nogutikusan’s diary

畜産と共に歩む20有余年、今の養鶏の課題や考えをお伝えします。 のぐ地久三事務所養鶏部公式ブログ

香川県で高病原性鳥インフルエンザが発生しています 全国で散発的な発生が続いています

香川県は、10月31日観音寺市の採卵鶏農場(4万羽飼養)で高病原性鳥インフルエンザが発生し、防疫措置を開始しました。 香川県によれば、10月31日農場主から家畜保健衛生所に死亡羽数の増加がある旨連絡がありました。 同日中に立ち入り検査を行い、簡易検査を実施したところ検体13羽中11羽に陽性であることを確認しました。その後東部家畜保健衛生所にて遺伝子検査を行い、その結果で鳥インフルエンザであることを確認し、1日午前6時45分より防疫措置を開始しました。 措置状況は1日正午現在4万羽のうち約7000羽が殺処分されています。 殺処分は3日午前中に終了する予定で、本日埋却地の溝堀を完了しています。大きさは幅8メートル、奥行き約25メートル、深さ4メートル(600立方メートル)となり、処理量は89トンの予定です。 早ければ明日2日午前11時ごろより、鶏の搬入と埋却を行うと発表しています。 この発生により半径3キロ圏内に87万羽、10キロ圏内までには257万羽が制限をうけます。県知事は農林副大臣に対し「被害を最小限になるよう支援を願いたい」と発言しています。 国内発生は3例目になります。その他岡山県で発生した鳥インフルエンザでは、殺処分が本日1日午前1時24分に完了し、焼却作業をしています。進捗率は13.5%(1日15時現在)となり、現在汚染物品を鶏舎の外へ搬出しています。制限区域内にある農場の鶏卵は10月29日から出荷が再開しています。 恐らく3キロ圏内については、区域外への鶏の搬出はもうしばらくは待機状態かもしれません。国が保管することで餌代の補填があると思いますが、まだご苦労が続くことと存じます。北海道での防疫措置は10月31日午前8時に殺処分が完了しました。令和4年の採卵鶏は21万羽、肉養鶏は17万羽がそれぞれ防疫措置となりました。例年より早い発生となっています。この先も例年発生しやすい時期にさしかかっておりますので、油断ができない状況です。 発生規模的には2020年の987万羽を超える可能性も十分にあり得ます。そんなことはないと信じることも良いのですが、相手は見えないものですから断定もできません。であればできるだけの対策を講じて予防していくことがとても大事なことです。 多くの農場では建設協会の方々や農協職員の方々等多くの方の協力があることで防疫措置が進んでいきます。被害があれば迅速に対応していくのだから仕方ないと考えるのか、仕方がないにしろ、それは当たり前のことではありません。 この仕事は殺処分されていく鶏の悲鳴や殺処分の姿は好き好んでその業務にあたる方はいません。農場の方はその作業に協力はできませんから仕方ないという方もいます。ですが防疫措置をしている県職員の方や自衛隊員の方々の協力があることで円滑に進んでいきます。短時間で防疫措置が完了できにくい傾向が多くみられます。それを遅いとか、殺処分は意味がないという意見も聞きますが、世界的に見ても感染拡大を防ぐ唯一の方法でもありますし、できれば短時間で完了させたいとしても農場の規模が大きいため円滑に進んでいけないことも見られます。 だからこそ衛生管理が十分でなく人災的であれば、農場は協力できないのだから仕方ないとは言えません。よく農場職員も参加させるべきという意見も聞きますが、汚染源に近づけることのリスクが高くそのようなこともできません。ですから防疫措置とその汚染を広げない措置をしながら24時間のうち3ローテーション制で作業に当たる方々なのですから、その作業について理解をしてそして、そうならないように日々努力していくべきと感じます。鳥インフルエンザの発生を防ぐには、汚染源を農場に入れないように交差汚染を断ち切ること、鶏舎と外の区別をつけるように履物や手指の消毒、衣服を変えることで汚染を断ち切る、ネズミ等の侵入防止と駆除という姿勢が必要です。 見えないものだから、こんなものでいい、そんなこと意味がない、そもそも見えないのだからめんどくさいという姿勢では、今日は安心でも明日はわかりません。少しの甘さが呼び水となって鶏舎に入り込むことも十分にあり得ます。後から後悔しないような管理をしていきましょう。 その少しの手間を惜しむことで、あとから後悔しても何も改善できませんし、そもそも後悔しても何も変わりません。人は「喉元過ぎれば熱さを忘れるではないですが、その時は熱心でもすぐに冷めて忘れて、手間を惜しむ姿勢に戻っていきます。だからこそ教育をして理解をしてもらい、それを持続していくことをしていくしかないのです。 11月になりました。例年はこの時期から本格的に発生をしていく時期でもあります。繰り返しますが、例年以上の発生が予想されています。今からでもできることをしていきましょう。