nogutikusan’s diary

畜産と共に歩む20有余年、今の養鶏の課題や考えをお伝えします。 のぐ地久三事務所養鶏部公式ブログ

野鳥から鳥インフルエンザの疑い 静岡県で検出しています

静岡県新居町で見つかった野生のマガモ1羽の死骸から、A型鳥インフルエンザが検出されたと発表しました。 現在、国の検査機関で遺伝子検査を行い数日中に亜型や高病原性鳥インフルエンザなのか確定する見込みです。 22日より野鳥監視重点区域に指定されたことにより県は巡視を強化していくことにしています。 現在、野鳥からの検出が続いており国内ではすでに6例(神奈川、宮城(2例)、福井、北海道、新潟の各道県)の検出となり、渡り鳥の飛来も確認されつつあります。今回の事例が確定した場合は7例目となる見込みです。 例年以上の発生数増加が予想される中、皆さんの農場も対策を進めていただきたいと思います。 地図を見ますと北海道(道東)と南東北から中部地方と東日本地域が多くみられます。 亜型は全てH5で確定されており、今回の静岡県次第ではさらに増えていくのかもしれません。 現在養鶏場での被害は確認されていません。 例年11月になると話題が多くなりますが、今年は9月の神奈川県からの野鳥検出から始まり、例年より早い話題となっています。 その後鳥の検体から、糞から検出されており、触れる可能性がある自動車のタイヤ、長靴といったものについては以前より消毒をされていることと思います。 この先は、この作業を確実に行い鶏舎の長靴と履き分けて交差汚染を意識していきましょう。 車両全体を消毒すべきなのかというご意見も聞きます。 その理由に車両消毒ゲートのような高額機材を導入することに躊躇しているようで、できれば最小限にして十分な効果を期待しているかもしれません。 ではどう検討するかといえば、まず法令はどう定義しているのかということから検討します。 飼養衛生管理基準では、農場に入退場する際には車両を消毒するよう定めています。また車内での交差汚染を防ぐためにフロアマット等を使用して防止する措置を講じることとしています。 つまり、ゲートのように車両全体をかけなさいとは言っていないということです。 重点箇所としてタイヤは必須としているので、ここが十分に散布できることが必須です。この理由としてタイヤが道路上でのウイルスを付着して農場に入ることのリスクを想定しているということです。 では車体はどうかと言えば、車体は消毒しないよりは実施したほうが良いでしょうが、それよりも大事な箇所として、タイヤと車内での交差汚染対策が必須です。 車は衛生管理区域に入り所定の位置に停車してそれ以上の汚染は広げないとも言えますが、人はそうもいきません。 所定位置から徒歩で管理事務所等へ歩きますので、更に汚染を広げていきます。その間に従業員の方と交差すればその方も汚染されるとも言え、危険性はさらに高まります。 そう考えると、大事なのは車体なのかと考えれば、必ずしもそこではないということが分かります。 つまり、高額な機材を導入するより電動式のほうが利便性が高いので導入すべきですが、手動でもよいのでタイヤ全体が確実に消毒液が吹き付けることができる機能があればよいでしょう。 私自身は農場に伺う際にはできるだけ手動式ではありますが、携帯して機材ではかかりにくい箇所を手動で追加消毒をしています。 見えないものだからこそ十分に実施したいものです。そして、フロアマットでなくても、新聞紙でも良いので、車内で交差汚染を防ぐような対策も必要です。 何らかの知恵を絞るとよいアイデアが生まれます。機材はそのアイデアを出す代わりにお金で解決するものです。 時間がなく、見栄えが良いという基準では機材を導入するほうが良いでしょうし、そうではない場合はアイデアを出して既存の機材を活用していくことも十分なのです。 一番悪いのは、簡単で自動で、何も考えないという姿勢です。 相手は見えません。消毒器は衛生管理区域入り口には設置することが法令で決まっておりこれを覆すような知恵はいりません。 大事なのは、法令の通り設置し、その消毒が大事であることを認識していくとおのずと手段が決まるということです。 10月も終わり、本格的な冬が訪れます。 例年鳥インフルエンザの話題が聞かれる時期になります。すでに多くの県では消石灰の配布が始まり、警戒度が格段に上がっています。 その流れに逆らってまで、まだ安心であり近隣が発生したら、家畜保健衛生所から指示があればよいではありません。 見えないものだからこそ、今からでも対策を講じていくのが皆さんの農場や従業員の方の意識を高めます。