nogutikusan’s diary

畜産と共に歩む20有余年、今の養鶏の課題や考えをお伝えします。 のぐ地久三事務所養鶏部公式ブログ

鳥インフルエンザの発生が確認されました 令和5年度最初の発生となります

佐賀県は25日、鹿島市重ノ木の採卵鶏農場から高病原性鳥インフルエンザが検出したと発表しました。 このため県は採卵鶏4万羽を殺処分とすることとし本日午前9時より開始しています。 県によれば、昨日24日午後3時45分同採卵鶏農場より通報を受け、簡易検査を行い陽性であることを確認しました。県は対策本部会議を開きこの先の予定を確認し、中部家畜保健衛生所において遺伝子検査を行い確定を待つ状況となります。 農場概要によれば、鶏舎10棟の農場のうち2棟で死亡羽数の増加があるという旨通報があります。 24日23時中央家畜保健衛生所での簡易検査2回目でも陽性が確定し、遺伝子検査を実施し、その結果を農林水産省へ報告します。 本日25日午前9時高病原性鳥インフルエンザの疑似患畜(H5亜型)決定となります。 このため、殺処分を9時より開始、発生農場から半径3キロメートルの家きん・卵の移動禁止、10キロメートルまでについては搬出を制限することとなります。 4万羽規模ですと順調にいけば数日で殺処分は完了し、残置物の除去と消毒が進んでいくと思います。いずれにしても関係機関の方々のご尽力のおかけで進んでいきますので、私たち畜産農家は発生したから「大変だ」ではなく、野鳥感染の話題がおこれば高確率で農場感染の話題が出るということを改めて知っておく必要があるでしょう。 今回の事例では野鳥からの感染報告がない県での発生となり、皆さんご存じのことと思いますが、野鳥検出がないから感染リスクがないということはあり得ないという事実があります。全国的に渡り鳥は飛来して羽を休めています。恐らく国内の野鳥も静かに感染機会がおこっていると言われています。これは渡り鳥が飛来したからなのか、既に国内野鳥間で感染が続いているのかわかりませんが、問題はその感染が何を媒介して農場まで到達したのかという点です。 野鳥を鉄砲で追い払うことはできません。ですから農場敷地内にリスクが上空から落下しておりそれを踏みつける人なのか、捕食する動物なのか、小動物なのか、両方なのかと考えて遮断する方法を今一度確認してください。 九州地方の発生だから次の発生も九州とは限りません。多くの事例では次は西日本や東日本と遠い地域で発生することも珍しいことではありません。昨年同様全国各地で被害発生を聞くこともあり得ます。 鶏卵相場が安くなったから、上昇する機会になるという声も聞きますが、本当の被害は全国膨大な鶏達が処分され鶏卵が不足しその代用に代替卵や輸入卵の増加というシェアの変革を起こして販路が小さくなるという業界全体の損害があるということまで視野を持っているのか、農場や業界全体で考えると他人の農場だから無関心ではなく、明日はどこの県で報告が発生するのかという、結果消費者サイドの離れによる弊害を意識してください。そうすることでどのようにうちは対策を講じていくのか、もっと本腰を入れて考えるきっかけになるはずです。11月も下旬になりました。昨年、一昨年ともこの時期から来年初春まで話題が続く季節になっています。養鶏研修に参加いただいた皆様方におかれましては、その研修での想いを思い出していただき明日からの農場衛生管理にもう一工夫を考えていただき、繰り返しの衛生管理にはなるでしょうが、継続は力なりとも言います。できることを最大限毎日繰り返していただき被害ないようお過ごしください。また被害にあわれた農場の皆様には心よりお見舞い申し上げます。そして防疫措置に当たられている関係者の方々には大変ご苦労が続くことと思いますが、被害が広がらないよう迅速な措置にご尽力いただければと思います。季節は冬に向かいます。今週から真冬のような気温に低下していくという予報も聞きます。皆様も農場経営を心配する真冬に向かっていることを再確認いただきご努力をお続けください。