nogutikusan’s diary

畜産と共に歩む20有余年、今の養鶏の課題や考えをお伝えします。 のぐ地久三事務所養鶏部公式ブログ

鳥インフルエンザ対策のアップデートを今から考えておく 季節の対策はその前の季節で終えるという考え

今年も世界を見ると鳥インフルエンザの感染報告が多く聞かれます。

農林水産省鳥インフルエンザ情報では、ヨーロッパ方面では、スペイン、ドイツ、フランスで本年6月を最新としてH5N1を要因とした鳥インフルエンザの発生が確認されています。


皆さんも承知されていることと思いますが、鶏卵生産が盛んな米国でもH5N1が要因とする発生が6月24日を最新として報告されています。
最近は、H5N1が乳牛で感染が広がるという報道もあり、8日付英科学誌ネイチャーに「従来のH5N1より人への感染効率が高まっている可能性がある」と発表されています。


例年、ヨーロッパ等北の地域ではまん延とは言いませんが、通年の発生報告があり日本では珍しいものでもなく報じられることはありません。


恐らく、この秋9月には鳥インフルエンザに注意等の喚起が始まり、9月下旬か10月頃野鳥からの感染事例が聞かれるようになり晩秋以降農場感染が聞かれることでしょう。


昨年は被害が少なく、もう通常モードで農場管理を進めているところが多いと感じますが、本年はどのような年になるのでしょうか。


世界では、鶏卵の需給が厳しくなりつつあるようです。


米国では、4月30日ロイター記事には鳥インフルエンザによる影響が3年続いており、商業用鶏卵生産1000万羽近い鶏が淘汰されており、昨年鶏卵が高騰しその後暴落になったこともあり、
生産者の一部は牛舎から採卵鶏舎へ改造しゲージフリーとして販売するという農場もあれば、バージニア州のある農家は、肉養鶏から採卵鶏へ移行する予定であったが、大変なコスト(この農家では280万ドル)がかかるため、
転換を断念し、農作物の栽培へ転換し当面鶏舎は空にするという話も紹介されています。


また、肉養鶏業者に鶏を供給していた農家は、子供がその業者の工場で働いていたが閉鎖になり、これを機会に採卵鶏に移行することを考えているという肉養鶏工場の閉鎖から採卵鶏へ移行するという話も聞きます。


米国ではゲージフリーの鶏卵が全米40%の生産量(12500万羽相当)があり、ゲージフリーが進んでいます。

一昔前まで合理的主義である米国でそんな手間暇かけることはできないだろうという国内の養鶏家が多いと思いますが、ロビー活動や販路先の求めでそうならざるを得ないという流れができつつあり、アニマルウェルフェア後進国と思い込む養鶏家が一定数いたと感じます。


でも本当に後進国と言えるのは日本ではないかと感じます。


みんな反対している。

だから安泰であるし、みな同じ行動をする民族だからこそ様子見して出方を伺い、誰もしないから安心しているという感じです。


でもすでに4割はゲージフリーに置き換えています。

ウォルマート、クローガー、ターゲットと言った流通店舗は、肉養鶏農家に対し鶏卵生産の要請を進めています。
同じ鶏を飼育するプロと認識しているのです。

 

採卵鶏ができないなら、肉養鶏家にお願いするという合理的行動です。

これを採卵鶏しか知らない人であれば安泰、安心、普及なしと言うのでしょうが、時代は流れ方が変わっているのです。


米国内の肉養鶏工場の閉鎖から、鶏の飼育が変わり鶏卵へ流れつつある中の被害拡大は、米国の鶏卵消費に大きな影響を与えることになりそうです。


また、オーストラリアでも鳥インフルエンザの被害が深刻になりつつあります。


公共放送ABCが6月10日報じたものによれば、ビクトリア州で50万羽が殺処分されています。

この地域は国内生産量が第3位になる大規模生産地です。


被害深刻度として、16羽に1羽が殺処分されている現状と言います。

これにより、1日の生産量は45万個減少しており、一部店舗は客1名の購入は2ケースと制限をしていると言います。

ですが生産者団体は全国的な不足はないといい、1日当たり1800万個以上の鶏卵が供給されていると声明を出しています。


そのような中、米国マクドナルドは7月4日から朝食メニューの提供を従来の正午までを10時半までに短縮する措置を始めています。
理由は鶏卵の供給を調整するためとしており、先ほどのように店舗での購入も制限があることで、供給に不安を感じさせています。


参考までに同国の年間生産量は66億8000万個です。

日本は2537000トンで、約4026億個(1個63グラム換算)で、単位が違います。


日本での比較は、わずかな生産喪失かもしれませんが、全体数が小さいがためわずかでも深刻になりやすいということがわかります。


令和4年の大流行では日本は約1700万羽の採卵鶏が姿を消しました。

約1700万個です。

100万羽農場が17農場(50万羽なら34農場)姿を消しただけでこのような騒ぎでした。

 

供給不安から店舗の販売制限、外食、鶏卵原料の工場の商品供給の停止や販売停止、輸入鶏卵の取扱量の増加といったものです。


世界の話と日本は違うとよく言われます。
他所は他所、うちはうちなのだと言います。


鶏卵価格の上昇は、私たち生産者側では相場の上昇という収入増加を意味します。
実際令和4年度の大流行では鶏卵相場は最高額キロ350円(東京M規準値)となりました。
本日12日はキロ200円(東京M規準値)です。


順調な消費であれば8月も同額の持ち合いになる傾向がありますが、チェーンストア協会の5月の畜産物販売価格は上昇しているものの、鶏卵の動きは鈍いという旨記載があります。

この傾向は前月より前から続いており鶏卵消費が鈍い傾向が続いている可能性を示唆しています。

現実、夏季は鶏卵需要は減退するため、消費者の店舗来店機会の減少と購入点数の減少と言う物価高による消費疲れが継続されており、消費活動は決して楽観できる物ではありません。


私たち生産者側は鶏卵相場を意識して生産していれば安心と言うわけではありません。
その根底が崩れたのは令和5年の大流行でした。
鶏卵が高くても消費者は購入するという神話が崩れ、加工は加工向け仕入を行い、消費者も購入はあれど積極的に購入することもなく、本年は消費がやや減速気味で推移しています。


鶏を失い、商品が不足し、独自の仕入をして不足を補い国内の流れが変わった。
鳥インフルエンザは、鶏を失うだけではなく、大規模になるほど国内の流通に変化を起こすイノベーションとなりました。


でも時間が経過すれば元に戻る。消費者は鶏卵についてくる。
そう信じた生産者も多かったと思います。


でもそうなったのでしょうか。
代替品が生まれ、それに不自由しなくなり、誰も困らなかった。


そんな中で生産を戻し供給が戻り、鶏卵相場は下がっていった。
それでも200円はあります。

一昔なら180円、170円まで下がっても不思議でありません。


7月から餌代、電力費も上がることでしょう。
生産コストはまた上昇していきます。
今年の輸入卵は、円安による弊害、買い負けといった問題も現れることでしょう。
既に世界的に見て日本円は弱い通貨です。

あらゆる輸入品は買い負けしつつあると言います。

肉類は特にそのような話題を聞きます。


であれば、やがて訪れるであろう大流行の再来では、鶏卵価格の上昇以上に供給の不安が前回その前より深刻になる可能性もあります。
相場が高ければ嬉しいというのは本音です。


でも供給不安は、やがて需要側の疲れを生み、どこかで調整が訪れ厳しい時代になります。それが養鶏業界のサイクルで世界も同じで米国も同じ傾向です。


毎年ハッピー、お金もハッピーと言えればよいですが、今年はコスト増から体力を失う養鶏農家も発生しています。
この状況は数年前と同じ構図に見えます。
低価格の相場ではこのような事例はよくあるものでしたが、最近はコスト増から体力を失い廃業に至るという話が多いと感じます。


それだけ、生産コストに厳しく向き合う時代なのかもしれません。


でも、本当に大事なことはそこだけでしょうか。
鳥インフルエンザがなく、安泰な年であれば、確かに相場は乱高下せず穏やかかもしれません。
相応のコストを吸収できる相場値が続いていますので、とても厳しく廃業に至るという所はそう多くないように個人的には感じます。


季節相応の相場で穏やかに年の瀬を迎えるのが、本当の安泰なのではないかと思います。


よく言われることですが、鳥インフルエンザは防ぐ方法がなく、運しだいと言われます。


でも養鶏を見ている者から農場を観察していると、本当に運だけなのか?と感じます。


飼養衛生管理は、本当に今のままで大丈夫なのか。

鶏を管理してくれる従事者は本当に意識を高めて鶏を管理してくれているのだろうか。
農場敷地に水たまりがいつもあるが、野鳥が水を飲みに来るが本当にそれは自然な風景なのか。

その意識で鶏を守れるのか。


ねずみは、寄生虫は、野外株の鶏病侵入は・・と課題が多いとは思います。


見えないものだからこそ、人が見える可能性を探し封じるという姿勢を暑いこの時期だからこそ検討し、備える時期ではないかと思います。


暑い夏に猛暑対策、酷暑対策と言っても多くはすでに遅いということは皆さん知っているはずです。
猛暑だからどうしようか、水でも流して気化熱で温度を下げるから工事をどうしようか、と言う話をしているところはないと思います。


だって材料の仕入、職人の手配をしているだけで8月9月まで進んでいきます。

8月はお盆で職人は1週間休みです、工事開始して台風だから職人は休みで、休み休みして10月に完成しましたでは遅いですよね。


季節の対策はその前の季節までには終えているは、養鶏の常識です。


今考えるのは秋以降のこの伝染病の対策です。


皆さんも、暑いからどうしようかと考えることも大事ですが、9月には野鳥からどうなのか、鶏舎からはいつ発生報道があるのか、時間は多くはありません。


去年まで安泰だから、今年も安全。


それだけの根拠で、殺処分されていく鶏達も気の毒です。


であれば、できることを考え、昨年を振り返り今年はアップデートして対策を講じる。
そんなことを考えても良いのではないかと思います。


繰り返しますが、「季節の対策はその前の季節までに終える」この言葉を思い出して、想定してみてください。

秋は鳥インフルエンザ以外にもワクモの再発も聞かれることでしょう。

その対策もこの季節までに終える。

そんな前倒しの考え方で、できることを確認し季節を迎えていきましょう。

養鶏の基本を再確認 コスト増への対応策を考えましょう

全農は21日7月から9月期の配合飼料価格を平均2200円の値上げとすることを決定しました。


畜種や銘柄により異なりますが、久しぶりの値上げとなります。


穀物の米ドル建て価格はほぼ誤差の範囲と感じますが、為替水準が前回改定時期と比べ上昇し、この先も同水準か160円を想定する為替相場もあり、主な要因に感じます。


また、穀物輸送のタンカー運賃は現在60ドル程度とされますが、直近は輸送日数上昇からバラ積み船の予定延長等需要の増加もあり上昇傾向が見られます。


原油はおよそ80ドル近辺で世界的需要減退もありますが、投機的、需要先の在庫量の発表で相場が動く神経質な展開に至っており、夏は北半球の需要が減退し価格が下落するという例年の傾向が見られないということもあり、この先も飼料価格上昇の要因の1つになる可能性もあり心配です。


昨年から値段は下がりましたが、1トン当たりの餌代は9万円台中盤当りが標準的ではないでしょうか。


また多くの農場では配送賃は昨年末から本年最初あたりから上昇しているところもあると思います。

このため単純飼料価格に配送賃を入れるとおよそ10万円となるところもあるでしょう。


その配送業者も苦労されていると聞きます。


餌を搬送する時、車両と人件費と様々なコストがかかります。
最近ある運送会社のお話を聞く機会があり、人のコストが高くなっていると言います。


少し前までは勤務20年等年齢が高い人が年金を併給して仕事をしていた人が高所作業に不安があり離職したから、人を募集したのだけど月22万円とか出してもなかなか採用までに至らないと言います。


この要因に配送業の運転手の方が賃金が高く、飼料運搬を専門にする運転手ではその条件では厳しいというのが理由だそうです。
それは、物を預かり、物流地点へ運ぶという作業と違い、餌工場で受け入れし農場へ輸送し高さ5メートル、10メートルはある餌タンク高所まで登り、餌入庫をするという特殊事情もあります。


ただ運ぶだけなら何とかなるが、高所作業をさせて1タンク当り手取り1万円、1.5万円と言われても厳しいですよ。

と本音を語ってくれました。


ですから、1タンク2万円、3万円あっても良いのが本音で、県内でできれば近距離で1日3往復、4往復できればいいけど、餌工場が遠く1往復高速道路料金込み4万円と言われても正直採算的に厳しいですね。

と言います。


そしてこの時代大型免許を保有する人が本当に少なく、普通免許はあるけどという問い合わせはありますが、大型まで取得させるのもまた大金です。
少し前の普通免許は今の中型限定免許ですが、ここから大型もそう簡単ではありません。
教習も20時間30万円という相場ですから、大型へ移行するのも大変です。


最近は取得補助をする事業所も多いですが、趣味で大型を運転する人は少ないはずですから実生活で大型免許のありがたさを感じる人も多くはありません。
収入増加のために取得するという人が多いと感じます。


また補助すらない企業では自腹で取得しますが、ここまで準備をさせて給与23万と言われたら、ほとんどの人は考えて返事しますと答え帰っていきますが、折り返しの連絡はないと言います。


実際同地域で夜勤なし7時から16時までの勤務で大型車運転月30万円から相談という業種が多く、出だしから条件面で不利と言うのが実情と語ります。
でも荷主(養鶏場)に対し、差額となる分まで補償せよとは言えないと言います。


今回のように1トン10万で納品はできないからです。

もっと請求しないと生業にならないと言います。

ですから、私の代で運送はやめることにすると荷主に言っているのだと言います。


実際、自己運送から、配送専門業者へ再委託する配送業者もいます。
そうすると、車両入れ替え代、固定費となる人件費が抑えることができるからと言います。
でも自己運送ではないので、ゆくゆくは専門業者の存続しだいで運搬業務がなくなることになるでしょう。と先を案じています。


でも老朽化した車両を1000万円以上かけて入れ替えする、人を30万円以上支払い教育しその先まで雇用を続けることがその先10年、30年まで安泰なのかという難しい選択をしていると言います。


さて、様々な物が高くなっていることは皆さんも感じていると思います。


電気、ガスは補助が終わりましたが国は再度補助を8月から再開すると言います。

でも時限措置で基本3か月間の実施と言うのが素案になっており、目安軽減額は標準世帯で月1400円程度としているようです。
どこまで農場内での恩恵が受けられるのか未知数ですが、補助が8月から10月まで行われ、猛暑の電気代上昇期に僅かですが補助がされることでしょう。(企業向けは1.8円1kwh当りの補助額)
農場内でのガス代もどこまで軽減できるでしょうか。


また、10月頃予定の最低賃金の労使協議が25日から始まっています。
現在の全国平均時給は1004円です。

最も高い東京1113円、神奈川1112円、埼玉1028円、千葉1026円、茨城953円、鹿児島897円と養鶏が盛んな地域も昨年から見て30円以上1時間当たりの単価は上昇しています。


中央最低賃金審議会では、昨年比43円増となった現在1004円を物価高等の影響を反映させ、今の水準より上回る額を軸に調整が進むとされます。
早ければ7月下旬に目安額が報じられ、各県の改定額は8月頃から公表されると思います。
昨年と同じ30円程度でも千葉1056円、茨城983円、鹿児島927円と1時間当たりのコストは引きあがるわけです。
これは外国人技能実習生も同じです。

 

もっと上がればどうなるでしょうか。
このように、餌の値上げが始まる7月からの3か月間は、様々な値上げの話を聞く時期になります。


餌、10月からの人件費、光熱費と様々な話題を聞くことになるでしょう。
農場で出来る削減策はもう多くはないと感じます。


餌を今よりもっと削る、電気を使わない・エアコンを使用させないというのも無理でしょう。

こんな猛暑でエアコン禁止となれば会社の常識を問われます。


従業員には塩を舐めさせ、水を飲ませればよいという経営者はさすがにいないでしょうが、草刈り作業をさせる従業員にそれすらさせない経営者もいます。
その必要性すらわからない経営者もいます。


昨年炎天下の中草刈りをさせて熱中症で従事者が死亡する事故が発生しています。
本来水を飲ませる、休ませながら作業をさせる、汗で不足する塩を摂取させるといった準備義務すら守れず、事故を起こし書類送検になる事例もあります。


そんなことはないという人もいるでしょうが、令和になっても昭和の根性論で何とかなると信じることも少し古い組織だと感じます。


お金を払いたくない、無駄な物にお金をかけず個人で用意させればよくできないのは個人が悪い、全部個人が悪いという方が都合が良い・・
そんな風潮でこの値上げで何ができるでしょうか。


無駄・ムラは悪の根源であると言われます。


でも無駄なのか、ムラなのかはお金を削りたい会社が決めることではありません。

必要なことを無駄と断じてはいませんか。


餌を削ることは、お金を残すということであると信じている人は意外と多いと感じます。


でも結果鶏卵の個数が少なくなる、この時期では規格外卵(Sサイズ等)がいつもより多く産出され、採算面で劣る。
卵殻が悪くなり、傷玉がいつより多くなり規格外が増える。

それは精算する数週間後、1か月後に集計伝票でわかり、対策を急に考え出す。


でも規格外増加は既に1か月も前から発生しており今から手を打ってもどこまで改善できるのか。
であれば、最初からそんなことをしなければ猛暑による影響だけで済むはずでした。


でもお金を残したい、、無駄を取りたい・・


良かれと思ったことが良くなかったということはよくあることです。
大事なのは、本当に良いことなのかと問う注意深さと思考力です。
その視点でもう一度考えて取り組みをしてください。


7月の餌代は本当に高いのでしょうか。


高いと感じるなら、収入はどのように増やす、又は維持させるのか。
そういうアプローチで考えう視点も必要なのかもしれません。


何が高い、お金がない。

様々な人生模様がありますが、ただ嘆いている、不満を表明しているだけでは7月になっても何も変わりません。


変わるのはその月の請求書だけです。


農場の効率化は視点を変えると色々見つける事ができます。
そこの無駄を取るのです。そのムラを無くすのです。
無駄ムラはこの視点でなくすのです。
目先1キロの餌節約ではありません。そこに至るまでの方法です。取ることではありません。
ムラを無くすのです。そして1キロ減らしたのです。


でも同じ1キロ削減です。

はき違えが多いと感じます。


そして現場の声を聞いて無駄を洗ってください。
残念ですが、ごますり農場部長がいるところでは、1キロ削りたいと相談すれば、簡単です。明日にはできますと答えるでしょう。
その人は削減すればノルマ達成できると考えているからです。

俺の信頼度もアップ給与アップボーナスアップそう考えるでしょう。


でも仕事ができる本当の能力を持つ人は、具体例を示し、この時期では1キロ下げることは難しいです。だって暑いから食べないのだからと答えるでしょう。
代わりに、作業スペースの1つをこの時期閉鎖すればエアコンは使用しない、電気を使わないから節約はできるはずと言うでしょう。


この視点です。

 

農場で経年劣化で物が壊れるという話を聞きますが、良く見ると人災で壊れるということもあります。

機材の使い方がわからず破損してしまうのです。

又はメンテナンスすらせず使い続けて摩耗して壊れるのですが、報告は経年劣化で業者発注しましただけです。

でもわからず必要な修繕費としてこれは無駄ではないのです。

良く見ればわかりますが、その見る手間は無駄であるというのです。

そして、本来は防げた事故を人災とわからず何十万と払い、業者や部材到着まで機材は使用できないという無駄が生まれるのです。


ただの無駄ムラ削りの視点で離してはいませんか。


暑いから食べないのは養鶏の常識です。

人も同じでしょう。
この視点を忘れてはいませんか。


さて、もう1週間で7月です。


今年は既に梅雨前から暑い季節が始まっています。

猛暑、酷暑も例年以上に多いような報道です。
鶏を守り、卵を1個でも多く生産する。

そんな養鶏の基本をもう一度確認しましょう。
そして、収入を維持して来るべきコスト増に立ち向かうすべを見つけましょう。

 

自動車型式認証不正をどう捉えるでしょうか ものの考え方を整理して安易という悪事をなくすという意識を養鶏でも

自動車の型式問題が報じられ、大手自動車メーカーの人気車種が一時的と思いますが、出荷の停止という納車を待つ消費者に多くの不安を与え、繰り返す違反行為に自動車業界に対し懐疑的に見る消費者もいると思います。


その背景はこれから明らかになると思いますが、わかることは自動車のマイナーチェンジや新式の投入と言った自動車業界の多忙から不正がまん延したという話も聞きます。
大手軽自動車メーカーの型式取得不正も同様とされ、いつしか自動車業界は効率重視、車を知っているからこそ自社基準に置き換えても品質は変わらないという過剰な自信から来る法規則の変質と言う違法行為と言う流れになり、もっと厳しい基準であるという法令逸脱行為には触れないという誤った認識以上に悪質な変質に至るような事象と感じます。


ただ、今回の不正行為のうち、6つの事例は国連基準も満たさず、欧州等で不正と判断される可能性が高いと国土交通省が発言しています。
つまり国の基準は、欧州等62の国や地域が採用している国連基準と同様になものを基準にしているため、結果反しているという見解を持っており、国内のみならず、この基準を採用している国へ自動車を販売している場合は基準を統一した内容と異なることで、相手国しだいでは要件を満たさない可能性を危惧しているというものです。


ですから、自身は専門なのだから役人は専門家のやり方が正しいのだから改善しろ、やり方を変えても問題はなく、むしろ厳しい基準で行っているという過信が違法行為を容認し周辺も意見を持たず、むしろ賛同するという悪い状態に陥るのではないかと思います。

 

さて、なぜこのようなお話をしたのかと言えば、最近の農場でもこのような自己満足型の飼養管理があるのではないかと感じるからです。


6月になり梅雨入りは遅くなっているようですが、気温は高くなっていて暑いけどまだ夏ではないという何とも中途半端な季節になっているのに、鶏の摂取量が増えていかないのに気づかず、体重が乗らないから餌を増やし増体重が大きくなりすぎてシーソーゲームのように大きい・小さいを行ったり来たりしている農場もあります。


最近摂取量を意識しすぎて体重が小さいから急いで餌を増やし、そのまま廃鶏まで同じになり、脂肪を多くまとった鶏が見られるようになりました。


少し前まで、変化に気づけていた農場でも上層部から1日量○○gとするという通達を守り、○○gになっているのに、体重が伸びないから餌を増やし増加を期待するという、餌箱に餌が残っていて増加が必要なのか検討するべきところ、摂取量は同じであるが体重が伸びないので増加させるというものです。


確かに1日量が増えます。

消灯まで餌が残るようになり1日かけてプラスαの餌まで毎日食べ続けていくのです。


体重は回復し、翌週以降は通常より多く増えていきますが、このような餌だけ気を付ける程度の農場では、増体重や斃死増加まで意識が向かうことは珍しいかもしれません。多くは無関心かわからないと言うのが本音かもしれません。


少し前までであれば、鶏舎を見て餌が残っているだけで、この残餌を食べてくれれば1日量は十分であるという推測ができる人がどの農場もいました。


しかし、時代は流れ数値からの判断しかできないという組織や人、管理者が増えていき、餌が増えないのに体重が増加しない、だから餌が足りないという推測だけで動いてしまう農場が多くなったように感じます。


悪いことではありませんが、大事な視点「鶏舎を見てどう感じたのか」という視点がなくなっているように思います。


最近は、ワクチンによる副反応は少なったと思います。

これにより、奇声・くしゃみと言った音を聞くことができなくなった人も多くなり、副反応ではなく、何らかの野外株が侵入し摂取量がさがり、産卵が下がっていく時、奇声があり、鳴きがあることで過ぎ去るまで待つしかないという考えを持つ人や農場もありました。

確かに手を打てないのでそうなるのですし、それが正解でもあります。

 

でも今は餌が少ない、だから不足している、産卵が下がった、だから餌が足りないという推測だけで行動してしまい、過ぎ去ることが最善というより、手を打ち最善を図るという不要な行動をとる人や農場も散見されます。

これにより、手を打ったと勘違いしてしまい、餌だけが増えていき、自然回復していくという農場もあるように思います。そして後になり大変なロットに変貌してしまうのですが、原因がわからず、鶏が悪いという幕引きをしてしまうという農場もありますが、

皆さんの農場はいかがでしょうか。


季節はまだ春なのでしょうか、暑いということは鶏舎環境も暑くなっているはずです。


風を送ることで鶏の体感を和らげることはできますが、それによる餌の増加という本来は切り離して考えるべき内容がごっちゃになっている農場も散見されます。


先ほどのように、温度が高いのであれば鶏はパウンディングしているはずです。
であれば、暑いのです。

当然餌の残りはいつも以上に増えているはずです。

そして定時の消灯があれば、1日の食べる時間は増えていないので、増えるわけはありません。


風を送る、設定温度を下げて風を送るという発想も必要になるはずです。


でも農場にいる私たちの(専門家の)意見は正しい、養鶏のことは農場が知っている、もっと簡単に管理ができる・・みな説得できる根拠があればよいのですが、多くは経験というか、何となく感じている思考が根拠と感じます。


上層部は餌代は1円でも下げたい、だから設定量は厳守、摂取量が変わらず体重が伸びないのは本当に足りないのか。


その解決は事務所にあるデータや計測器にあるということではありません。


鶏舎にあるのです。


雰囲気を感じ鶏を見て感じる。
これが正しく解決できる技法なのではないでしょうか。


冒頭の自動車メーカーの問題も根本は同じであると感じます。
自分(組織)の方法が一番であり間違いはない。


でも法令から逸脱していることまでわからない。

農場も、飼養管理の基本から逸脱していることまでわからない。


人は自分の経験や知見は正しく、否定されることを嫌います。
その通りです。


でも立ち止まり、基本を思い出しそのためには何が大事なのか。
暑い6月だからこそ、鶏舎も暑い、変化がみられる季節になります。


いち早く見つけ対処することは、これから訪れる猛暑にも対応できるはずです。
そのためには、基本を思い出し正しく管理をして夏を迎えてください。


例年以上に暑く猛暑日が多くなるとも言います。
今のうちに対策を考え、組織を再確認し、必要な技法を会得してください。

生産側の収益見込みと販売側の収益見込み 私たち養鶏家は何を感じ取るでしょう

株式市場は、株の取引きをされる投資家だけの世界と見る方も多いでしょう。
でも、株式を購入したりする基準には、企業の収益見込みといった予測を示しており、ここから業界の見込みや予想もある程度できます。


例えば、生産者側の上場企業には、北海道で5割程度のシェアを持つホクリョウがあります。
この企業の24年度3月期決算は、税引き後の利益を前年比2.2倍の16億円で、売り上げは189億円と6%増加しています。
経常利益は67%増加した23億円で、この要因には鶏卵相場が上昇したことが要因であるといわれます。


一方、販売先企業として液卵メーカー イフジ産業があります。
24年度の決算は純利益を前年比43%増加の15億円となりました。
細部を見ると、確かに営業利益は上昇しているものの、それ以外の単年度増加要因となる課税所得の減少による法人税が低く抑えることができたこと、土地取引による収入計上があるようです。

では、好調で25年度決算に向けて進んでいくかと見ると、2025年3月期の純利益を14.4%減となる13億円になると見込んでいます。
一見減収になると想像できますが、どうもそうでもない見込みを立てています。
売り上げを16%減と見込みますが、営業利益は12%増加、経常利益は9%増加するとしています。
売り上げは下がるかもしれないが、利益は確保しており増収が予測されるという感じです。

 

では、生産者側も同じになるかと言うと微妙に違いがあるように見えます。
先ほどのホクリョウは、2025年度売り上げを税引き後利益を今年度42%減の9億6000億円になりそうとしています。
営業利益は39%減、経常利益を38%減としています。
その理由に、鳥インフルエンザの影響で落ち込みが続いている業務用需要の回復が遅れると予測しています。


この点は液卵メーカー側の売り上げが減少している数値にも表れていると感じます。

 

企業情報から読み取ったものですが、養鶏業界はどのように感じていくでしょうか。
現在の鶏卵相場は東京M規準値200円(本日20日時点)です。
長期連休が明けた7日に10円下げて、その翌週も下がり、現在の値段です。


夏季相場に入ったわけですが、皆さんは想定通りの生産活動と収入見込みでしょうか。
鳥インフルエンザの危害は完全に消え去ってはいませんが、通常夏季の相場安に例年対応されるところは多いと思います。
早期の廃鶏出荷、空舎期間の調整、秋に向けた餌付け状況と、場合による増羽の指示等様々あると思います。


上場生産側と加工向け企業の予測は、生産した鶏卵の行く末を占っています。


先ほどの生産側企業は北海度のシェアは5割ある地元では大規模生産業者です。

一部は東北地方を中心に生産やパッキングも行っており関東にもある程度流入しているように感じます。
北海道で生産される鶏卵は、輸送コストもありますが多くは地元北海道で消費されるもので多くはそのほかの地域に流出することはあまりなく、それ以外の地域では無関係の話かもしれません。


昨年秋以降話題になっていると思いますが、本年は春先には通常生産に戻り生産量は例年に近い水準に回復しました。
鳥インフルエンザの被害もありましたが、昨年と異なり全国的にまん延というほどの影響はありません。


先ほどの話のように、加工向けの需要は回復の遅れが続いているとされます。
これは日本養鶏協会で3月12日会議の際に鶏卵生産者や流通企業や製造業の担当者が出席した際にも話題になっています。
これは、今年下半期(7月から年末)と翌年上半期の鶏卵需給見通しの中で、方向性を示しているものです。
キーワードは「食品加工メーカーによる需要が十分に戻らない可能性があり、卸売価格も低迷する恐れがある」とされます。
セブンや山崎製パンの担当者らの出席もあり、企業での消費量や具体的な数値は示されていません。
また家庭向け消費も、生活防衛意識の高まりもあり、昨年を超えるような水準にならない可能性を見込んでいます。

 

さて、加工向けメーカーは鶏卵が潤沢に仕入れが可能になりましたが、例えば鶏卵の量を減らしたサンドイッチや代替卵を使用した商品といったものは、ブログでも書きましたが、加工工程の変更はオートメーションの変更でもあり、製品のみならず、包装材の変更もあるでしょうし、鶏卵の補充日程も変更になるはずで、広範囲になるのが普通です。

 

不足時はその逆の工程を綿密に設計し変更しており、やはり人・モノ・コストを投入しています。
ですから、商品調査や風味、食べ応え等十分検討して販売されていますので、本来に戻す理由がない限りそのままでも良いと考えるのが経営の視点ではないでしょうか。


つまり、戻したのだから集客につながる、客単価が上昇するといった見える成果がないと、コスト負担だけという株主に対しても説明がつかないということも考えられます。


最近は、外食向け鶏卵商品は多く発表されており一定の需要があるように見えます。
ですが、多くは農場指定や商社指定が多く、全ての養鶏家にチャンスがあるというわけではありません。

また、一部加工メーカーは国産原料の使用割合を元に戻すという話も聞きます。

しかしこの話には先があり、今回令和の大流行による供給不安リスクを回避するため、一定量は輸入卵の仕入を継続するというものです。

ですから、元に戻り全てが解決されると言うことではありません。


では、私たち養鶏家はどのようにこの夏を迎えていくのでしょうか。


まずは、生産量を維持して損失を生じさせない農場を作ることが必須です。
現在の基準値は200円です。

これは決して安いという額ではありません。


飼料価格も上がりましたが、上手な経営者はこの値段でも吸収できる値段という所もあります。


確かに高いほうがいいと思いますが、この先需要が季節要因の減退もあり再度大きく上昇するまで時間がかかることは例年見ている姿ではないでしょうか。


昨年は高価格の良い相場でした。
でもそのような季節は毎年あることではありません。

その高価格の裏で仕入れ先を変更し加工筋の動向を気にする方も少なかったと思いますが、少し時代が変わりました。
誰もが一時的という言葉を話していました。

でもそうなったのでしょうか。


まずは、今の皆さんの農場生産量は本当にベストな数量なのでしょうか。
農場産卵率(農場で生産した個数を農場の羽数で除算したもの)が9割もない農場もあると思います。
でも上手な飼養管理をすることでは、92%、94%とさらに上に行く農場も存在しています。


数があって、まとまったお金になるのが養鶏です。

たかが1個20円、25円かもしれません。
でも100個多くなったら2000円、2500円、1000個なら、1万個ならと考えたらどうでしょうか。
決して無視できない金額です。
それが収入です。


コストを削ることが最優先とする農場もまだ存在しています。
でも今の時代高温管理で餌代を抑える、餌レベルを下げて差額を削減とするという時代はもう一巡しており、まだ模索している状態であればその見通しは甘かったと考えても良いと思います。
まずは個数を確保するのが優先されます。


いや、個卵重が・・飼料要求率が・・

という話もあるでしょう。


最近の白鶏は個卵重の増加は緩やかになっています。
一昔、特に平成初期のような感覚を持っているのだとすればそれは古い情報を保有しているように見えます。


餌を与えるほど個卵重が大きくなるという時代ではなく、逆に抑えてしまうことでいつまでたってもMSサイズが中心に生産して、サイズバランスよい生産ができない農場も見る機会が増えました。


農場の生産方式に反しているのであれば、昔の基準を採用するのではなく、今の時代の鶏から得られる現実から新基準を作成するのが正しい養鶏経営ではないかと思います。


今の時代ウインドレス鶏舎、セミウインドレス鶏舎でもこの高温管理を採用して抑制を目指す農場が増えています。
一昔の適温管理をする農場は少なくなりました。
でもそれによる弊害に もがく農場もまた増えており、解決策を見いだせず、もがき5年、10年経過している農場もあります。


せっかくの高相場恩恵の波に乗れず、破卵が多い、生産個数が少ない、規格外が多くなるといった農場もありました。
でも今年は適正相場値で動いています。

ということは、昨年までのように破卵が多くても良い、規格外がそのまま多くても良いでは、昨年と違う収益になってしまいます。


これが農場体力の差になり、相場200円でも苦しい、300円なくては養鶏が成り立たないといった現実と離れた話が夏以降聞かれるかもしれません。


でも相場は需要と供給で決まります。

であればその値段で出来ることを模索するという意識が大事になります。
まずは、生産量を確認してください。

そして餌を削りその方策が見いだせない農場は通常に戻しまずは数確保に努めてください。


高温になるほど、卵殻は悪くなります。

この話をすると、そうだったと思い出す農場もあります。

ある農場は傷鶏卵を1ロット1割発生という所もあります。


そして規格外をなくす取り組みをしてください。

傷を作るのであれば自動集卵による弊害もあるでしょう。

箇所の点検から見つけて解決することも大事です。


農場ではコスト削減も大事ですが、もっと基本である生産の基本に立ち返ることも大事です。


5月も下旬になり、相場は夏に入りました。

7月頃は学校給食も終わり大口需要が更に減り相場の動きがあることと思います。


秋に向けて準備することも大事ですが、生産の基本を再確認することも忘れず行ってください。
既に、今年は体力尽きた農場が廃業を決めた養鶏場も発生しています。
万策尽きたと感じる前に、できること、養鶏の基本を思い出し取り組みを進めてください。

養鶏場の破綻が続きます 広島の養鶏場 鳥インフルから再出発を断念

令和6年3月に鳥インフルエンザが発生し、約8万羽を殺処分した採卵鶏農場が、破産する方向で準備を進めています。


東京商工リサーチによれば、破産準備に入ったのは広島県にある石本農場です。
同社は1961年に設立された養鶏場で、最近の売り上げは3億円台と、8万羽にしては良い収益を得ていたように見える一般的な農場でした。


しかし、3月発生の鳥インフルエンザによる被害をうけ約8万羽の殺処分をうけ資金繰りのひっ迫が原因とされています。
負債総額は調査しており、近日中に破産の申し立てをする予定とされています。


この件について、広島県知事の談話もあり「残念に思う。影響を避けるためにも、予防措置をとっていくようにしていきたい」という話もあります。

 

さて、鳥インフルエンザが原因とされる破産農場は、昨年令和4年の大流行でも発生はなかったとされ、弊所が知る限り初めての事例のように思います。
昨年は過去最悪の被害があり、再開するまでのつなぎ、導入のための費用、素畜の導入補助といった手厚い資金融資と支払いがありました。


確かに国からの手当金支払いは、疫学調査等様々な過程で裁定されてからとなるのでしょうか、支払いは遅くなり確定まで時間がかかります。
このため多くはつなぎ融資を受けて今という場面の手当てをされるのだと思います。


国は国の金融機関からの融資を勧めており、利子の低額化、融資実行の有効性を高めて対応しています。
確かに書類の煩雑さもあるでしょうし、実行までの審査もあり融資というハードルの高さを感じてしまうのかもしれません。

 

しかし、折からの飼料価格の高騰もありましたしエネルギー価格の上昇と高止まりもあります。

そして人件費上昇等固定費の増加も多くの農場では見られる事と思います。
今回断念された理由はわかりませんが、これだけご苦労の中での被害発生からの再開を断念されたという決断に、行政側の鳥インフルエンザへの対応や指導のあり方を見直すきっかけにはなると感じます。

 

令和5年の鳥インフルエンザの発生は3日時点10県11事例の発生で約85.6万羽が殺処分されています。
令和4年度に比べれば少ない数ではあります。


でも少ないから養鶏家は大丈夫と思う方はまずいません。


今年は被害がない年であるが、5月まで発生する場合もあり油断できない。

そう考える養鶏家は多いように思います。


今年も養鶏が盛んな地域の発生はあり、茨城、千葉、鹿児島といった主要地域も発生が確認されており、少ないからという発想より、養鶏が盛んな地域でも被害を受けるリスクは以前と変わらず高いことを意味しています。


この先も油断なく過ごしていただきたいと思います。

 

今回の養鶏場での疫学調査概要は発表されており少し見てみると、
発生鶏舎は日齢357日であり、過去2週間の平均死亡数は3羽であった、3月11日の午後見回り時1メートル程度の範囲で鶏12羽のまとまった死亡が確認され、同日家畜保健衛生所に通報しました。


農場主によれば、通報の数日前から産卵率の低下が確認されていたものの、その他の異常はなかったとされます。
調査時には、発生場所付近で死亡鶏があり、元気がない鶏を複数認めたものの、それ以外の場所では他の鶏舎を含め特段の異常は認められなかった。とされます。


農場は高床式鶏舎開放鶏舎であり、ひな壇3段式6レーンの3通路式という、一般的な構造です。
成鶏舎は7棟(1棟は空舎)、育雛舎1棟、堆肥舎2,飼料舎1,事務所を兼ねたGPセンターが1あるという農場です。


洗浄し乾燥させる等常に1棟が空舎になるローテーションのように見えますので、一般的な管理方針です。


従事者は15名(農場主含む)、そのうち6名が鶏舎管理を担い、他9名はGP作業をしており鶏舎に入ることはないとされます。

 

衛生管理では、以下について気になるところです。
・成鶏舎に入る従業員は、消石灰の踏み込み槽を通過するが、長靴の履き替えは行っていないということ。
・鶏舎のカーテンは、この時期の開放はないが、調査時閉鎖できない、破損している等により小動物の侵入可能と思われる箇所が複数確認された。
・飼料舎は一部外壁がない構造であり、配合装置は配合餌飼料が露出する構造である。
・堆肥舎には外壁はなく、防鳥ネットがない農場である。
その他の懸念する事項として、
・鶏舎には中型動物用の罠を設置している。調査時猫等によるものと思われる食害を受けた鶏の死体を多数認めている。


上記のような疫学調査概要が公表されており、農場の状況が少し見えるような感じです。


開放鶏舎では、一般的に換気システムを自然換気による設備になるため、カーテンを設置し、モニターや壁面等鶏のいる場所を開閉させて換気をすることが多く、一般的なつくりでもあります。

 

この時注意したいのは、カーテンは農場自身が修理補修する際、構造を知らないと十分な閉鎖が成り立たないということです。
良く見られるものとして、カーテンはワイヤーを使いウインチを用いて巻き上げて開放、巻戻して閉鎖という構造です。


経年劣化しワイヤーがちぎれるといった場合や、カーテンに付属する鉄パイプがさびて折れることで、開閉の際特に閉鎖が十分できないということが良くあります。


この原因は、幾つかありますが多くは、ワイヤー構造が分からない者が修理をした場合に散見されます。
ワイヤーは上引きと呼ばれるウインチが引き、戻しをするワイヤーと下引きというワイヤーを下から強く引く構造があり、それぞれがバランスを保つことで、きれいな開閉ができます。


上手な修繕ができない場合の多くは、下引きが十分に下に引く張り方をしていないため、上引きを戻すと、本来は下に向けてきれいに下がるのですが、下に引く力が十分にない場合、下限に近付くと、引く力がないため、上引きだけが緩みカーテンが閉まらないという現象が起きます。


特にワイヤーがいる部位から50センチ、1メートル近辺は特に大きく開く状態で閉まるため、閉鎖できないということもあります。

1メートル以上離れるとカーテンに内蔵した鉄パイプの重みで閉鎖されるという現象です。


この場合、金網の目が大きい場合、スズメといった鳥類が侵入することもあります。

また鶏糞集積場所である床下での閉鎖不良はネズミや金網が破損した場合猫等が入りやすくなります。


今回の調査では、4センチ×5センチの網目ですから大きいものです。


これ以外にも、鶏舎専用の長靴履き替えがないことも気になります。
確かに消石灰の踏み込み消毒をしているので、消毒された長靴と言うことになるのかもしれませんが、消石灰の踏み込みを十分にしていない場合や交換頻度等殺菌保持期間はどうだったのでしょうか。
アルカリ性ですから、数時間1日では変化はしないかもしれませんが、そもそも消毒だけを前提にした長靴の使用は人の信頼があるだけで、十分な鶏舎と外部の遮断にはなりません。


現行の飼養衛生管理基準は必須ですが、これよりも前の版では履き替えるという定義はありませんでしたので、今回の改正から必須になることで、鶏舎専用の履物と言う定義に違和感を持つ方も令和2年、3年ごろまではいましたが、その遮断できないリスクを想定すると、多くは履き替えることを選択します。


飼料の製造過程や保管には野生動物の侵入リスクが想定できます。

それは鶏かもしれませんし、その糞もあるでしょう。
もしかしたら野生動物は侵入できる状況なのでしょうか、自身の食事を網をかけない状態で外に放置しそのご飯を後で食べようと思うでしょうか。
外に置くということはそういう、外部の要因により汚染されやすいということです。
今は見ませんが、昔は食卓にハエの付着を防止する網目状のキッチンフードをかぶせて食卓に置く家がありました。

これがない状態でハエといった不衛生なものが付着したと考えると、そのご飯は美味しく食べる物でしょうか。

それより大丈夫なのか、お腹を壊さないだろうかという発想が起こると思います。

この発想が鶏の餌にあったのでしょうか。


また、鶏舎に猫が入るということは多くの農場で散見され、この農場特有のことではありません。

 

問題は猫は汚染リスクが高い生き物と言うことを認識しているかどうかと言うことです。


多くは、猫で鶏の首を引っかかれ血の海になる、鶏が騒ぎ産卵低下を起こす、食害を受けて、糞をされ、血まみれになる床やゲージ近辺が鶏の管理上どうなのかと言う視点が管理の際にあるのかということです。

 

大変厳しいことを言いますが、このような現象は、この農場だけのことではなく全国どこの高床鶏舎でもあり得るということです。


そして、多くは猫が入ったから侵入箇所を探すがわからない、カーテンは十分閉まらなくても仕方がない、長靴の鶏舎履き替えはめんどくさいし、昔は必須ではなかった。

だから消毒しておけば安全であり簡単であるという作業の手間を優先した現状からの逸脱ということです。


これも多くの農場は1つ2つは当てはまるところもあるでしょう。


この油断が事故を招き、もしかしたら鳥インフルエンザの侵入を許してしまうと言うことにもなるのです。


でも被害がなければ、昔からそうである、そんなもの、それで感染する可能性は低いというお気楽管理になってしまうのです。


これは本当に恐ろしいことです。


運が悪ければ、今回のように感染し自身の農場の鶏全てが処分されていくのです。


でも、それは高確率で発生はしない。
だから大丈夫である。
そうなってしまうのです。


気づいた時、あるいは鶏を失ってから後悔するという方もいます。
でも厳しいことを言いますが、後の祭りなのです。


事故は発生する前にそうさせないということが最善の策であり、それをおろそかにするということは理由は何であり放棄したということなのです。


でも高確率で発生しないからこそ、それが当たり前でありその程度では発生するわけがないという根拠ない安心を農場自身がもってしまうのです。

 

今回の養鶏場は経営の再建をあきらめたようです。
確かに再稼働まではいくつもの確認事項、不備の修繕、消毒、再検査といったいくつものハードルを越えていく気力と資金力が必要になります。
無収入の中でこれらの作業を進めていくしかありません。

 

当然ですが最低数か月は再導入は許可されません。

そして餌付けも導入許可の翌日に入れることもできません。

鶏の導入は大びな業者の餌付け状況や場合により幼雛からの飼育で待つということも珍しいことではありません。

今は、餌代が高いこともあり、大びな業者も過剰飼育をして余剰鶏を飼育しているところは逆に珍しいものになっており、急の仕入に対応できるところはほとんどありません。

 

できる時期がわかれば餌付けの準備をして大びなをどこからか、仕入れる必要があります。
大びなが買えないのなら、幼雛から買うのか、中びなを買うのかになりますが、卵を産み収入になるのは最短で140日令頃になるはずです。
130日頃から卵は産みますが、小玉すぎて値段は付きませんから、収入と言えるのは5割産卵前ごろからになります。
大びななら導入して2週間程度で収入を得ることができるでしょうが、中びな、幼雛であれば何十日先の話をするのでしょうか。
そう考えると、鶏を失い無収入になりいくら融資を受けるとはいえ、その返済のために現行の返済と合わせて経営していくことになります。


国の補助もあります。

大びななら1羽900円程度支援してくれます。

でも大びなはその値段で売っているところはありません。
最低その倍、1.5倍と言うこともあります。あくまでも補助です。

差額は1羽ならともかく、1万羽、5万羽となったらどうでしょうか。

単純に掛け算をすると、補助の超過額(自腹額)を試算できます。


そう考えると、鳥インフルエンザの被害は本当に大きいものであり、経済的損失が計り知れないという現実があります。


これは経営者であれば本当に真剣に考えるでしょうが、従事者はどうでしょうか。


そんなお金の話をする経営者はほとんどいません。
お金の話程いやらしいという概念があるのでしょうか。
でも管理をするのは従事者が主になるはずです。
その衛生対策も同じです。


であれば、リスクがあり、遮断するということの大事さ、農場器具の原理原則をもう一度お話しして共有することが大事になります。


でもそれすらできない、気づかない農場が多くあります。


その農場ほど、そんなもの、そんなリスクは高確率で発生しないといった根拠ない自信がまん延しているはずです。


5月までは鳥インフルエンザの流行があるとされます。


今年は昨年より被害数は確かに少ないですが、それは全国的な話であり、発生した農場は多くは鶏を失い無収入になり、融資を受けてお金にならない再稼働までのプロセスを粛々と進めていきます。


この作業は本当に気力との戦いになるといわれます。


そうならないためには、初めからそうならないような方策を作り最善を尽くすに限ります。


今回の事例は、再出発を断念した農場のことではあります。
この農場も断念することにかなり悩まれたに違いありません。
納め先、従業員の生活、周辺の影響、経営者ご自身の財産損失といった多くの負を覚悟しての決断になるはずです。


どうか皆さんの農場も、他人事と捉えて、うちは大丈夫、履き替えは昔は無くて良いのに今は必須とは意味が分からないといった自己中心的な発想を改めてみてください。


そしてそうなっていないか現場を再確認してみてください。


今年は大丈夫かもしれませんが、今年度令和6年はどうでしょうか。
先のことは誰にもわかりません。

でもうちは大丈夫と言うのは何を根拠にしているのでしょうか。


被害にあわれた農場には心よりお見舞いを申し上げます。

物が高いといわれます 生産費は高く応分の負担を求めていますがそれだけで解決できるのでしょうか

2024年4月の食料品値上げは4000品目になり、久しぶりの多い値上げが実施され、消費者も値上げを受け入れざるを得ない状態が続いています。
5月の値上げは約10分の1の400品目になりますが、飲料が多いものになり、これから必須になる食品類に価格改定があるように感じます。


また、あまり知られていないように感じますが、5月使用分(6月支払分)からは光熱費の補助が小さくなり電気は1KWHあたり1.8円程度へ、ガスも1立方あたり7.5円に改定されます。
この期間、電気料金は値上げが続いており補助と相殺して小さいもののように感じさせられていましたが、6月以降は少し負担を感じるようになるかもしれません。
特に今年も平年より気温は高く推移されるという長期予報も発表されており、家庭ではエアコンの使用頻度が上がり翌月の電気料金に狼狽するということもあるでしょう。


その6月は定率減税が実施され、国税3万円、地方税1万円を上限に給与から差し引きをしない形の減税がはじまります。


収入の改善も進んでいるといわれます。
本年令和6年の賃金改定率は平均5%を少し超える程度になったといわれます。中小企業も4%台とされますので、月20万円の収入であれば理論上8000円の上乗せになるということでしょうか。


大きいように感じますが、政府が発表した3月の物価上昇率はエネルギーと生鮮欲品を除いた上昇は前年同月比2.9%、先月2月と比較して+0.1%の上昇とされます。
収入のほうが比率的に高いと感じるかもしれませんが、物価上昇は毎月のように緩やかとはいえ上昇しており、その中の給与据え置きとは言いませんが、今回の改定までは少ない状態で生活をされています。
ですから、月8000円増えたから、買い物かご1杯満杯購入しようとはならないと感じます。


実際、チェーンストア協会が発表した本年3月の売上高を見ますと、食料品は前年比111%増となり、値上げの効果と感じる売上金額ベースでは増えていますが、畜産物は109%と少し控えめです。
詳細を見ると、価格が低い物「鶏肉」「豚肉」が良く売れており、牛肉は鈍く、鶏卵はまずまずというところとされます。


更に見ますと、弊所の購買調査でも鶏・豚ともに海外産の取扱比率を上げており、国産と外国産半々の売り上げのように感じます。
鶏肉では、○○鶏といったブランド名があるものより、国産若鳥の方に手を伸ばす方も多く、外国産モモ唐揚げ用といった用途に適した外国産のほうが人気に見えます。
豚肉も同様の傾向で、国産コマ切れも人気ですが、同じ値段で外国産切り落としのほうが用途にも優れ人気のように感じます。


鶏卵は相場が昨年と異なり前年より下がっているはずですが、販売価格は全国平均価格277円と、昨年8月の最高値302円より約8%程度しか下がらず相場値とは異なる値動きが続いています。

 

消費者の動向についてはライブドアブログに数年前掲載しましたが、購買層は国産に絶対の期待や安全であり安心と言う言葉に期待しているとは限らないという傾向があり、特にこれから消費を支える世代となる若い世代ほどこの傾向があるとお話ししました。今この価格高騰からこのように選択して良い品、安い品を選別しているといっても過言ではないように感じます。


さて、物が高いといわれて久しくなりました。


日本はデフレであり、脱却している過程であるといわれます。
長く物が安く、安定して安いこともあり、日本は賃金が上がらないとしても生活に支障を与えるような経済情勢ではありませんでした。
その時期を過ごした多くの方は、賃金が上がらいからこそこの先の国の経済状況や国力の不安もあるのでしょうか、長らく消費者の財布の紐は固いという言葉が長く聞かれました。


将来への不安もあるのでしょう。

そんな無駄なものにお金をかけないという洗礼された節約方法を会得された方も多いように感じます。


ですが、年齢が上になる世代は好景気であった時代を知っており、また1ドル100円になる、タクシーを乗るのに1万円札を見せて停車させるといった恐らくこの先そんな時代にはならない昔を懐かしむ感じです。


将来の見通しは恐らくこれから消費を担う若い方々のほうが先見の目があり、厳しいと予測されているはずです。
ですが、年齢が上になるほど、まあこの先もそれなりに良くもないが悪くもないという程度に認識ではないでしょうか。


これが消費動向に違いを与えているきっかけになっているように感じます。


年齢が上の人ほど、国産は安全であり安心である。

外国産は何が入っているのかわからず不安である。

だから高くても買うのである。
そう感じる方が多いのではないでしょうか。


一方若い方々は安全性はどちらも同じように感じる、であれば価格が安いほうを選び購入すればよく、広告で安いから国産と言うこともあるでしょうが、外国産に不安があるわけではなく購入選択に十分候補になるというところでしょう。


この要因には、食肉であれば外国産の品質事故がほとんどないということが要因に感じます。


昔は、狂牛病があり、牛乳では品質問題による回収事案、国内食肉卸による産地偽装や国産と称して外国産肉に血液を混ぜ合わせた国産ひき肉といった品質や不公正な加工による商品への信頼低下が多発していました。


だからこそ国産が安全であると信じ、国内で不正加工した肉を販売した業者への風当たりの強い行動になるのだと思います。


これにより、ある程度の歯止めができ、産地偽装を起こすと特に国産は信頼回復するまでの時間が長くなり、事故が報告されない外国産へ置き換わり、わざわざ高額な国産に戻らないという、ある意味当たり前の消費行動が発生し長くこのように時代が進んでいくように思います。


外食でも不祥事はありました。

大手ハンバーガーチェーンの鶏肉消費期限切れ問題では、来店が減少するまでの大きな報道と社会の反応がありました。


ですが、品質に関して改善を図っていること、お客様第一であることを時間をかけて広告し社会が認知していくことで、今ではそんなことすら忘れてしまうような繁盛ぶりです。


これにより恐らくこの会社での品質問題はそう多くないものになり、長らく安泰なものになるでしょう。
つまりは、品質問題が発生したとしても消費者に語り続け信頼を得られる事ができれば、消費は元に戻るということです。

でもそのためには誠実であるという姿を見せる必要があるのです。


では畜産物ではどうでしょうか。


鳥インフルエンザの話題が多かった令和4年は、過去最多の鶏が処分されていきました。
発生の都度、報道は食べても問題はないということを繰り返しています。
その通りだと思いますし、消費者はそこに関心を持っている方は多くないように感じます。
つまり「それはもう知っている」それより、その先の値段や販売数量はどうなのかということです。


1農場の飼育数が多くなりましたので一度に50万羽、100万羽が殺処分され1日当たり50万個、90万個の鶏卵が市場に流れないという緊急事態について、私たち生産者側はどのように考えるのかということです。


多くは生産者が気の毒、生産者側も災難であり気の毒という話題は聞きます。
確かに、挨拶最初に災難でしたねと言うのは自然な会話の流れ方でしょう。

生鮮野菜であれば、天候不良による供給減で高騰することで、消費は減退しますが、キャベツであれば、1玉ではなく、半分、4分の1といった切り売りも可能ですから、消費減退にある程度歯止めがかかります。

でも鶏卵は10個入が6個入りにするは今の流れですが、高いので3個入り、ばら売りという販売も可能でしょうが現実味がありません。

壊れやすい商品なのにばら売りは難しいということもあるでしょう。

 

つまり、1個が28円程度であっても、10個で280円、6個入りで約185円程度の割高ですから、まとまった価格になりますので手が遠のきます。


食品産業であると自認されているからでしょうか、消費者は商品を待ってくれる。

だから時間をかけてでも回復していくという姿勢が多いように感じます。
確かにその通りでしょう。


でも、根本はそこでしょうか。


鶏卵を失いそこからどう対応したでしょうか。
鶏卵が足りない、だから代替卵を使用して販売量減少を最低限にとどめる。

または輸入量を増やすことでまずは加工向けの供給に穴をあけないという企業の努力が多く報じられました。


そして安定した回復まで進みましたが、流通や加工企業は代替卵、鶏卵使用量を少なくしても商品化でき価値ある商品を投入しており、元に戻すためのコストをかけるような費用対効果が得られないというところもあります。


これは正直な感想だと思います。


皆さんでたとえるならば、今まで高い肉類が安くなった。今までは牛肉を食べる習慣がありすき焼きも当たり前のように牛肉でした。
でも比較的安い豚肉もすき焼きにしてもおいしい。

代替品ではあったかもしれないが、この先同じでも家族内で不満は出ないと感じる。
そういう地域もあるのではないでしょうか。


つまり、代替から戻るのに、わざわざ100グラム300円ぐらいの豚肉から800円以上する物に買う機会があっても戻す必要性を感じないということと同じです。


企業も風味や食べ応え等十分検討したうえで商品開発をしており、消費者から元に戻せという声は上がらないからこそ、作業工程を変える費用を負担するまでのメリットがないのです。


実際、西日本地域では、場所によりますがカレーやすき焼き、肉じゃがに牛肉を多く消費する地域も豚肉に置き換える消費者が増えたといわれます。


つまりは代替でも不自由はしていないということです。


消費者は待ってはくれます。

でも代替品があればそこに流れていき、一定数は戻らないと考えるのが正しい経営戦略になります。


鶏卵もこのコスト高、人件費高騰もあり、農場経営も大変だと思います。
その時、鶏卵を1個でも売るためには何ができるのかと考えると同時に、1個でも多く生産をするという姿勢も大事なように感じます。

それと同時に、鳥インフルエンザの発生は本当に天災と呼べるものなのか、設備類の不備、ねずみ、人の出入りの方法からの遮断不良等原因はいくらでもあります。

 

それを疎かにして天災では、少し残念でありそれを伏せて再起を図るというのも無理があります。

実際2年連続発生、過去発生から2回目の再発等遮断したのに再発するという農場もありました。

これは天災かもしれませんが、不備を直して再導入したのに、違う部位に不注意があった等人災に近い物も否定できません。

 

報道では疫学調査の内容まで報じることは見たことがなく、発生したことのみ報じ、農場の苦悩話を取り上げる感じです。

でも細部を見ると、侵入しやすい環境を依然作り続けていた、侵入させるような農場システムであった、不備は直したが人の遮断までは検討しておらず、そもそもそこに問題があった等見えないということもあるでしょう。

 

だからこそ鳥インフルエンザは天災である。

だからやむを得ないのである。

 

そういう風潮ができてしまうと、結局多発した令和4年の大流行では消費者は待ってくれるはずという認識の甘さから、回復まで待つという期待が想定から外れ、輸入し手当てをして自社を守るという姿勢になってしまい販路先を狭めてしまうという悪循環に陥ったと考えることができます。

 

確かに昨年は鶏を失う損失の年でしたから鶏卵相場は最高値350円(東京M規準値)まで高騰しました。

でも国の補助、再開までの融資制度も拡充されており、これを理由とし破綻した養鶏場は1社もなく再開まで進めることができました。

だから生産回復は通常モードになりましたが、輸入卵を購入している加工筋はコロナ回復の途上もあるでしょうが、加熱して使用するためあえて生食可能な国産に置き換えるメリットをこれを機会に見直したということにもなります。

 

国内は、生産が安定しない時代が必ずあり高騰されると、仕入れコストが増大になり、なおかつ生食用優先になり、流れてくる鶏卵が必要量得られないという問題がありました。

でも輸送賃が、冷凍の品質が製品に合わない、国内への影響が等様々勘案し年末だから仕方がない、一時的だから在庫でしのぐ等国内重視の姿勢を示していました。

その中で令和4年の大流行で、どうにもならないからこそ輸入を決断し大きな量ですが国内に仕入れをしたわけです。

確かに鶏卵が安くなれば輸送するコスト、通関し使用するまでの時期の需要変動等時間リスクを想定する必要がなく国内で賄えたいと考えるはずです。

 

そのためには、安定した生産が必要になるということです。

どんなに自社流通であっても必ず加工向け出荷はしているはずです。

破卵・汚れ玉・二黄卵等です。

加工向けは生食向けの余剰品を納める市場ではないのです。

大事なお客様なのです。

大口であり、規格卵ではないが引き取るがゆえ単価は安いのです。

 

では、どう考えるのかと同時に生産側もコストを意識しながら安定した生産活動をしていくことになります。


生産にかかる費用は高産卵のロットも、優れないロットも大きく違いはなく、高額であることは同じです。産む鶏とそうでない鶏の食下量には大きな差はないことは皆さん知っているはずです。


であれば、1個でも多く生産し市場に流通させることで、利益をとっていくことが肝心なように思います。


そのためには、24時間に1個正確に産んでくれる鶏達に報いる管理をする。

鶏に不自由を感じさせない管理をする、基本があり正しい応用がある管理をするといった養鶏の初歩を今一度見つめなおす時期でもあるように思えます。


コストを削減するからそこで儲ける、本当に必要かわからないけど人はたくさんいる方が安心なので採用を強化する。
そんな思いのある農場あるでしょうが、本当にそれが正しいのかわかる時は決算書を作る時、四半期の帳簿を眺めた時にわかると思います。


つまり、数か月先にわかり、間違えたと感じても後戻りできない時期です。


そして余計にコスト増に至り、格安投げ売りしてまずは餌代を支払い、供給停止を免れるといった自転車操業にならないように慎重に検討してください。


業界は応分の負担を消費者に求めます。


それは経営上正しい選択です。

ですが、消費者も選ぶ選択があり、その瞬間候補から外れるというリスクを知ったうえでその選択を行使しているはずです。


でも食品会社であるから消費者は困るはず。

だから元に戻るはずでは、見通しは甘いと言わざるを得ません。


値上げて本当にその商品の真価が問われるわけです。


消費者は値上げを受けれている。

そういう声は多く聞かれます。


その通りでしょう。

消費者側の選択肢は多くはないからです。
そこにあぐらをかいてはこの先の円安、インフレ、人口減少による競争激化に対処はできないでしょう。


そうではなく、値上げしてもこの鶏卵には価値がある、美味しいといっていただける自信がある。加工してこのような商品なって付加価値がある。
そういう、消費者が受け入れる価値があって値上げは受け入れられ、この先も安心した経営ができると感じます。

実際に値上げをして売り上げ減少になる食品は多くあります。

多くは値上げ疲れであるとか、いろいろ言われます。

でも多くは代替品に置き換わり、戻す必要性を感じないということではないでしょうか。

外国ではインフレ圧力は日本以上に高くなり値上げ疲れという言葉をよく聞きます。

欧州は生産側より流通側に権利があることで、不当な値上げであり受け入れられないと、ある外国飲料メーカーの商品を取り扱わないという報道があるぐらい、権利を行使する値上げに厳しいところもあり、実際収入が増えたとしても値上げ分まで十分賄えないという深刻さがあるように感じます。

 

日本はそこまでには至りませんが、既に大手流通店のPB(プライベートブランド)商品のほうが売れ筋になるつつあるといわれます。


大手加工メーカーも令和4年の大流行のような時期に原料仕入れに不安が生じないようなシステムを作るという話題も聞きます。


これはどういうことなのかはわかりませんが、鶏の命がなくなっていくということは、農場だけではなく、その先の消費者にとって不自由しない方策を新しく構築していくきっかけになるのです。


では、値上げて安泰で大丈夫でしょうか。


そこも大事ですが、衛生管理とは何か、コストには適正な値段があるということを知り、それ以上の削減は本当に有用なのか。
もっと掘り下げるきっかけになればと思います。


日本円もだいぶ値下がりしており、本日は158円台まで円安が進みました。

34年ぶりだそうです。


先ほどのように1ドルは100円になる時代は本当に来るでしょうか。ドル計算の題材に100円は計算しやすいですが、実際はもう158円です。

日本国の米ドル適正値は現時点135円程度とされますから、投機的要素があったとしても、安い水準です。


市場介入があるような、ないような話題があります。

輸入に頼る経営である畜産業では、物を買う、餌を買う、エネルギーを使う、素畜を買う時等多くは円の値打ちにより左右されるものばかりです。


これは私たちでどうにかなるものではありません。

個人が円を買う証拠金取引してもたがが知れています。


であれば、値上げでまずはどうにかしていくのも手ですが、それと同時になにができるのか、夏の相場を意識しながら考えてみると、夏以降秋の相場上昇期にきっと良い道筋を見つけることでしょう。

 

鶏卵価格が落ちつき新商品も投入 一方でコスト増の心配も

最近の鶏卵の話題と言えば、「昨年より4割安、加工向け需要戻らず更なる下押しも」といった、鶏卵価格の落ち着きは私たち生産者にとってもうれしいことではありませんが、需要側の低迷による影響の方が実際大きな機会損失になり、結果価格に跳ね返るといった弊害もあります。


このこともあり、まずは消費の回復があり、そして価格が上昇していき収入増加になるといった正しいサイクルに進んでいくことが、養鶏業界発展のためには必要です。

 

さて、最近の加工向け、中食・外食等の業界では、鶏卵の新商品発表が続いており、消費者への認知を広めているように感じます。
しかしながら、鶏卵から代替卵や原料としての鶏卵から変更した商品については、昨年心配した通り戻り(原料を鶏卵に変更する)は悪く、多くは変更コストを意識したことや、商品化できるように配合や製造工程の変更を行い商品としての価値を持たせていることから、消費者からの要望もないこともあるのでしょう、変更はしていません。


これは、鶏卵消費を少しとはいえ失ったことになります。

今後この分野は代替卵や代替品による供給が続きますので、新商品による鶏卵需要に期待するしかありません。


その業界も鶏卵の安定供給もあり春のイベント集客として鶏卵の新商品を発表し一定の集客につなげているように感じます。
例えば、期間限定の丸亀製麺「トマたまカレーうどん」を6月下旬まで販売します。
この商品は、初夏の人気メニューでしたが、昨年は商品提供はなく復活版として提供します。
料理をする俳優とコラボした商品で、カレーとトマト、溶き卵をベースにスパイシーになかにマイルドな卵を合わせたメニューです。


外食向けは、比較的好調に集客をしており安定した状態に見えます。
牛丼チェーン吉野家も親子丼を復活販売しており、鶏卵消費が期待されます。


両社とも更なる集客を目指しており、新商品や人気メニューを再投入して来店機会を作っているわけです。


鶏卵価格が下落しているとはいえ、通常時期の鶏卵相場よりも高いこともあり多くの養鶏場では経営の風向きは追い風とも言えるでしょう。
飼料価格が低下していることも更なる追い風になっていると思います。


一方、コストの増加も気がかりではないでしょうか。


配合飼料価格は今期は前期より値段は下がってはいますが、多くは1トン9万円台前半と言ったところかもしれません。
一時期は10万円を少し超えるぐらいの値段でしたから、幾分ですが下がり負担は和らいでいると思います。


この先もコーン相場の低迷も続くと思われますが、輸送コストは上昇していくことでしょう。


また人件費の上昇も大きくなっていると思います。
昨年10月最低賃金改定があり多くは30円以上の時給上昇になっているはずです。
また折からの人手不足や国が推進する賃上げ風潮もあり今年から賃金を大きく改定する企業も多くなっています。
これは、養鶏産業は無関係と感じる方も多いかもしれませんが、労働者側からすれば賃金が高く働きやすい企業が周辺に増加したということを意味しており、まずはそこから職を探していくという流れになります。
そしてそこが難しければその次の候補と続き、それも難しければ仕方がないので畜産業と言うこともあるでしょう。


コストを意識することはとても大事なことです。

ですが、度を超えるコスト削減は悲劇しかありません。


多くの養鶏家が取り組みした餌削減対策は、うまくいった場合もあれば失敗しどうにもならないという農場もあります。

特に3年前からは特に取り組む農場が増えていったように感じます。


餌代を削減でき、コスト削減に一番効果的であり近隣の農場から指導を受けて取り組みを始めたものの、鶏舎の構造や風の通り方といった立地、管理の手法が異なることもあり、何等かおかしいと感じても対処ができず、生産数量を減少させ、個卵重も低下し規格外が増えていく弊害も散見されました。


ですがこれを異常と認識できればまだ良いのですが、それすらわからずこんなもの、鶏が悪いから仕方がないといった原因究明ができない農場もあります。


今年度は昨年から言われていますが、鶏卵相場の上昇は大変緩やかになっています。


この要因にはご存じの通り、生産回復が通常モードに入ったことが要因です。

それに加え加工向けの需要回復が遅延していることもあります。


また、食品価格の上昇もあり鶏卵の購入機会も以前とは異なる状態でもあります。
当分続くものと言われますので、適正な生産をお願いするという業界文書が既に発出されているわけですが、皆さんの農場はどのように取り組まれていくのでしょうか。


鶏卵価格が落ち着き、加工筋の決算は総じて良好でした。

これは仕入れ価格が下がったことで利益が確保できたことが要因です。
ですが、仕入れ価格が増えたので増量して仕入れているのかと言えばそれは別の話になります。


必要量を、適正に仕入れるわけですからシビアなものです。


輸入鶏卵が増えたこともありますが、安定した商品供給のために十分な仕入れを事前に行っており年末のような急いで仕入れるという手当と呼ばれる行動の必要はないため、この先もまだ時間がかかるかもしれません。


また来週からは大型連休が始まり、加工向けは既に手当てが済んで今の相場値になっています。


人が動きますので、流通店舗も積極的な仕入れはしないと見られます。
となりますと、連休明けの鶏卵相場はどうなのかということになります。
夏相場への入り口は、多くはこの連休明けから始まります。


そうなると、廃鶏をどうするのか、コストはどうするのかという話題が6月頃には出るかもしれません。


6月は勤労者向けの減税が実施されます。

数万円の減税となるようですから、夏は美味しいものを食べる、少し豪勢な旅行を計画する、買い物を増やして子供や孫を呼ぶという所もあるかもしれません。


その時、鶏卵は消費される方々から見てどのような立ち位置になるのでしょうか。


美味しいもののそばに鶏卵があるのでしょうか。

それとも夏が需要の減退期に入り、例年通りの鶏卵になるのでしょうか。


ただ、鶏卵が安いということは、外食向け、加工向けは仕入れる対象になるということもあります。
相場が安いことはいつもの夏のことかもしれません。


そこにコスト増という意識から、自身の技量を超えた取り組みから収拾がつかないということにならないように十分な注意をして取り組みをしてください。


餌は経営コストの6割を超えていることは皆さん知っていることですが、これを目標5割、4割まで下げるという無謀なプランにならないようにしてください。


最近の鶏は先に鶏卵を産み、餌不足からガクッと産卵率が下がるということもあり、異常として認識する頃はすでに1割、2割産卵減覚悟ということもあります。


それに加えての初夏の猛暑も心配です。

そこに鶏卵相場の通常化と言う収入減少が畳み掛けます。

 

この先も、不安な経営が続きますが、では少しでも安心できる経営になるために皆さんは何をしていくのでしょうか。
そのためには、方法論だけで十分なのでしょうか。
その中に人はどの立ち位置になっているのでしょうか。


昨年は高相場であったこともあり養鶏業の廃業は少ない時期でした。
今年は既に公になっているもので1件確認されています。

まだ予備軍とされる農場もあるようです。


そして例年相場と高コストに経営者のみならず、従業員皆さんで知恵を絞る時期に入るのかもしれません。


外食産業が鶏卵を使用している話題で満足されず、使ってくれているこの時期こそ次の一手を模索し行動してみてはいかがでしょうか。


明日からIPPSが名古屋で開催されます。養鶏設備が展示され、アニマルウェルフェア等次の経営参考になるセミナーも開かれるようです。

農場HACCP認証の相談会もあり、衛生管理の向上から鶏卵個数の減少を防ぐ取り組みの参考になる方法もあると思います。


皆さん思い思いの大型連休を迎えることでしょう。
そして、その先を早く見つけるそんな5月を迎えたいと思います。