nogutikusan’s diary

畜産と共に歩む20有余年、今の養鶏の課題や考えをお伝えします。

人の流れが回復しているようです うずら卵卸値が最高になりました

鶏卵を生産される方にとってウズラは、また別物と考えると思います。 確かに、鶏卵は外食・加工向けからテーブルエッグまで幅広く利用されますが、ウズラは基本外食・加工向けが主流になり鶏舎設備も異なります。 鶏卵は、広大な土地がある地域や人口が多い大都市に近い等の条件で大規模養鶏地域が誕生します。 茨城県、千葉県、鹿児島県、広島県、北海道等大都市圏に輸送しやすい地域や広大な土地が確保できる地域と理由があります。 ではウズラはといえば、全国各地に点在していてというわけではなく、ほぼ愛知県に集中しているのが現状です。 有名なのは、豊橋養鶉農業協同組合豊橋うずら農協)になります。 愛知県での生産シェアは7割と最大になり、そのうち豊橋地域は愛知県全体の85%(約200万羽を少し超える)を生産しています。 外食等加工向け需要が主流のため、少しづつ減少が進んでおり、ピーク時の1975年61軒(約350万羽)から2012年に約30軒、2017年には22軒ありましたが、今はさらに少なくなっています。 この要因には、配合飼料の値上げによるコスト増が理由とされます。 ウズラは、腸が採卵鶏と比べ短く高カロリーで高たんぱくな餌を摂取できるようにして、配合から配餌まで採卵鶏とは異なる手法があります。 このような手間や維持費用を回収するためには安定した収益が必須でした。 そこに新型コロナウイルスによる外食向け需要の蒸発や配合飼料価格の高騰が進み、大変ご苦労をされています。 相場に大きな動きはありませんでしたが、多くは固定価格での引き合いが多いともいわれており、相場が動くということは既存の価格より見直しをしなければならない状況とも見え、それが製品価格への転嫁に進んでいくと期待されます。 転嫁は、加工缶詰メーカーが公表している通り4月より5%の値上げを実施しています。 ある食品メーカーも4月以降うずら卵を使用する商品の値上げが始まると考えています。 ですが生産者側も素直には喜ぶことはできず、餌代が1トン8万円台で飼養しているが夏は2割以上の値上げあると見込んでいると話し、この先もコストが増加すると考えています。 その中で、うずら卵の卸値が過去最高になったことは、農家さんのご苦労が多少かもしれませんが報われているといえるのかもしれません。 本年4月の豊橋地区の卸値価格(30個入り)は239円と過去最高となります。 200円を超えたのは2014年と2015年夏以降になり、2016年以降はおよそ220円程度で推移していました。 今回の相場が高くなった背景には、新型コロナウイルスによる制限が解除され、人々が街へと活動することで外食向けの需要が回復していることが要因です。 人々が外に出ることで外食産業が反映し、それが生産者側に波及するという本来の姿が見え始めています。 この先の感染状況は見通せないですが、6月以降のインバウンド観光への期待や、消費者の外食店への利用頻度の増加が期待できますので、ウズラの話ではありませんが、鶏卵にも良い影響を及ぼしてくれるのではないかと考えています。 この先、暑い夏がやってきます。 鶏達にとって過酷な時期にもなるでしょう。 そのストレスによって、生産量の減少も予測されます。 食下量の減少が自然に始まる中での、餌代の節約といった人為的な操作で更なる生産減少に発展しないことを期待しながら、人々がいつもの日常に戻っていき、それが鶏卵や畜産物へ良い影響が及ぶことを願うばかりです。