nogutikusan’s diary

畜産と共に歩む20有余年、今の養鶏の課題や考えをお伝えします。

食品表示法違反の事例が発生しています 自社パッキングは再確認をしてください

消費者庁は28日、長野県のスーパーで販売した鶏卵から、鶏卵が指定した個卵重に満たない製品が混入していたとして自主回収を行うと発表しました。 生産元は群馬県の鶏卵農場で、埼玉県内の自社パッキング工場から出荷したもので「国産鶏卵大玉ミックス」と称した製品です。 製品表示には、鶏卵1個当たり64gから76g未満の規格商品として販売していたものの、個卵重が満たないものが混入したとしてします。 販売地域は長野県のスーパーで2022年6月16日から24日までの260パックとしています。 24日時点で5パックが回収しており回収率は1.9%となっていると公表しています。 この農場は衛生管理からとても品質を大事にされている会社でもあり、意図的ではないと思いますがどうしても業界を見ている者として、わきが甘いと言わざるを得ません。 梅雨も明け、これからの時期は個卵重の低下が避けられない状況ですから、製品を自社で用意する農場は特に注意が必要です。 皆さんご承知の通り、最近はこのような事例でも消費者庁への届け出が義務化されています。 たかが個卵重と思う方もいましょうが、食品表示法に違反している行為であり、容認されるものではありません。 一昔前は、季節要因があるので仕方ないと考える農場もあったと聞きます。 実際、数年前にも規格未満の鶏卵を販売して5000パックの回収騒ぎとなった千葉県の養鶏場もあります。 今の時代、用意できないならば売ることはできないと認識しなければならないのが常識です。 鶏の生産も鶏種によりますが、以前のLサイズからMサイズが主流に産卵する鶏が見られ、季節要因で数グラムの減少があることも珍しいものではありません。 ましては猛暑です。おそらく多くの農場では個卵重の減少が始まっているはずです。 それは季節要因だからよいという理由にはなりません。 自社パッキングでは計量責任者が必ずいます。 1個1個のパックを点検しているということはないでしょうが、原卵から微妙なサイズは予めはじいていおくことで実際は防ぐことができる事象です。 ですが、64g以上であればよいという認識だけでは、農場によりますが、63g程度やそれよりわずかに小さいものを入れて商品価値を上げるという残念な農場もあるのも事実です。 意図的ではないと答えるでしょうが、結果は混入で同じです。 餌が高い、商品価値を高めたいという思惑もあるでしょう。 63グラム以下なら、Mサイズ標準のミックス卵であればよいです。 ですが、パッキングの際に凸凹感が強く見えると商品としての値打ちが下がるのもまた事実です。 だからこそ、工夫して詰めるのです。 中心にやや小ぶりの鶏卵で外側ほど少し大きめの鶏卵といった具合です。 鶏卵は大きさが異なっても品質は同じです。 それは、私たち生産者はよく知っています。 ですが、消費者は大きさが違うということは信用して購入したことを裏切るものです。 それは、生産農場やパッキング工場より販売先が一番迷惑をかけるのです。 販売先は消費者と前面に対峙する立ち位置であり、苦情を受ける最初の窓口です。 当然店側の落ち度ではないので、納得はいきませんが、顧客にうるさいとも言えませんから、回収先の案内や返金対応といった面倒な事務作業を行うのです。 恐らくその場には農場の責任者は不在のはずです。 ですから、販売先のご苦労がわからず後日その辺の菓子折りを持っていくだけで不満があるのです。 鶏卵は品質は当たり前に安心であるものですから、この点を意識する農場は多いはずです。 卸先がパッキングする場合、わずかな重量を商品化するという意識はありません。 今回のように苦情になりますし、卸が損を負担するものはないからです。 つまりわずかな重量を意識して商品化率の上昇を期待していませんから、あまりこのような事故は聞きません。 ですが、自社ではどうしても甘くなりがちです。 それが先ほどのように商品化率という言葉なのです。 とても大事ですが、それに縛られるとはじく数を下げることしか改善できませんから、どうしても甘くなりがちで、自然品なのでやむなしと自身に甘くなり、結果信用を失くすだけの結果です。 たかが、1パック250円や280円のためにやってしまうのです。 そして被害が今回260パックとなるのです。 当たり前ですが、1パック1パック再計量はしませんから、事故品とひとくくりされ回収です。 280円だったら260倍の損害です。そして信用も無くします。 1個10数円の鶏卵を混ぜるだけでこれだけの代償です。 これを商品化率改善で補えるものなのか。 これから、鶏卵の重量は大きく変わります。 過去は小玉ミックス卵でも重量違反で回収が発生しています。 もう一度、自社パッキングの農場は何がお客様にとって大切なのか。 お客様の目線で皆さんの農場は商品を出荷されていますか。 たかが個卵重、されど個卵重。 その1個は小さい重さですが、農場の信用を重く背負っているのです。