nogutikusan’s diary

畜産と共に歩む20有余年、今の養鶏の課題や考えをお伝えします。

成鶏更新・空舎延長事業が発動されました 何かを見つける大事な時期です

令和3年1月5日より令和2年度の2回目となる成鶏更新・空舎延長事業が発動されました。


昨年も発動された事業ですが、例年より早いように感じます。


通常1月は鶏卵価格は低くなるため発動は早くても2月というイメージでした。

(昨年は、5月で外食等加工向けの減少による相場低下によるものでした)


昨年より続いている鳥インフルエンザによる殺処分で供給不安定になるとみられていましたが、相場の反応は弱く、需要が弱いという状況が続いています。


特に、千葉県では今回の影響により116万羽が減少し県内のおよそ10%の生産減少になるにもかかわらず、相場への影響は見ることはありませんでした。


また、本日より発令される緊急事態宣言による外食等への影響も見込まれ、大変心配な状況です。
すでに、時間短縮営業や期間中の休業も見られ需要の減少があるように見えます。


通常、1月は出だしが止め市よりマイナス30円や40円と下げて始まり、滞留鶏卵を排出するようになります。


一服した後、寒い外気温と共に家庭での消費が強くなり、外食を含め鶏卵の需要が夏になるまで上昇していきます。
このため、この事業の発動は初夏という傾向もありましたが、昨年は5月と通常外食等加工向け需要上昇期中の時期から発動が始まりました。しかし新型コロナウイルス感染拡大により加工向け需要の減少が進み、鶏卵の需要が家庭消費頼みになり、相場の維持ができなかったというものです。


その後、加工向けの回復が遅れ供給側の増羽も重なり秋からの上昇期にも波には乗れず上昇が弱い展開で年内の取引を終えました。


本年も、前半は増羽の影響は続くとみられ、夏以降に昨年秋以降の減羽がどのような市況となるのか注目されます。


また、今回の緊急事態宣言による経済の状況や消費者心理の悪化がどこまで影響を及ぼすのか未知数ですが、避けることはできないというのが経済エコノミストの多くの意見でもあります。


店頭調査をしている私どもでも、消費者の購買意識が価格へとシフトしている感はあり、1回の購入価格が僅かですが減少しているように見えます。
それだけ、経済の低迷が消費者側は意識している状況で、経済視点、GDPでの視点もありましょうが、個人消費が最も大事であることを再度認識しなければならないと言えます。


その消費者心理は今回の発動により更なる硬直化は避けられず、その影響が企業に移り、企業は雇用の維持の見直しや賞与等金銭の見直しを進めることで、更なる負のスパイラルに陥ると予測され、企業を支える政策が存続するうえでは必要なことですが、すでに本来は淘汰されるべき企業も残る可能性もあり、政策の見直しも進まず、個人消費も冷え込み、どちらも救出できないこともあり得るかもしれません。


このような状況で、毎日食べるものだから安心とは言えない可能性もあります。


販売先の縮小や廃業により結果需要があるが販路先が自社にはないということもあり本当の安心農場運営は何かわかりずらいということもありえます。


加えて、ルーティーン人材(指示を行うだけの人材)だけの組織では、考える力を持たずこの難局を乗り越える人材がいない農場では、高い人件費をかけて低価格の鶏卵を生産し続けなければならないという負の状況が続いてしまいます。
近年はこのような農場を見る機会が増えました。

 

農場責任者もルーティーン作業員となり汗をかきますが、考える汗をかくことはありません。
このような組織は、通常作業はできるのですが、このような時期を乗り越える方策を導くことが出来ず人件費だけは高いという2重苦に陥ります。

 

今後、この事業は春先にかけて継続することが見込まれます。

家庭需要は昨年平均より4%程度高く推移しましたが、それ以上の消費拡大は難しいと言えます。


加工向けは7割程度まで回復しましたが3割は過剰のままです。

今回の発令で減少が予想されますし、そもそも市中を歩く方々も少なくなるかもしれません。
その場合は減少が現実化し低相場が発令解除までは続く可能性があります。


緊急事態宣言は1カ月としていますが、解除基準を見ますと2カ月はかかると言われます。(場合によりそれ以上も現実的にあり得ます)


また、最も消費に貢献する首都圏の宣言発令はすそ野の広い加工向け消費に一定のブレーキがかかります。
購入する機会を失うため、生産調整を行い原料の調達を下げるというものです。

 

この事業に賛同し空舎期間を長くして相場反転を待つのも手ですし、コストを下げる方策を見つけるのも手でしょう。

販路を自社製品の良さをアピールしたネット販売もあるかもしれません。

対面を意識しない新しいビジネスですが、知名度・おいしさの訴求に技術が必要です。

現物販売でない分、納得と共感を得ることが必須のビジネスだからです。

 

いずれにしても、すぐにこの低価格に歯止めがかかるわけではありませんが、相場の上昇を祈るだけの経営から、攻める経営もできましょうし、そのための方策を見つける人材の開発や商売方法もあるかもしれません。

また、相場上昇を期待するため事業参加も手でしょう。

今後考えることの大事さが、生き残るための道しるべとなる時代が訪れたのかもしれません。


経済的にみた1月は飼料価格の見直しがありました。

3月までは昨年より高く推移しましょう。

コストを下げる方策を見つける良い機会かもしれません。


前回1回目の事業への参加は1000万羽でした。しかしそれでも相場反転は限定的でした。加えての鳥インフルエンザによる生産羽数の減少もありましたが、やはり限定的でした。


どこまで減羽すればよいのかわかりませんが、現状の相場値は採算が合うところはないと思います。


であれば、経費を見直すことでまずは採算ラインに近づけることも一つの手でもありましょう。

 

まだまだ大変な時期ですが、自社の鶏卵は絶対の品質であり自慢できる商品であれば必ずや消費者は気づいてくれることでしょう。


そのためには、まずは農場が存続していなければなりません。


ですから、そのための方策を見つけなければならないのです。


そのうち、相場は反転するだろうから何もしないというのもありますが、それはいつかは分かりません。
昨年はありましたでしょうか。

 

相場に一喜一憂しなければなりませんでしょうが、出来ることを見つける。
そんな時期なのかもしれません。