nogutikusan’s diary

畜産と共に歩む20有余年、今の養鶏の課題や考えをお伝えします。

成鶏更新・空舎延長事業が発動されました 何かを見つける大事な時期です

令和3年1月5日より令和2年度の2回目となる成鶏更新・空舎延長事業が発動されました。


昨年も発動された事業ですが、例年より早いように感じます。


通常1月は鶏卵価格は低くなるため発動は早くても2月というイメージでした。

(昨年は、5月で外食等加工向けの減少による相場低下によるものでした)


昨年より続いている鳥インフルエンザによる殺処分で供給不安定になるとみられていましたが、相場の反応は弱く、需要が弱いという状況が続いています。


特に、千葉県では今回の影響により116万羽が減少し県内のおよそ10%の生産減少になるにもかかわらず、相場への影響は見ることはありませんでした。


また、本日より発令される緊急事態宣言による外食等への影響も見込まれ、大変心配な状況です。
すでに、時間短縮営業や期間中の休業も見られ需要の減少があるように見えます。


通常、1月は出だしが止め市よりマイナス30円や40円と下げて始まり、滞留鶏卵を排出するようになります。


一服した後、寒い外気温と共に家庭での消費が強くなり、外食を含め鶏卵の需要が夏になるまで上昇していきます。
このため、この事業の発動は初夏という傾向もありましたが、昨年は5月と通常外食等加工向け需要上昇期中の時期から発動が始まりました。しかし新型コロナウイルス感染拡大により加工向け需要の減少が進み、鶏卵の需要が家庭消費頼みになり、相場の維持ができなかったというものです。


その後、加工向けの回復が遅れ供給側の増羽も重なり秋からの上昇期にも波には乗れず上昇が弱い展開で年内の取引を終えました。


本年も、前半は増羽の影響は続くとみられ、夏以降に昨年秋以降の減羽がどのような市況となるのか注目されます。


また、今回の緊急事態宣言による経済の状況や消費者心理の悪化がどこまで影響を及ぼすのか未知数ですが、避けることはできないというのが経済エコノミストの多くの意見でもあります。


店頭調査をしている私どもでも、消費者の購買意識が価格へとシフトしている感はあり、1回の購入価格が僅かですが減少しているように見えます。
それだけ、経済の低迷が消費者側は意識している状況で、経済視点、GDPでの視点もありましょうが、個人消費が最も大事であることを再度認識しなければならないと言えます。


その消費者心理は今回の発動により更なる硬直化は避けられず、その影響が企業に移り、企業は雇用の維持の見直しや賞与等金銭の見直しを進めることで、更なる負のスパイラルに陥ると予測され、企業を支える政策が存続するうえでは必要なことですが、すでに本来は淘汰されるべき企業も残る可能性もあり、政策の見直しも進まず、個人消費も冷え込み、どちらも救出できないこともあり得るかもしれません。


このような状況で、毎日食べるものだから安心とは言えない可能性もあります。


販売先の縮小や廃業により結果需要があるが販路先が自社にはないということもあり本当の安心農場運営は何かわかりずらいということもありえます。


加えて、ルーティーン人材(指示を行うだけの人材)だけの組織では、考える力を持たずこの難局を乗り越える人材がいない農場では、高い人件費をかけて低価格の鶏卵を生産し続けなければならないという負の状況が続いてしまいます。
近年はこのような農場を見る機会が増えました。

 

農場責任者もルーティーン作業員となり汗をかきますが、考える汗をかくことはありません。
このような組織は、通常作業はできるのですが、このような時期を乗り越える方策を導くことが出来ず人件費だけは高いという2重苦に陥ります。

 

今後、この事業は春先にかけて継続することが見込まれます。

家庭需要は昨年平均より4%程度高く推移しましたが、それ以上の消費拡大は難しいと言えます。


加工向けは7割程度まで回復しましたが3割は過剰のままです。

今回の発令で減少が予想されますし、そもそも市中を歩く方々も少なくなるかもしれません。
その場合は減少が現実化し低相場が発令解除までは続く可能性があります。


緊急事態宣言は1カ月としていますが、解除基準を見ますと2カ月はかかると言われます。(場合によりそれ以上も現実的にあり得ます)


また、最も消費に貢献する首都圏の宣言発令はすそ野の広い加工向け消費に一定のブレーキがかかります。
購入する機会を失うため、生産調整を行い原料の調達を下げるというものです。

 

この事業に賛同し空舎期間を長くして相場反転を待つのも手ですし、コストを下げる方策を見つけるのも手でしょう。

販路を自社製品の良さをアピールしたネット販売もあるかもしれません。

対面を意識しない新しいビジネスですが、知名度・おいしさの訴求に技術が必要です。

現物販売でない分、納得と共感を得ることが必須のビジネスだからです。

 

いずれにしても、すぐにこの低価格に歯止めがかかるわけではありませんが、相場の上昇を祈るだけの経営から、攻める経営もできましょうし、そのための方策を見つける人材の開発や商売方法もあるかもしれません。

また、相場上昇を期待するため事業参加も手でしょう。

今後考えることの大事さが、生き残るための道しるべとなる時代が訪れたのかもしれません。


経済的にみた1月は飼料価格の見直しがありました。

3月までは昨年より高く推移しましょう。

コストを下げる方策を見つける良い機会かもしれません。


前回1回目の事業への参加は1000万羽でした。しかしそれでも相場反転は限定的でした。加えての鳥インフルエンザによる生産羽数の減少もありましたが、やはり限定的でした。


どこまで減羽すればよいのかわかりませんが、現状の相場値は採算が合うところはないと思います。


であれば、経費を見直すことでまずは採算ラインに近づけることも一つの手でもありましょう。

 

まだまだ大変な時期ですが、自社の鶏卵は絶対の品質であり自慢できる商品であれば必ずや消費者は気づいてくれることでしょう。


そのためには、まずは農場が存続していなければなりません。


ですから、そのための方策を見つけなければならないのです。


そのうち、相場は反転するだろうから何もしないというのもありますが、それはいつかは分かりません。
昨年はありましたでしょうか。

 

相場に一喜一憂しなければなりませんでしょうが、出来ることを見つける。
そんな時期なのかもしれません。

鳥インフルエンザを警戒した管理とは 見極める力が問われます

農研機構は14日、過去と異なり発症から斃死に至るまでの期間が長いということを発表しました。


養鶏家の皆様から見れば、高病原性はトサカの変色や沈鬱している鶏の写真や、斃死が多いというイメージを想像される方が多いと思います。


しかし、農研機構の調査では6羽の鶏を鼻からウイルス接種し、全羽死亡するまでの期間が6日であったと言われます。
過去では、斃死するまでは数日あれば様相がおかしいと言えるくらい異常な死亡数になるのが一つの目安でした。


そのようなイメージもなく長い時間がかかり死亡していく経緯というのは大変心配な状況でもあります。


今後は、倍に増えた死亡が疑わしいだけでなく、農場での通常の死亡数から見てどれくらい逸脱しているのか把握する必要があります。
把握が遅くなるということは、ウイルス排泄が長く続き結果地域蔓延の可能性がありますのでとても心配です。

 

沈鬱以外の症状が認められないというのは従業員や管理者の見る力が問われることにもなります。


農場ではどのような判断基準があるのでしょうか。


現場は、異常と捉えるような力が身についていますでしょうか。

それを異常と認知できる管理責任者はいますでしょうか。

 

3週間前の2倍以上の死亡が異常であるという方もいますが、3週間前の数値を記憶している方はどれくらいいるのでしょうか。


また記録類を活用するという意識を持たせることも大事です。


記録は書いておしまい。


それでは記録の意味はありません。


記録は、このような事例の時確認や振り返りするために必要になるのです。
毎日の記録の書き込みは意味を持たないと言われますが、振り返りの時の記憶が完ぺきであれば良いのですが、多くは記憶から消去され見ることで思い出すということもありましょう。


例えば、1万羽のところで6羽死んでいるという通報もありました。

若日齢では多いと言えませんか。


老鶏ではそれもあるかもしれませんが、通常より多ければ異常と捉えるという見る力も大事になります。


ですが、私ども外野が異常と正常を発言することは適切ではありません。


しかし、判断が遅くなるほど周辺への感染拡大の可能性もありますし、農場の意識を問われることもありえましょう。


1日20羽、40羽死亡しています。ということもありますが、よほどの大規模鶏舎でなければそのような単位の死亡は一般的に珍しいことです。
老鶏や若日齢の鳥でも異なるはずです。


日報で幹部や経営者が判断するということもありましょうが、よく状況を理解できない場合、死亡鶏の放置が長い(取り残し)という理由をつけることもありましょう。
ですが、そんな取り残しが多いということ自体異常でもあります。


それを、そうだな明日様子を見ようと片付けるのも危険です。

様子見という責任逃れに飲み込まれてしまい、大事な分岐点を通過し状況を悪くするという事例も多くあります。


しかし、自分の目で確認はできない。
であれば、なにを信用して判断を下すのか。


それは、部下が絶対正しいという自信なのか。


一般的に斃死が多い鶏舎はワクモによる被害もありますが、大腸菌症によるもの、近年はコクシによる減耗もあります。
そのような鶏舎は異常と認知できる数値は高いはずです。


ですから、判断が鈍くなる。


これは農場を長く知り管理していた筆者から見てそんなに的を外れていない意見です。

 

呼びかけでは、死亡の推移、音への反応、動きが弱くなる鶏が多いというところも判断するポイントになるのでしょう。
ゲージの脇を通るときに騒ぐことがなく、首を下げて動かない鶏がいるという雰囲気を読み取るような力も必要でしょう。


大事なのは、鶏舎を通り肌で感じる、ざわつき音で感じる、人によりますがホコリの立ち方で感じるというのもありましょう。

昔は、通路を通るときはただ通るな。と言われました。

箒1本持ち掃除しろ。という例ですが、今はそうではなく漠然と歩くなという意味に置き換わります。ただ歩かず、今のように雰囲気で感じる、という五感を使うということです。

ただ、死亡した鶏を取り除くだけの仕事ではそこまで感じる方は多くはないと思います。


それは取り出すことが仕事であり、生きてる・死んでるの01判定しかしていないという方も現実いると思います。(病弱は生きているという判定の事例です)


通常はそれでよいかもしれません。


しかし今は異常事態と認識し、そんな誰でもできるだけの作業員ではもしかすると被害にあい、対処も遅いという再稼働に明らかにマイナスになる可能性もあります。

 

鳥インフルエンザへの対応は農場の見る力によって発症後の初動対応が変わるかもしれません。


今まで違いたくさん死ぬという時は、すでに時間が経過したという可能性もあり早い発見により周辺への影響を最小限にとどめることができる大事なことであると思います。

 

それを可能に出来るのは、現場従事者の力に他なりません。
それには異常を異常と捉える判断力「武器」が必要です。
戦いには武器は必須です。何もできないでは戦えません。
それを可能にするには経営者の正しい判断と指導する力が必要でしょう。


国はワクチンを保有しており積極的に接種すべきという意見も聞きます。
しかし、抗体検査では当然陽性となり、野鳥由来の陽性なのか判断できません。
ですから、広がりが止まっているのか、広がっているのか分からない。


それでよいとは言えません。


鳥インフルエンザ発生国は多くの場合輸出が停止します。(相手国が停止します)
卵や肉類に感染がないと言われていてもです。
それは、日本も同じです。家きんの輸入は発生国からは輸入はしません。
それだけ各国の国内蔓延を考え真剣に取り組むべき内容なのです。

 

ワクチンがあれば感染が治まる可能性もあるかもしれません。
鳥インフルエンザが発症した前回、前々回もこのような話を聞きます。
しかし、意見は言えど実情は変わりません。


国の政策に意見をすることも大事ですが、まずは法令順守であり出来るだけの方策を取り続けることが現実であり、それが国を動かす動機になるかもしれません。

 

例年と異なり、異常といえる鳥インフルエンザ


環境省の検査以外にも各県の検査も充実し検知数が増えています。
それだけ実際は発症地域やそれ以外にも検知するような状況であると考えるのが自然であり脅威が迫っているということでもあります。


ですから、一部地域の問題とは言えません。


すでに広がりを見せているのも事実です。


最近の報道でも、従事者が出入りしていたということで関連農場も併せて殺処分される例も増えています。
農場個体の問題では済まない可能性も散見されました。


本当の冬は今週から本格的になりました。

野鳥の飛来も広い範囲で始まり冬将軍がやってきました。


例年以上の殺処分数と発生地域と農場数。

これからの数カ月は本当に心配が続くそんな12月になりました。

鳥インフルエンザの猛威にご注意ください

11月から鳥インフルエンザの発生が西日本を中心に報じられております。


12月1日でも宮崎県日向市の肉鶏4万羽が高病原性鳥インフルエンザ疑似患畜であることを確認し殺処分となります。
また、正式結果待ちとなる1農場(都農町)、香川県三豊市)では2農場が発生したと確定される可能性があります。

 特に都農町は半径10㎞周辺に500万羽を超える鶏が飼養されている養鶏地域ですので、感染が確定した場合は周辺の警戒レベルは一気に上がることと思います。

 

野鳥の検査でも北海道紋別市で採取されたものからH5N8亜型の検出(10月24日)があり、その後全国で散発的検出が見られます。
11月17日には北海道知安町で死んでいるマガモから検出が確認され北海道では2例目になっています。


11月16日は新潟県阿賀野市で採取された検体からも検出があります。


11月13日には鹿児島県出水市でも検出があり、15日と16日には死んだカモからも検出がありました。

 

広い範囲での検出、養鶏場での発生時期が早いことから、例年と異なり翌年春先まで続く場合を想定した場合では長い期間発生する可能性もありますので、農場での衛生管理を継続していただくことになります。

 

現在の発生状況から今後鶏卵の相場価格が西日本を中心に変化がある可能性もあります。

変化が著しい場合は東日本から鶏卵の移動も予想され相場の変動もありえます。


12月の忙しい時期、相場上昇の時期ではありますが、鳥インフルエンザによる衛生管理の継続と意識の持続がこの先の農場への発生を回避できる大事な取り組みになります。


大変な時期ではありますが、しばらくの間の辛抱になります。


すでに80万羽、100万羽という鶏が殺処分されていきました。

発生を広げないという観点から本当に残念なところでございます。
また、被害にあわれた農場の皆様には心よりお見舞い申し上げます。

 

発生をさせない万能な方法は残念ながら存在しません。
しかし、飼養衛生管理基準の徹底は持ち込まないための方法、農場から広げない方法を定めており、飼養者が遵守する事項になります。


この基準の不適合は、農場への指導はもちろん、万一の場合判定基準にもなり遵守し、できる限りの方法を取るというのは農場としての責務になりましょう。

 

鶏舎へ持ち込まないための消毒や鶏舎周辺の石灰散布による靴からの持ち込み防止も大事な視点になります。


また、薬剤の濃度も重要です。

これから朝夜の冷え込み以外にも日中も寒い日が続きます。
一般的に薬剤の効能は水温が低いほど弱くなることがあります。ですから薬剤のあり方も今後大事になりましょう。
またこまめに消毒槽の交換も大事です。

有機物が消毒効果を減じてしまう薬剤も多く朝、昼、夕とこまめに変えることも大事です。


又、手指の消毒も重要用です。

鶏舎内のあらゆるところを触りますので汚染させる機会を与えてしまいます。


当然ですが、鶏舎の長靴も衛生的でなければなりません。

こまめに洗い、できれば鶏舎毎の長靴が推奨されますが現実はそうも言えないことと思います。


ですが、長靴は汚れて当然では持ち込むリスクは高まります。

こまめに洗い、入退出には消毒し必要以外の場所を歩かないというのも大事ではないでしょうか。

 

まだまだ油断できない時期です。

世間はクリスマスと華やかな季節ではありますが私たち養鶏家はそのような華やかに憧れ、今日を忘れるような状況ではありません。


全国的に野鳥からの検出が続いておりますので、西日本だからといえません。

ある日異なる地域が発生となることもあります。


確かにインフルエンザ発生は星の数ほどある農場から見れば天文学的数値かもしれませんが、それは自農場は関係ないとは言えません。


ただ、今日は発生がないだけと言えます。

明日は死亡鶏が増え始めたと農場管理者から報告があるかもしれません。


今年は高病原性鳥インフルエンザの発生が見られ、死亡しているということから発覚します。


初期の予兆は気づくことはないはずです。

あっという間に今日は数十羽となり通常より多い斃死となり気づくこともありましょう。
特有の鳥の状況もあるかもしれません。


被害が広がらないためにも、日ごろの推移は確認しておき、万一が疑われる場合は現場が躊躇なく家畜保健衛生所へ通報できるように再度確認しておきましょう。


家畜保健衛生所も発生が疑われるからと高圧的に訪問することはありません。


むしろ気になるときは積極的に連絡するべきと思います。

簡易検査もしますし、異なる場合でも助言をしてくれて参考になることが多いと言えます。

 

12月、いつもと違う季節になりました。

引き続き皆さんの農場を最大限守るようご努力をお願いいたします。

 

1日も早くこの騒動が終息することを心より願っております。

 

鶏インフルエンザが発生していますので、出来るだけの防疫措置を取り家きんを守りましょう

香川県では、鶏インフルエンザの発生が続き20日時点で7例での感染が確認されました。高病原性でH5亜型の斃死が多いタイプです。


国内での感染は2年ぶりとなり近年にはなく早い感染となっています。


渡り鳥では、同型ウイルスが北海道での検知もあり、野鳥が運び人間や動物が家きんの近くまで運び発症するとも言われますが、そのメカニズムは不明です。


香川県での発生では、最初の1例目と2例目は異なる市で発生し直線でも40㎞離れており接点がない状況でした。

以降3例目以降は同じ市内で移動制限区域内での発生で近隣農場は大変心配されていることと思います。


感染した鶏の鶏卵は食べたとしても人への感染はないとされており、人への被害はないと言われます。


しかし、家きんは感染を広げない観点から、高病原性鳥インフルエンザではその鶏群を殺処分しなければなりません。

近年は養鶏場の規模が大きくなり農場での飼養羽数は大きくなる傾向があります。


最初の養鶏場では33万羽が飼養されており殺処分されました。

今回の発生例も80万羽は殺処分されると言われ大変な被害が発生していることが分かります。

 

感染経路が解明できないウイルスなのですが、見えないため消毒したり、家きんの近くまで消毒して持ち込ませないような対策が重要と言われます。


報道映像の通り、昔ながらの平屋建て(いわゆる高床式鶏舎のオープン鶏舎)の古い鶏舎構造物でないことが分かります。


近年はウインドレス鶏舎が主流となり窓や換気口から野鳥が入り汚染させるような印象はなく、人や小動物が媒介している可能性が高いことがわかり、疫学調査でも鶏舎構造(金網が破損し野鳥が侵入する簡易鶏舎による被害)によるものより、人が鶏舎入り口での消毒が十分でないことや、小動物が侵入している形跡から間接的に感染源を侵入させている可能性を指摘しているように見えます。


養鶏作業に従事されている方には必須の衛生対策を指摘されるわけですが、そのすべてを防ぎ侵入を防止することは大変な困難と、作業者の慢心を抑える自己意識が必要になります。


多くの農場では、鶏舎ごとに長靴や衣服を交換するというところは多くはないと思います。

種鶏農場の大規模的な施設は衛生対策は大変意識が高いこともあり率先して実行していることもありましょうが、採卵農場では一部を除いて実施しているところはないと思います。


農場内は同一の履物を使用するのが一般的であり、鶏舎の入り口で消毒して入室するのが一般的でしょうし、現実ではないでしょうか。


それで発生がない農場もありますから、その差は僅かなのか運の良しあしなのかはわかりませんが、紙一重であることは分かります。

 

また、ねずみや侵入動物多くは猫もありましょうが、その個所を点検し巣等を破壊し壁面等の補修をされるところも多いと思いますが、一部の農場では誤った認識もあり、
巣の破壊はネズミの活動範囲を広げるだけ(巣にいたねずみが違うところに移動し巣を作り結果広げるだけ)であり破損せず、周辺に殺鼠剤の散布で十分と布教するコンサルタントもいます。


しかし、殺鼠剤は活動がなくなるまで実行し続けなければねずみの駆除はできず、結果作業効率・手間から作業がおろそかになり、知らない間に実施せず薬剤耐性を持ったねずみができたり、被害箇所が多くなったりと良いところが多くなく、むしろ失敗に終わるというのが実情に感じます。


また、従事者の間でも手柄(社長賞を狙うがごときの)を狙い、その辺のネット記事から出来るかもしれないような参考にならない情報を引用し実施するところも見られ、
その多くはその記事の本質や注目点まで読み取れず、結果失敗し被害が拡大するという事例もあり、この問題点の本質まで理解している方が意外と多くないことがわかります。


このような緊急事態に本題に沿った行動が出来る農場と、そうでない農場の差が分かり、それがひいては生産性や組織の優劣があることが観察する者からすると分かります。


鶏インフルエンザが発生すると、その農場の鶏は拡散防止の観点から殺処分になることは養鶏家皆さん知っていることです。


しかし、移動制限がかかり鶏卵や鶏の移動に制約がかかり広い範囲に影響を及ぼすことまで考える農場はそう多くはありません。


天災であり仕方ない。

国が決めたことであり従うのが道理という方もいましょう。


しかし、十分な対策を講じて発生したものは天災と呼べましょうが、管理が十分でない事例ではむしろ人災となることもあります。


管理の十分・不十分は農場の意識や組織の能力によりその差は生まれ、気づくこともありません。


通常管理では不自由していないからというのが本音であり、その変化まで読み取れるような人材もいないというのがその農場の本音かもしれません。

 

しかし、発生を防ぐことを意識した農場運営ができるかどうかは、緊急時に初めて力量がどこまであったのかが分かります。


鶏インフルエンザ発生農場への風当たりは以前に比べ和らいでいるように感じ、発生悪と言われるような時代ではなくなりました。


誰もが感染してしまう可能性が浸透したことによると感じますが、それに乗じてそれなり管理で過ごしている農場もあるかもしれません。


施設を良くすることは視覚から見ても解り、努力している・建物が綺麗・そうでないところは分かりますが、農場内の衛生管理までは見えません。


飼養衛生管理基準の徹底を各家畜保健衛生所から通達されていますが、保健所のニュースに目を通す方がどれだけいるのか、それが分かるだけでも農場の衛生意識の高低は分かります。

 

農場経営者は無収入になるリスクと近隣との関係等を意識し衛生意識は従事者以上に高いことと思いますが、従業員が同じであるかはわかりません。

それは、無収入になるリスクは分からないからです。


ですから、現場を動かす方の意識が高くない場合は今お話したように設備は良くても(ウインドレスで侵入リスクが小さい可能性がある建物)必ずしも、防ぐことが出来るのかは別物であるということを改めて考える機会になるかもしれません。

 

石灰散布も重要で農場よってはこまめに散布されているところもありましょう。


しかし、よく見ますと重要なところには散布されていないところも見られ、その作業は何が目的で、どのようにリスクを低減できるのかという視点がない作業者もいます。


ですが、一面が雪景色になることからよくやっている。

自分は仕事しているという自己満足になっている方もおり、発生がない場合はよくやったと片付けられますが、そうでない場合は、その作業が無駄であるということになります。


石灰も重要です。鶏舎への立ち入りも重要。しかし野生動物侵入防止策も重要。


見えないものですから、すべてが重要でありどれかが欠けると紙一重で感染もありえます。

何しろ見えないウイルスだからです。


農場へ入れない、農場で広げない、農場から持ち出さないという視点で考えて見ると何が重要で、どのように防ぐ策が構築できるのかヒラメキがあるかもしれません。


大事な家きんを守ることは、大事な収入を守ることになり、大事な人材も守ります。


衛生管理は管理者の大事な仕事です。

その指示も大事なことです。


それが分かるように、どのように守るのかその方法まで良く説明できる人材が皆さんの農場にどれだけいるのか。


冬はこれから訪れます。

発生の長期化や広範囲への拡大も心配されます。


近隣は消毒の徹底に着手しており、これからの季節に向けての対策を強化しています。


関東のような大規模産地では発生は大きな損失につながります。


近年は農場の大規模化が進んでいます。

ウインドレス鶏舎により管理者の人員が少なくできるメリットもあり大きく進めているところも多い現実から、
発生時の損害は10万羽、30万羽、50万羽と桁違いに多くなる可能性もあります。


過去は、通報を遅らせたり、検体採取妨害をしたりして発覚を免れるようなこともありました。
いずれも殺処分という大損害を回避したいという思惑があるからと推測できますが、罰則もあり企業公表、関係者の訴追、殺処分後の補償金等の減額や不支給というペナルティーを受けることで、目先の数百万円の時価損害を大きく超える損害を受け、信用低下もあり販路の縮小や撤退もありえます。

 

感染メカニズムはまだ解明されておらず、野鳥から何等の方法により農場へウイルスがたどり着き、家きんへ感染し高病原性であれば斃死が増加し、異常を検知するという流れです。

 

大変な冬になる可能性もあります。

 

他人事のようにとらえるのか、自社農場はどうなのか点検する良い機会でもあります。


発生もなくこのまま穏やかな新年を迎えるのか、全国農場の対策と意識の持続が大事になるのかもしれません。

重量取引と定重量(個数)取引 鶏卵流通の今

 

鶏卵は農林規格により取引されていますが、2000年初めから1パックに定めた重量を入れる定重量パックが多く見られるようになりました。


重量取引とは、規格(M、Lといった6gクラス分けの重さにより区別される)ごとに取引値が決まるもので、需要の過不足が生じると値段が上下するデメリットがありました。


現在も変わりませんが、消費者は大きい卵を好む傾向があるため、LやMサイズの鶏卵を目標に飼養管理を行い需要とマッチングを図ることが経営の第1とされる農場も多かったと思います。


しかし生産者から見ますと、生産コストはサイズ関係なく同じであるためできるだけ鶏卵の価格は同じであるほうがよいという意見があり、定重量(ミックス卵)が多く見られるようになり量販店での取り扱いが増え消費者に認知されるようになりました。


定重量取引は、個数取引と呼ばれ1個の鶏卵はサイズ関係なく同じという性質があります。

ですから経営側から見ますと高い取引があるクラスの鶏卵を生産すればよいのかもしれませんが、工業品と異なり規格を統一した生産はできません。


平均卵重61gの農場とした場合、規格ではMサイズ(重量58gから64gまで)となりますが、平均ですからばらつきます。
ばらつきが少なければ良いのでしょうが、現実は不可能です。

鶏個体差があり鶏卵を金型に入れて生産しているわけではないからです。


実際は農場により大きく異なりますが、一例としてMサイズは全体の57%といわれます。次いでLが21%、MSが20%となり、SやLLが各1%程度存在すると言われます。


価格の有利な重量区分に多く収まれば経営に大きく寄与しますが、日齢が進むごとに平均卵重も大きくなり平均63gというところもありましょう。
この場合も、平均ではMサイズですが、現実はばらつきがありMサイズが45%、Lが35%、MS13%、LL6%となります。


このように、平均では見えませんがサイズのばらつきが当たり前の生産量となるため目当ての重量を維持する生産は技術がいると言われ、全ての生産者が出来るわけではありません。
多くは餌の配合を変化させたり、体重増加を抑制して卵重増加を緩やかにする技法が確立しましたが、多くは鶏へのダメージを与え必ずしも成功したという話はごくわずかというのが現実でしょう。


ですから、種鶏メーカーは日本で好まれるような品種改良を進めており開発して数年後、生産側から「変わったね」という話が出始めます。


そのような背景の中、鶏卵取引は規格取引と、定重量取引が存在し生産者への安定した利益をえる方法が確立されました。
では、それぞれどのようなメリットがあるのかデメリットがあるのか考えて見ましょう。


まず重量取引ですが先ほどのように一般的な取引であり主流でもあります。

しかしサイズにより過剰卵が発生するため利益に変動が生じます。
産卵重量が多い場合は飼養摂取量が多くなりますが利益が高いと言われます。(餌代を下回る鶏卵取引はほとんどないため)


一方、個数取引では飼料摂取量が少ない場合では重量取引よりも利益が高いと言われ鶏種選びが重要ですが販売方法によりこのような影響があります。
(餌代が少ない場合、多くは小ぶりの鶏卵が生産されますが、1個の鶏卵価格はどのサイズでも同じであるため変動しないメリットがあります)


それぞれには、このようなメリットがあるので、個数が良いという意見もあることでしょう。


しかし、デメリットも存在します。


重量取引である場合、過剰卵発生がある場合はその分利益を押し下げるという原則があります。
一方、個数取引では、定重量パックの平均卵重(一般的に59g)よりも大きくなる場合は不利になる傾向があります。つまり1パックは580gから610gで収まるようになっているのでMやLサイズに近い鶏卵は、重量取引のほうが有利に働く可能性があり飼料摂取量が少ない場合でも、引き取り単価の高いほうが有利になります。


群馬県畜産試験場では2008年にこのような試験を行い農場での選定に役立てる研究を発表しています。


現在の飼料要求率は多くの農場で1.8から2.0が多いと思います。
つまり卵1キロ生産するためのえさの量は1.8㎏から2㎏というわけです。

1.8を下回るところはそう多くはないかもしれません。


この場合の多くは生産量(個数)が少なくなる傾向が多いため重量取引では若干不利となり、個数取引では個数減少により不利になり可能性があります。


逆に2.0を超えるような場合の多くは、餌を多く必要とする傾向のため、鶏体が重く卵重も重い傾向があり、重量取引では有利に働く可能性がありますが、個数取引では1個の単価が同じであるため必ずしも有利な価格で取引されるとは限りません。


実際、店舗での鶏卵販売はミックス卵(定重量)と規格鶏卵(MやLサイズ)とは価格は異なり、ミックス卵は安く販売されている傾向があります。


また、現実飼料要求率は多くの農場で1.8から1.9程度が多い(特に白)と感じますので飼料摂取量はよほどの鶏種でない限り又管理や疾病の有無により増減ありましょうがどこも同じと感じます。


つまり、摂取量の少ないことによる有利不利は、農場で左右される要因にはなりにくい傾向が進んでいるように思います。


それだけ鶏種の改良が農場サイドにこたえるようになりつつあるということです。

 

今後、鶏卵取引は自社GPがあることで個数取引に向いている、原卵出荷であれば重量取引が向いている等納め先や販路の希望で決まることでしょう。


販売先は、消費者の希望に沿う納品を希望しています。

ですからすべてがミックス卵にはなりませんし、すべてが規格重量卵の販売もしません。


しかし、消費者は大きい卵を好む傾向は今も変わりませんので、低価格販売にはミックス卵が良く、消費者にこたえる場合は重量取引卵がよいのでしょう。


但し、ミックス卵には580~610gという幅があるとはいえこの基準を満たしますし、大小デコボコする鶏卵は見栄えから好まれません。


また、小ぶりの卵が10個入ると消費者にはあまり好まれません。


この場合小玉ミックスとタイトルをつけて販売することもありましょう。

この場合の多くはさらに低価格になり特売でよく使用されます。


販売方法は、農場により検討される大事な要素です。

鶏種の選定で飼料摂取量が変わり、卵重の大小があります。
鶏種の選定は経営に大きな影響をあたえることでしょう。

成鶏更新・空舎延長事業が終了しました 秋に向けての安定経営を目指しましょう

令和2年9月24日標準取引価格が基準額を超えたため23日申し込みしている方までで事業が終了となりました。


また、9月相場東京M基準値は15円高160円となり上昇基調となっています。
先月からの上昇平均価格(1日から末日までの価格を平均化した額)は例年12円が多い中まだ6円と延長事業が終了したもののまだ上昇を期待したいところです。


足元では、鶏卵消費動向は外食向けに本調子でないものの上向きが見られます。シルバー連休による買い付け、家庭消費の例年を上回る需要が続き家庭消費頼みが続きますが、季節は消費上昇時期にもあたり更なる期待もあります。


外食やコンビニの鶏卵をふんだんに使用したメニューも散見され消費機会を至る所で見ます。

 

前年と異なり、主産地の台風等災害による畜産被害は少なく安定した生産活動も続き皆様の安定経営が継続できると良いと感じます。


台風は12号の関東東側通過はありましたが、昨年の15号や19号といった産地直撃や周辺地域の甚大な被害もなく安心はまだできませんが、警戒し不安な状況ではないことでしょう。


季節は秋となり、残暑も終わり涼しい季節になりました。

鶏たちも暑さのストレスを忘れて産卵回復があることでしょう。


同時に鶏卵消費に貢献される時期でもあります。
鍋物、温かい食べ物と鶏卵の組み合わせ、サンドイッチ、おでん等メイン商品もありましょう。


報道では、全国の鶏卵を集め好きな卵をパックに詰めて購入するイベントもあります。
主要消費地東京での話ですが、沢山の方々の購入がありスーパー等価格重視の鶏卵以外にも一定の買い手がいることがわかります。
恐らく購入されている方々のご自宅には卵はあり、今回買い足していることでしょうから需要上昇のヒントになるのかもしれません。


シルバーウイークは多くの方々の移動がありました。

公共交通は前年の5割程度でしたが自動車での活動は例年以上となり感染対策を意識した活動が見られました。


また東京を発着するGO TOトラベルも来月から始まり、都独自の給付をつけてのイベントになるようで、消費に大きく貢献する都民の皆さんの消費牽引に期待したいという地方もあるようで、この秋の観光に地域消費を促すクーポンも配布され50%を超える割引旅行となり、秋の自然散策を尋ねる旅行や温泉等もあり季節需要がありそうです。


そのような中、地域消費に畜産物や主要商品である鶏卵は需要を底上げする大事なイベントになりましょう。
祝日は11月以降までないのですが曜日を問わない方々はこれを機会に旅行と食事、宿泊を楽しまれることでしょう。


鶏卵も冬に向け需要が高まる季節になっています。

 

外食は例年の7,8割程度と言われますが春先と比べ改善傾向はみられます。

心配なのは年末に向けた加工筋の買い入れが例年通りあるのかという点でしょう。


供給は昨年と比べ増羽傾向であることはブログにも紹介しましたし関係団体のデータからも示されています。


現実筆者の近隣では増羽している農場もあり増築工事も盛んであるところも見られます。

 

増羽はそれ自体問題行動ではありません。


引き合い先があり資金力があるという農場の力を示すものであり、1農家の羽数増加している現実と一致をしています。


業界全体が大規模化し続けている現実からは避けることはできません。


いかに販路先があり付加価値又は自社というブランドを持たないと厳しい現実があり結果相場に左右され市場から撤退しなければならないという市場原則に従うことになります。


先日、日本養鶏協会は鶏卵需給見通し(令和2年9月)を発表しました。


内容を見ますと需要が供給を超えることに関するデータと現実を示し、将来の人口動態から見た需要見通しを示しています。

適正な生産と需要の喚起が大事であるという内容ですが、

実際増羽が進みどのように推移したのか過去を見ますと、増羽が進んだことで18年の12月は珍しい相場高にブレーキがかかりました。

最需要期であるにもかかわらず供給が需要を追い越したことによるもので19年1月は初市M基準値96円となり関係者を驚かせました。


それ以降初夏まで相場の低迷が続き成鶏更新・空舎延長事業が発令されました。夏は台風による主要産地の被害状況から相場高となり19年を終えます。


本年20年も春先までは新型コロナウイルスの影響もありましたが家庭需要いわゆる巣ごもり需要がありましたので安定した相場になります。
その後外食の需要低迷に家庭消費減退があることで相場安に至ります。
今後家庭消費も上向きましょうが、春先のような外食減退分を家庭が消費して均衡を保つのか注目されます。
それは、春先と違い増羽があるからです。


安定した相場のためには需要と供給がバランスを保つ必要があるのは皆さん承知の通りです。
ですから昨年の夏は供給に不安が生じたため相場が反応し全面高になるのです。


現在は需要の減少があることで供給過多と認識され相場安になります。

9月の平均上昇から見るとあと数日でさらに10円、20円増加するかどうかは微妙なところです。
10月も平均上昇額は12円であるように見えます。さて現実はどうなるのでしょうか要注意です。


12月は年末最大イベントクリスマスもあります。

加工とはいえケーキ等鶏卵の最需要期になります。準備は早ければ10月となりましょう。
買付はどこまで進むのでしょうか。

家庭向けは巣ごもりもあり上昇の期待が高まります。


しかし消費者心理は悪化しているのも心配です。
年末賞与の減額も聞きますし、廃業等により雇用の不安も連日報道されています。


個人消費は個人心理を悪化させると購買意欲減退が長引きます。

それは当たり前であり物を購入しないという流れは自然の事です。


物を購入しなければ更なる企業活動の低下と個人消費心理を悪化させるというスパイラルもあり、ここが正念場にも見えます。


需要の高まりを促すには消費者意識を改善するのが早道になります。

ですから価格競争があります。


価格競争は供給側の体力を奪います。

この点がとても心配です。


ですから、左右されない先ほどの好きな卵をパックに詰めて購入する消費者のように価格だけが購入基準にない方々を探し当て消費を促すような策をみつけなければなりません。


しかし需要の喚起は個人では限界があります。

ですから業界で取り組まなければなりません。


小規模農場のように地域住民がいてその方々が安心を購入するように鶏卵を買うような価格だけでない付加価値がさらに重要になります。


ただ物があればいい商品には相応の価格で購入する消費者に何を訴求し販路を見つけるのか。


秋はそんな課題を見つける大事な時期かもしれません。

品質維持向上するには農場HACCPが有効です

暑い夏で鶏たちも大変つらい時期になりました。

鶏卵の重量が小さくなり鶏卵相場も大玉高となり一部市場の小玉は下落となり生産状況が相場に現れています。


生産重量は収入に直結するため事態を把握されている農場も多いと思います。

しかしこの時期は鶏卵にとって品質保持が難しい時期でもあります。


昨年8月は千葉県で腐敗卵がスーパーで販売され消費者より販売店を通じて苦情がありました。


自社パッキングが主流となった時代、検卵技術が十分でない場合不良卵のはじき出しが甘いことから市場へ流通することもある一例です。
また9月には同じ千葉県でも過少重量のパック卵が市場へ流通し消費者より苦情があり回収となった事例もあります。


夏は、生産重量が少なくなります。

農場や気象環境によりますが、1個1gや2,3g小さくなることもありましょう。


サイズは6グラム刻みのクラス分けですが、一般的に1クラス変化することも珍しいことではありません。
LサイズであればMサイズが主流になるということもありましょう。
但しすべてが1クラス移動ではなく、そのうちの30~60%が移動ということであり、多くの割合が移動するという意味です。


さて、今お話したように鶏卵の品質保持はパッキングに頼ることも大事ですが、できることであれば農場で不良卵の排除ができるようなシステムを構築することで、2重の安全対策が講じられ品質への信頼が高まります。


私たちは、認証取得商売のように見えるかもしれませんが根底は品質保持による生産物への安全と安心をご提供しております。


養鶏事業は星の数ほどある農場のうち品質や重量違反が発生するのほんの一部です。
残留薬剤残存による品質回収事案もあり、ただ鶏を飼育し卵を回収し売り上げるだけという時代ではないことが分かります。


その中には、鶏病対策もありその中で薬剤残存があり県の検査等で発覚し告知され回収ということもあります。
昔と違い薬剤への関心が薄い場合事故に発展する事例でもあります。


食品という観点で鶏卵生産活動を見ないと、主体は鶏なので関心が薄くなりますが生産工程の中で人が危害を与えていることがわかります。


鶏卵回収の事例はあまり報じられることはありません。

回収した大変なこと、その後の経営再開のご苦労は報じることはありません。
ですから、発生農場への興味はありますが自社では昨日まで発生がないことから関心が薄くなりやすく又発生確率も低いこともありその大事さが伝わりにくいと感じます。


ブログでもいくつか回収する大変なこと、納品の打ち切り、廃業を決断されたこと等その大変さをお伝えしています。


しかし、自社で発生がない場合中々分かりにくいのかもしれません。

しかし品質管理の不備は消費者まで不良品が流れた場合重大な事例になります。


例えば、9月の過少重量の事案では、2日間出荷分計3800パックが東京や千葉県の販売店から回収しなければならないことになりました。

出荷パックのほとんどに重量に満たないものが混入しパッケージ化されたとしています。


8月の品質不良についても5000パックが回収対象になります。

もしかすると1パックのみの不良卵混入の可能性もありましょうが、外見から判断するのは困難であり、なにより品質失墜状況で他は安全であり販売可能とはなりませんし、何より販売店が納得できないため該当出荷日全てが回収対象になるのです。


そのような状況に陥る可能性がありますが、1日そんな少ない数出荷してないので影響がないという方もいましょう。


しかし、1日数千パックが安定して出荷していたそのうち1つが停止になるとその過剰分はどこに行くのでしょう。
相場基準の出荷先があると答えることでしょう。

そうであれば今後相場に左右される経営になるという不安が付きまといます。
それより、その後再出荷できるのでしょうか。

相手はそれを望んでいましょうか。


代替品が多くあるこの業界ではどうしても御社の製品でなければ困るということは今の時代あるのでしょうか。

 

そう考えた場合事故が出る可能性を未然に防ぐほうが、いらない心配をするより安定した経営が出来るのではないでしょうか。


では、品質維持するにはどうすればよいのでしょうか。


それは「仕組みを作る」に限ります。


今までは、特に仕組みはなく事故はなかったというのが本音です。

仕組みがなければ行き当たりばったりとなり、今日明日1週間程度は品質保持の作業はできますが多くは自然消滅します。つまり仕組みがないので忘れたり、安全であり作業不要と認識したり、めんどくさいことからやらないということもありましょう。


実際多くは今の3つのいずれか又は全部が理由になることが多いと言えます。

 

農場HACCPはシステムを構築し今のような品質維持を大事と考えた場合それにあった作業方法を構築します。

つまり仕組みを構築します。


仕組みができれば、作業をしますので作業をしたことについて記録をさせます。
記録があり、事故が発生した場合はその内容を精査し次に生かし同じことを繰り返させないことを認識します。


三者にも、仕組みがあり記録をしており事故発生は起きていませんと説明しやすくなります。


ただ、昔から事故はないですよという説明より説得力があります。


衛生管理対策に重点を置いた農場HACCPは、認証による利益拡大を狙う人たちには理解が得られていないのが実情です。

実際、目に見える収益拡大に貢献していないというお声もいただきます。

費用ばかりかかり費用対効果から見ても意味を持たないというご指摘もあります。


現実、認証を取得していない農場の製品は昔から実施しているシステムが良好なので事故として見えないことが現状でありその解釈は間違いではありません。


しかし、時代や作業者の質が変化していることは現実です。

これにより作業が伝承されなくなったり、作業者や管理者の質が変わり衛生について理解が薄くなり、効率重視や手間ある作業の廃止からおろそかになり昨日まで事故なくても今日発生してしまったということもあります。


実際事故が起きてしまった農場の多くはいい加減な作業ではありません。
むしろ、今のように考えの薄くなったことが少しづつ農場の衛生管理レベルを下げていて気付かないうちに事故を呼ぶような環境に変化していたというのが実情です。


それはどの農場でも当てはまるはずです。

それは、少しづつ変化することには気づくことが難しく、通常の管理に影響なく日々無事に過ごしていきます。

しかし一定の管理レベル分岐点を超えると少しづつほつれが発生し事故として現れます。発生したところで異常として初めて認識されバタバタとしてしまうのが多くの実情ですし現実なのでしょう。


考えることの大事さはブログにも書きましたが、常に考えることができなければ農場の生産ではなく、衛生管理の低下、結果病気や寄生虫の発生の誘発とコントロールが出来ないという形で現れ、薬剤により残存事故や品質低下する工程が発生し除去できず消費者へ渡してしまうという最悪の展開に至ります。


そのことで、生産量に現れたり出荷先の減少という一番の関心事にあてはまってしまいます。


ですから、農場HACCPが完ぺきとは言いませんが考える力を作業者に与えて事故の防止に一翼を担ってもらうわけです。
認証ですから、第三者の基準を満たす必要もあり、認証費用も掛かります。


その時間やお金がもったいないという方もいますし、その解釈は農場規模や従事者の力量によっては間違いではありません。


しかし、安全を維持するには偶然に期待するのもリスクはあります。

確率は低いのでお金を投じることに無駄を感じることもありましょう。


ですが、発生したときは甚大な損害があります。

 

品質に関すること以外にもあります。
それは鶏インフルエンザもあります。
農場HACCPには飼養衛生管理基準が法規制の根底にあります。

この基準は飼養管理する方全てが実行する決まりです。
しかし、100%完ぺきという方は多くはありません。基準のうちいずれかが不備を指摘された方もいましょう。


病気の発生を防ぐ、農場に広げない、農場外に持ち出さないという考えがあるこの基準に適合できるように農場の仕組みを考えると対策効果が大きくなります。
それでも完全ではありませんが、出来る限りの対策を講じているのは事実ですし行政機関も理解をしますし万一発生した際の負担金や助成金の満額支払いを受ける条件にも
あてはまります。


ですから、認証で商売繁盛とは言えませんが、今の経営に安定した安心をプラスできるのです。
それが、品質維持に貢献し結果商売が繁盛し長い年月安泰となるのでしょう。

 

まだ暑さが残ります。

品質に不安が多くなるこの時期安心して乗り切るためにも農場HACCPの取得を考えても良いのではないでしょうか。