nogutikusan’s diary

畜産と共に歩む20有余年、今の養鶏の課題や考えをお伝えします。 のぐ地久三事務所養鶏部公式ブログ

鳥インフルエンザに警戒を続けてください 国内10例目が発生しています

12月31日愛媛県西条市の養鶏場でH5亜型の高病原性鳥インフルエンザと確認され13万羽が殺処分されます。
国内では既に今回を含め50万羽程度が防疫措置の対象となりました。


昨年は千葉県での大規模(1農場100万羽)発生もありましたが、例年の散発発生が続いており警戒が必要です。
愛媛県では県職員等260名が措置にあたります。

同時に周辺道路の消毒も行い拡大を防ぐ処置をしています。


愛媛県での発生は初めてとなり、鳥インフルエンザは小規模養鶏団地というイメージではありません。

全国関係なく被害にあう可能性があります。


昨年と違い同一地域での連続発生は見られませんが、移動車両や人の動き、小動物を媒介した感染等油断ができないことは皆様ご承知の通りです。
周辺を始め皆さんの農場でも消石灰による消毒を強化されていることと思います。

 

島根県家畜病性鑑定室が行った消石灰の効果は、高アルカリ性であり不活化されるとみられるが、ペーハー12程度以下では十分な不活化効果が見られないという成果があります。
このためにも、野外での高PHを維持するためには定期的な散布が必要になるとされます。


皆様もご存知の通りで作業をされていることでしょうが、屋外は長い期間の維持は困難であることもあり今回の発生から散布頻度の見直しされることも必要になるかもしれません。


なお、消石灰有機物によって消毒効果が低減しにくいことは皆さんよく知られていることで、弱アルカリ性程度の家畜糞で汚染された場所に消石灰は有効とされます。
鶏舎周辺や、堆肥舎等野鳥との接点がある場所での使用も予防的観点からは必要なことです。


消石灰を散布し30分間程度で鳥インフルエンザは死滅したとされる試験があります。

ですが濃度やPH地により必ずしも効果が認められない場合もあります。
ですから消石灰を周辺に散布し散水したから高PHになり持続すると言うわけではありません。


特に足踏み消毒槽に消石灰を溶解した場合はこのPHにも意識をしてください。

 

野鳥の飛来が多いこの時期、ハクチョウのような渡り鳥が全国見られるようになりました。
環境省の野鳥から検出されるインフルエンザウイルスは全国広い範囲で採取されています。
北海道から鹿児島までの地域で日本海側というイメージですが検出外から陰性ではなく調査対象が少ないため陰性と見るべきです。


既に発生した農場の周辺では埼玉県、広島県の発生を除き移動制限が解除され農場活動が平常化しています。


昨年のように同一地域での散発は現在までないものの安心はできません。


3月までは続いた鳥インフルエンザは、決して寒いから、小さい農場だけしか発生しないからということはありません。昨年から本年春先まで続いた鳥インフルエンザでは大規模50万羽や100万羽規模での発生も多く見られました。


皆さんの農場での衛生管理が発生を防ぎ周辺への移動制限といった活動を止めることを防ぐことができます。


まだまだ油断できませんが、どうか出来るだけの防疫措置を講じて新しい年を迎えていきたいと思います。