鳥インフルエンザの発生が続いており 全国的に広がりを見せています
18日農林水産省は新潟県と鹿児島県の養鶏場で鳥インフルエンザの疑似患畜の確認をしたことを発表しました。
国内では10例、11例目の発生となります。
■鹿児島県出水市の採卵鶏農場12万羽飼養では、17日農場より死亡羽数が増加している旨通報があり、簡易検査では陽性であり遺伝子検査を行った所18日高病原性鳥インフルエンザの疑似患畜であることを確認しました。
この後殺処分が開始されますが、処分先を同一敷地内に埋却する方向で防疫措置を進めていくことにしています。
この影響で、半径10キロ圏内には107農場があり500万羽に影響があるものとされます。
今回の養鶏場では7日ナベヅルからインフルエンザが検出されておりその検出地点から3キロ圏内にあり、当初異状は確認されていませんでしたが、今回このような事例になりました。
因果関係は不明ですが、今後疫学調査の結果が待たれます。
■新潟県阿賀野町の肉養鶏場15万羽飼養とその関連施設新発田市の6000羽が対象となります。
経緯を見ますと、17日阿賀野町の農場で死亡が多い旨通報を受け簡易検査を実施したところ陽性が判明し、18日遺伝子検査を行い高病原性鳥インフルエンザの疑似患畜であることを確認しました。
これにより本年度は現時点242万羽が殺処分となる見通しで最初の発生10月28日から約3週間で10農場1施設に被害が発生しています。
発生地域は全国的に広がり、地域による偏りはありません。
野鳥の検出も増えており、17日現在確定しているのは29例となり、全国広い範囲に検出が見られ増え続けています。
その他、疑いがある事例(現時点で遺伝子検査による確定診断待ちのもの)では、H5であることが確認されています。
秋田県大館市のオオハクチョウで高病原性について確認中です。
山形県鶴岡市のオオハクチョウで高病原性について確認中です。
数日おきに家畜保健衛生所より、たよりが届いていると思います。
必ず目を通していただき、皆さんの農場への衛生管理向上になるように進めていただきたいと思います。
繰り返しお話ししていますが、本年の鳥インフルエンザの発生は、昨年や大流行の一昨年を超える発生が見られます。
野鳥と農場への感染ははっきりしないものの、野鳥の検出がその後農場への発生につながる事例は過去から多く見られますので、野鳥が悪いではなく、
野鳥がウイルスを保菌している可能性があるあるからこそ、農場で遮断できるような方法を今一度考えていく機会になっていると捉えるべきと思います。
ウイルスは空中を浮遊して鶏舎に入るということもあるかもしれませんが、まずは人が鶏に近づきますので、その対策を考えるということ。
小動物が鶏舎に入り広げる可能性もありますので、その対策を行うということ。
そもそも鶏舎に野鳥が侵入できる環境ではないこと。
このように分けて考えると、それぞれの対策が見えてきますし、必要な処置が想定できるはずです。
そして、その作業を継続して行うように作業員の方々に教えていただきたいと思います。
近年は外国人技能実習生を多く雇用されていることと思います。言葉が通じないから日本語での会話が面倒で大体教えるでは、大事な鶏達を守ることができません。
ハードを整えても、多くはそれだけでは解決できていないのが、この鳥インフルエンザでもあります。
多くの発生農場は野鳥が入らないとされるウインドレス鶏舎です。
そして敷地入り口にはゲート式で整備した車両消毒もしています。
鶏舎の出入り口には踏み込み消毒があり、履物を変えて手指の消毒もして作業しています。
ですが、発生しています。
つまりこれだけでは見えない欠陥が存在しているわけです。
この中には人に関する防疫が含まれていません。
車両は消毒したが人はどうなのか。(特に履物はどうしているのか)
ウインドレスですが、出入りに際し扉が開いているあるいは隙間があり鳥ではなくても小動物が入る余地があるのか。
踏み込み消毒はあるが、強アルカリの敷地を歩いて、その履物で酸性の消毒液に踏み込むとしたら、それは適正なのか。
またはそもそも濃度は適切なのか、あるいは踏み込んでいないのか。
こう考えていくと、ハードは整えているが、ソフト面にまだ改善の余地があるともいえます。
もう一度農場の中を見てみてください。
まだ油断はできない時期になっています。今からでも出来ることをしていきましょう。
そして、鶏達を守り来年を迎えていきたいと思います。