nogutikusan’s diary

畜産と共に歩む20有余年、今の養鶏の課題や考えをお伝えします。

夏の暑さ対策ミッドナイトフィーディング 養鶏の基本

梅雨が明けますと、夏本番。例年猛暑と呼ばれ鶏もつらい状況ですが、管理される方も大変かと思います。


暑熱対策、軟便から来るハエの発生、生産性の低下と秋口からの卵重の増加対策・・いくつも課題が見えてくることでしょう。


夏は暑い、だから仕方がないではなく、暑いから何かできることはないだろうかという発想で、年々厳しくなる夏をどう乗り切るのか考えて見たいと思います。


この数年、夏は猛暑と呼ばれるくらい、大変暑いといえます。
私は、千葉の北東部で海からの風で暑さを和らいだ地域で・・と言いたいのですがやはり猛暑で35度を超えるような日も珍しくありません。


特に関東平野の方は報道にもあるように「○○市は39.4℃となりました」というナレーションもよく聞きますから、大変ご苦労されていることとお察しいたします。


鶏は寒さには強いのですが、暑さには弱いのです。


また、汗をかきませんので体温を下げる方法には限りがあります。

 

 

夏の鶏がする仕草について「成鶏更新空舎延長事業が再発動して」5月26日発表をご覧ください。

 

ですから、水を飲み体温を下げます。エサ摂取量が少ないうえに水分を多く摂取することで、軟便となります。


一般に餌と水のバランスが4倍(餌100g摂取に対し水400gを摂取した場合でバランス4倍といいます)となると、軟便が見られます。


通常は2倍(餌100g摂取に対し水200gを摂取)が標準的なバランスになります。


水量計がある場合このようなバランスを見ることが出来、鶏舎が暑いのか、寒いのか、給水異常なのか見極めることが出来ます。


水量計がない場合は鶏の「そ嚢」に入る餌と水の量のバランスを見ることが出来ます。
見極め方として、成鶏の場合最終給餌後の4~5時間後を目安として、握りこぶしくらいの大きさで、柔らかくやや弾力性を持った状況であれば概ね良好であると言えましょう。


固い場合で、砂状の場合は飲水量が少なくエサへの執着が強いために給餌不足があることが予想されます。給餌時間や給餌量を確認する必要があります。


夏季の場合は水分がほとんどで水風船みたいな状態ですと、エサが少なく暑さ等鶏舎環境の見直しが必要です。


このように鶏を触ることでその状況を見ることが出来るのです。昔は水量計がありませんでしたからこのような状況判断をしていたのです。
しかも精度が高く判断材料として最適です。

 

軟便についてですが、実際鶏舎に伺うと、通路は鶏糞が流出しハエの幼虫が右往左往しており、夏季の管理は大変なのだなと感じます。


このため、鶏に風を当てて少しでも涼しくする工夫をします。しかし外気温35℃の時は、鶏舎も32℃、33℃とやはり高い状態です。直射日光が当たらない分温度が低い程度で、


やはり暑いのです。

ですからパウンディング(はあはあ息をする仕草)することで、吐き出す息を蒸発させて涼しさを求めます。


この仕草が長く続くとカルシウムの流出が発生するため、鶏卵の殻が薄くなったり、骨軟化症を発症したり、場合により体温が下がることないため意識が混濁し死んでしまうこともあります。


鶏の最後の仕草ともいわれ、この状況が見られる場合は暑いんだなと感心せずそれ以上進行しないように対応していただきたいものです。

 

エサ摂取量も下がります。餌コストも下がりますが、生産量も下がります。卵重も減りますから、重量も減ります。


やむを得ないところですが、暑い時間の給餌を見合わせたりすることも一案ありますし、私自身は餌を霧吹きで薄っすら湿り気を与えると、鶏の習性でしょうか、珍しいものに反応し餌を摂取していきます。

しかし、餌を残してしまうとカビが発生したり、餌箱が固着したりと弊害もあります。状況を見ながらの方法ですので、参考程度にご覧ください。


一般的に「ミッドナイトフィーディング」を活用される方も多いと思います。日中より涼しいであろう夜間に給餌を行うものです。


この方法にはマイナス面もあります。それは点灯時間を元に戻す方法を間違えないことです。


鶏は30分から45分程度の消灯であっても前後2時間以上の点灯がある場合、鶏は消灯していないと感じるという論理です。


ですから、消灯後の再点灯までの時間はどうするのか、夜間点灯後の消灯から次の日の点灯開始時間までは何時間あるのか見極める必要があります。


これを消灯から点灯する逆の発想に活用したものです。

 

暑さが幾分か和らぎ餌摂取量が上昇に転じ始めた頃(お盆の頃あたりから、朝晩の温度差が大きくなり始めます)からエサが増えていきます。


エサが増えると、幾分か産卵が増えてきますが、日齢により産卵個数でなく、重量に変化を示す場合もあります。

このため日齢によっては上昇時の対策を講じることで、鶏卵重量を緩和できる可能性があります。しかし判断を誤ると生産量を下げてしまい、結果産卵個数の減少と鶏卵重量のみの上昇とマイナス結果となることもあります。


その判断は経験が必要です。


その他、吸血昆虫の増加もこのころから見ることが出来ます。被害にあわれている方は心配な時期かもしれません。

 

夏は暑いから何もできない。
確かにその通りですが、その出来なかった対策が秋口の摂取量増加と共にマイナスを運んでくる場合もあります。


そのマイナスは秋を過ぎて冬まで引きずることもありましょう。

 

夏の管理は難しいものです。何か手を打てるものがあれば良いのですが、どうでしょうか。