nogutikusan’s diary

畜産と共に歩む20有余年、今の養鶏の課題や考えをお伝えします。 のぐ地久三事務所養鶏部公式ブログ

鳥インフルエンザから被害をなくすために 養鶏場での対策を確認してください

10月も下旬になり、鳥インフルエンザ講習は防疫措置を確認する県職員向けが多くなり、被害が広がることがないような対策を再確認しているように見えます。 19日には千葉県や山梨県富山県で県職員や畜産関係団体が参加して処分の方法や防疫服の着用方法等を確認しています。 このうち富山県の講習会では、にわとりのぬいぐるみを使用して重さを感じる実践に近い研修を今年も行われているようです。 さて、その鳥インフルエンザも心配される時期になり今月4日北海道ではハシブトガラスから高病原性鳥インフルエンザの検出が確認されています。 亜型はH5N1で昨年から続く型が検出されています。 12日時点の農林水産省発表の野鳥からの検出はこの1例のみですが、既に環境省は死亡野鳥等調査を強化した対応レベルは2(早期警戒期間)として検出作業を進めています。 農場でも野鳥の糞便を見ると思います。 もしかするとウイルスが含まれているかもしれませんから、無関心ではなく、その糞便を踏み付けて作業員が歩き、どこに向かうのかと考えて農場周りの消毒(消石灰)散布をするといった、先を意識した管理をしていきましょう。 そして、農場内で野鳥の死骸を発見した場合素手で触らず密閉度の高い袋に入れて処分方法等を市町村役場に連絡してください。 北海道の担当者は「養鶏場にハシブトガラスを近づけない対策が重要」と言います。 また、道内で70万羽が殺処分された養鶏場責任者も「カラスに厳重注意する旨全農場長へ通達した」と言います。 今年は、ハシブトガラスに対した警戒対策を聞くようになりました。 昨年度の野鳥からの検出のうち、5割はハシブトカラスの感染でした。特にハシブトガラスは肉食性(雑食性)であるため、保菌し衰弱した野鳥を食べて感染したとも言われ、肉食による影響があるのではないかとされます。 渡り鳥が去った春先でもしばらくは検出され続けていることもあり、弊所の獣医師は国内で静かに感染し続けているのではないかと見ています。 実態はわかりませんが、ハシブトガラスは農場周辺で見る野鳥の1つでもあり感染リスクを持つ可能性もあることなどから今年は昨年以上に意識されています。 実際鶏舎内にハシブトガラスが侵入することはまずありません。鳥インフルエンザの多くは何らかの経路や媒介をして侵入しているとみるべきでしょう。 ねずみかもしれませんし、猫といった動物もあるでしょうが、人が媒介するのではないかと意識することも大事です。 人は鶏に一番近い場所まで関わる事ができ、ねずみや猫と違い、感染させないという信頼度も高いことから、人はあり得ないと見られがちです。 でも鶏舎に入る時、その長靴、手指消毒の有無といった大事な遮断方法を確実に守っているはずという前提での信頼度の高さなはずです。 では、本当にそうなのか、鶏舎を見て確認するしかありません。 人が多く働く養鶏場では人の意識はまちまちになりがちです。 十分にその重要性を話しても通じないということもあるでしょう。 その要因を知り、皆さんの農場の危害を再度分析してみてください。 野鳥の糞便を踏むリスク、鶏舎出入り口で遮断できているのかということ、人の行動から見えるリスク等 堆肥舎の金網の有無やそこに立ち入る作業者の靴はどこに向かうのかという意識と交差汚染。 ゾーニングとも言いますが、人の流れを可視化して検討することで危害を察知して改善するという方法もあります。 闇雲に消毒するのも良いでしょうが、人の流れから遮断できる方法を模索すると作業員の方の業務負担を小さくすることもできます。 器具にお金をかけることも良いでしょうが、大事な点は1つで「作業が簡便である」ということに尽きます。 簡単にできるような仕組みを作ることで、作業の漏れをなくし、危害を遮断できるという発想が一番の効果を持ちます。 履き替える・汚染エリアをなくす・汚染しないような歩道を作るといったことです。 是非考え検討してください。 当たり前に畜産現場上空を飛来しているハシブトガラスは、今年は危害の要因とみている農場もあります。 では皆さんの農場ではそのカラスは危害でしょうか。 その点から考えてみましょう。そしてその先の方法まで将来像を描いてみましょう。 きっと農場で出来る方法を思いつくはずです。