考えて冒頭のように塗料を塗布するというところもありますし、屋根を冷やす、鶏舎にミストを送り気化熱で少しでも冷やすというところもあるでしょう。

費用がかかるから何もしないという選択もありますし、自分で塩ビ管を購入して配管を組み上げてコストを抑えて屋根を冷やす、ミストを送るという農場もあります。

でも夏は毎年やって来ますが、その暑さは毎年厳しいものになります。

夏と大きくくくるのもよいでしょうが、猛暑になると考えると現行の考えだけでは課題を先送りにしているだけという考え方もできます。

農場それぞれが考え決定することですから何も言いませんが、一つ言えることは昔の考え方では鶏の減耗が大きくなるということを知っておくと、暑さの原点が5年10年前と違うからこそ仕方がない減耗と決めつけることができるのか、確かに何もできないけど何かをするという考えを持ち取り組む農場になるのかという思考力を養うきっかけにする農場もあります。

ですが、昔からの技法が災いとなり、風を送り込めば大丈夫、鶏は34℃あたりまでは何とかなるといったその当時の成功体験を踏襲することもあるでしょう。

でもよく当時の資料を見て検証すると、減耗は内気32℃当りで増え始めていたといったデータもあります。

ですが記憶は深刻でない限りそのようなデータを覚えてはいません。

ですから大丈夫何とかなるという記憶になってしまうということが良くあります。

昔のデータは今には通用しないとも言いますが、それは生産量や食下量といった鶏の性能の変化を含んだデータの場合であり、減耗は今も昔もそんなに変わるものではありません。

近年の暑さは生産減少と同時に減耗が現れるということもあります。

暑さから食下量が下がり産卵が下がるということもありますが、暑さがきつい日に産卵量が下がり、鶏舎を見回ると暑さによる鶏の減少と同時発生したという事例も散見します。

ある意味手順通りに餌減少、産卵減少または個卵重低下、更に餌減少、鶏の減少と教科書の通りになる方が珍しい位猛暑の影響は鶏には厳しいように思います。

時雨後の湿度の上昇を含む気温の高さは北関東では良く見られますが、午前中の暑さと午後の暑さが変わり人も大変ですが鶏も厳しい変化になります。

このような環境は全国に見られるようになりました。

報道の多くは人が困るゲリラ豪雨という表現ですが、私たち養鶏家からすれば、天気の急変による湿度上昇の暑さでもあります。

南関東は昔から大都市圏への鶏卵輸送も簡便で、地域によっては気候的に生産に適した地域も多くありますが、近年は猛暑で豪雨で湿度上昇と鶏にとっても厳しい時期が多くなるように感じます。

関東に事務所がある弊所でもご相談をいただく件数が多くなりました。

これは過去5年よりも年を追うごとに多いと感じる件数です。

夏を乗り切るにはこれが良いという万人向けの方法はありません。

ですが暑さを鶏が感知するのは軟便から始まるということを知っておくと、暑いから餌を与える時間を変えて見よう、風を送るけど限界もあるからこそ鶏の命を守るためにも冷たい水を流してみよう。

食下量が足りないからこそ日中は思い切って給餌を取りやめて夕方や夜間の給餌を実施して見ようといった農場運用の変更も決断するところもあります。

どれも軟便対策ではなくその先となる鶏の影響を考慮した考えです。

つまり軟便をどうするのかという狭い視野ではないということを知ると、たかが軟便でと思っていた方も気づくところはあるのではないでしょうか。

そして、その技法として昔から存在する方法があるわけです。

そのような方法を検討し農場独自の方法に変えてみる。

この思考をぜひ農場に取り入れてみてください。

きっと皆さんを始め農場従事者の方の思考も変わると思います。

たかが軟便、でもその軟便から気づく何かが実は埋もれているのです。

水のような鶏糞の中に人を変える種がいると考えると、今この瞬間に産出される軟便から農場が成長していくきっかけがきっとあるはずです。

暑いが続きます。

今年は降水量が少ない地域もあります。 かなり少数ですが、水道を水源にしているところもあるでしょう。

給水に関する情報にもぜひアンテナを張り情報収集も行い猛暑の夏を超えていきましょう。

熱中症対策の取り組みだけに目を奪われてはいませんか 事故の責任は当事者ではなく雇用者側にあります

6月1日からいわゆる熱中症対策義務化が施行され、多くの農場はすでに実施されていることでしょう。

急ぎで制定している農場もあり、法令の趣旨から逸脱している農場も散見されます。

今一度何を目的にして法令が制定されているのか、そうならないための仕組み及び熱中症が疑われる作業者の医療機関への搬送までのチャート図を作る、どのように周知するのか等 責任者が判断ミスしないような適切な方法でつなげるような形になっているのか確認しましょう。

ある農場は1時間おきに1名で作業している者の安否を確認するための電話を必須としているといいます。

間違いはないでしょうが、作業進行に影響があり恐らく6月中は何とかなるでしょうが、7月以降になると中だるみになり電話がおろそかになり、どうせ無事だろうから連絡なくてもいいやとなり、 ある日事故になったというオチもあり得るでしょうから、ウケが良い方法の作成も意味がない机上の空論になるでしょうから、本当にできること、確実にできることを想定していくのが良いと思います。

この事例では万一の場合「確実に連絡する手段がない」「事故を防ぐ方法が確立されていない」といったことで恐らく指導を受けるでしょう。

またある農場はTシャツを配布して仕事をすることで防止できる可能性を期待しているところもあります

 とても良いのですが、そもそも服装として作業者の安全が担保できるのかという視点があるのかという点も確認しておくべきでしょう。

この場合「肌の露出が多いことで、腕に切り傷を受ける可能性がある」「鶏由来の寄生虫が肌を伝いかまれたり、徘徊することでかゆみを感じるストレスを感じる可能性」「転倒した場合擦り傷を負う可能性」といった作業現場での事故に大きなマイナスになることも想定できます。

通常多くの農場はつなぎ服をベースに作業をしているところが多いように感じます。 その理由は昔からそうだからという方が多いとおもいますが、根底は今お話ししたようにケガの防止と鶏由来の寄生虫以外にも鶏のフケや鶏糞の肌の付着防止もあるでしょう。

特にけがは些細な物以外にもあります。 バタリーゲージの針金の突起物に肌がかすめていき切り傷となる場合やぱっくりと切れる場合もあります。

前者はばんそうこうで処置しても良いでしょうが、後者は縫合を必要とする場合もあります。

そうなると多くは労災使用になります。(保険使用では医療機関が嫌がることでしょう) 健康保険証でシレっと受診する方もいるでしょうが、本来はそこではありません。

農場が指摘される場合の多くは労働安全衛生法第20条か21条のいずれかの条文に該当したことの負傷になり、つまりは雇用者側は違反をしたことになります。

そして重機(ショベルやフォークリフトの操縦)で無資格(無免許)となる事故を起こした場合は第60条違反となります。

このように、1つだけの視野で物を見て追いかけると多くの場合このように思考の漏れが見られます。

1つは良くても、第20条に抵触する行為になるということです。 義務化と聞いて熱中症だけの視野で物を見て全体を見て見るとそれっておかしくない? ということもあり得るのです。

できるだけ畜産を知る社労士さんや専門家の意見を取り入れて作成すると良いでしょう。

さて、労働災害と聞くと大きな事故で作業者が負傷し重傷である事例を想像するという方が多くいます。

確かにその事例もありますが、大事な点は畜産業はこのような労働災害が意外と多い職種でもあります。

筆者は養鶏を専門に指導していますので、養鶏の関する事例をお話ししますが、たかが軽い事故、不注意と片付けるのか、そんなことで発生するなら防ぐためにどうするのかという前向きな思考を持っていただきたいと思います。

ここでは九州の監督署管内の事例を参考にお話をいたしますので、熱中症対策だけですべて網羅しているような狭い視野でないことを再確認してご覧ください。

4月から5月にかけて多くのお客様とお話ししたものですが、またかとあきれるお客様もいらっしゃると思いますが、研修を知らない方もいるでしょうから、弊所がお伝えしたいことを改めてご覧ください。

畜産業の労働災害は多くの場合「転倒」「挟まれ」「巻き込まれ」「切れ」のいずれかが多く、最悪は死亡事故に至る場合もあれば休業2か月という場合もありますし、短い期間の10日程度という場合もあります。

①ある養鶏場では鶏舎内で給水機を下す作業時ハンドルに固定していたストッパーが跳ね上がり手の甲をきり休業12日となった事例があります。

弊所でもカーテンウインチの固定ストッパーが不調で固定できず操作していたところ、手を離したため逆回転をしてしまいウインチの回転ハンドルに手が当り手首骨折に至ったという事例があります。

原因は固定ストッパーが巻き上げ作業時に悪さをするため、ウインチ交換せずストッパーを作動させない使い方をしていました。通常は問題はなかったのでしょう。

ある日ウインチを巻き上げていたところ野鳥がカーテンの隙間から侵入するような気配があり慌てて閉じるため逆回転をしようとした時、カーテンの重みから高速で逆回転を始めてしまい、手を引っ込める間もなく手を直撃し止めるために無理に手を入れたことで手首にウインチが直撃し骨折に至ったというものです。

この事例では休業10日でその後は手を酷使しない作業にあたることになります。

これを防ぐためには故障したウインチを気をつけて使うという事故の恐ろしさを認識していない現場が、気を付ければよいという軽い気持ちで作業を続行し、それが当り前になった悪い農場風土が要因でもありました。

②ある農場ではフォークリフトのパレットに乗り高所作業をしていたところ足を踏み外し150センチの高さから転落し休業1か月となった事例があります。

弊所でもある農場で同じようにフォークリフトの爪に乗りはしご代わりに高所への移動手段に使用していましたが、やはり足を踏み外し頭部から転落約150センチ下のコンクリに転落し救急搬送になるという事例があります。

休業は同じく1か月となりました。

これは重機(運転機械の使い方の違反になる事例です)の使用が適切ではない事例で、農場が十分にその危険性を理解できていなかった事例でもあります。

次に転倒災害も多く、気を付ければ解決できるというわけではない現実を話ます。

特に「滑り」「つまずき」「踏み外し」は若い従事者以外にも高齢作業にも良く見られる事故になります。

そして休業日数が長くなりやすい事故にもなり、鶏舎の建築上仕方がないではなく、そうならないような対策を講じておく必要があります。

多くは自己責任である、作業者の落ち度である、勝手な行動でそうなった迷惑行為であると片付けるところもありますが、本来はこのような事故を起こさない仕組みを作るのは農場側であるということを知っていると、安易に自己責任という言葉は出ませんが、皆さんの農場に当てはめた場合それでも自己責任ということになるでしょうか。

③ある農場は鶏を1棟15万羽飼養しているため3階建ての建築構造になっています。 あるパート従事者が集卵機(ナイアガラ)の動作を確認して上司に報告して階段を降りていました。

鶏舎は薄暗いため階段を3段程度踏み外し約80センチ程度落下します。 顔から転落し歯を折る重傷になり、顔は出血し晴れ上がり痛みに耐えることになります。

手すりがあればまだすんでのところで防げましたが、ない階段であるため手を添える物がなく顔から転落したというものです。 休業は21日と長い事故になりました。

④ある農場は床の埃が多い鶏舎であるため滑りやすい感じの鶏舎でした。ある日作業者が鶏舎を巡回中忘れ物に気づき慌てて出口に向かいます。その際急に向きを変えたため滑ってしまい臀部から着地、少し年齢も高いため骨折に至ります。 この事例では休業は2か月と長いものになりその作業者はそのまま退職していきました。

原因は埃が靴底に付着し滑りもあるでしょうが、根底は靴底の摩耗です。

摩擦がないためそのまま滑ってしまったというもので、後日農場は長靴の点検を行い摩耗が進んだ靴底は買い替えることにしました。

そして挟まれ・巻き込まれでは、機械が関与した事例が多く見られ、死亡事故に至る場合もあります。

⑤ある農場では集卵バーコンベアが回転中シャフト部分に羽が絡む汚れが付着しており、一瞬の停止で手を入れて取り除く作業をしていました。 そのタイミングが到来し手を入れますが、入れている最中再稼働をしてしまい手ではなく服が巻き込まれていき体まで巻き込まれていくようになります。

近くに非常停止ボタンはなく大声で誰かに助けを求めていますが誰もいません。

結局腕が服により締めこまれてしまい、骨折は免れたのですが、内出血が著しい事故になります。

この事例ではバーコンベアのサーマルが負荷を検知して停止したというものでした。

⑥除糞機のベルトに巻き込まれる農場もあります。ある農場は状糞機のベルトの偏りが著しいため回転部分に金具を入れてベルトの位置を直そうとします。 作業の都合上安全カバーを外して回転部分のベルトに金具を入れていくのですが、少しの隙があったのでしょう。金具ごと回転部に巻き込まれます。慌てて金具を引き抜きますが、簡単に抜けず、力任せで抜こうとした際手が滑り後ろまで飛ばされ、後頭部を強打します。

これは後頭部の強打が問題のように見えますが、根本は安全カバーの取り外しが問題です。

回転部分は手や体が巻き込まれると重篤な事故になるため取り外しはしてはいけないのですが、安易に外してよい、メンテンナンスから不要であると勝手に外す、それ以前に設置業者に邪魔だから外させるという農場もありますが、設置者は絶対に外すことはしません。

それをした場合労働安全衛生法に違反するからです。 現場が勝手することは設置者は知らないで済みますが、自らはしないのです。 設置者が処分されることを知っているからです。

でも農場はその処分があることを知らないので、自ら率先して実行してしまうのです。

目先の理由のために。

意外と多い高所作業の事故にも気を付けましょう。

はしごからの転落もあるでしょうし、2トントラックの荷台に上がり荷物の積み下ろし、シートをかける等作業をする場合、はしご(昇降設備)と保護帽(ヘルメット)の着用が必要になっていますが、それを知る農場は多くありません。

弊所で調べてもはしごがある農場は少なく、保護帽着用がある農場は見たことはありません。

でも鶏糞をトラックに積み込みシートをかけるため荷台に上り降りる際に足を踏み外し背中を打ち付けるという事例もあります。

頭部から転落したら150センチ程度の落下になり大事故になる可能性もあります。だからはしごを使い気を付けて降りたりするわけです。

そして頭部を守るために保護帽を着用するのです。

このように考えると、目先の熱中症を解決しただけで農場安泰というわけではないことがわかります。

恐らく事例の1つや2つ思い当たるようなものはあるかもしれません。

そして多くを自己責任と言っていた農場自身があるかもしれません。

しかし、今の時代労働者の安全確保は雇用者である農場が負うのが今なのです。

自己責任で逃れていてはこの先大きな事故で送検されたりして社会的な制裁を受けることも容易に想像できると思います。

作業者を死なせてしまうと多くの場合労働安全衛生法違反で罰金刑か送検され拘禁刑になることが多くなります。

そしてその責任は現場責任者のみならず使用者責任がある経営者まで広がることが一般的で、末端社員だけが処分されるということはありません。

農場によりますが、事故を起こしてもへらへらして大変だ、気をつけろと言ったのに○○め!と他責型の思考と発言をしてしまう所もあります。

そして数か月後処分の通知が届き大きな行政処分となり青ざめるという流れになります。

そのならないためにも防げるものは小さなものでも排除しておくという視野と思考が必要です。

でも何が違反で何が問題なのかわからないという声も聞きます。

そんなものまで問題なのかと言われるぐらい、農場での当たり前は世間の当たり前と乖離していることも珍しいものではないのです。

むしろ昔しか知らない農場基準が問題になることも多いのです。

その理由はアップデートする機会がない、最新を知る右腕がいないというのが要因です。

何もなければ何もおこらないものですが、何か起きてしまうと大ごとになるのが労働安全衛生法の違反事項です。

特に外国人技能実習生を亡くす事故になる場合は実習取消になることが多く、作業に大きな支障を与えます。

そして5年の実習停止処分を受けることが多く、人がいない状態で農場を回す覚悟が必要になるぐらい大変なことをしてしまうというものなのです。

たかが怪我、されど怪我。

怪我と聞けば軽いものと思うでしょうし、自己責任で処理しやすいと考える方もいるでしょう。

でも常識を知るとそんな安易なものではないことがわかります。

今のブームは熱中症対策構築かもしれません。

でも農場の危険を排除できない場合熱中症では問題はないかもしれませんがそれ以外で指摘を受け指導され、最悪送検されるというのが今の時代です。

皆さんのお考えが少しでも今にアップデートできていれば良いのですが、その検証は皆さんしかできません。

くれぐれも今を知り出来ることを構築し危害を防ぐ手立てを考えてみてください。