nogutikusan’s diary

畜産と共に歩む20有余年、今の養鶏の課題や考えをお伝えします。 のぐ地久三事務所養鶏部公式ブログ

会社更生法適用中のイセ食品にスポンサー契約締結がありました

3月に会社更生法決定をうけたイセ食品は、25日SMBCキャピタル・パートナーズとスポンサー契約を締結したことを発表しました。 これによりグループ13社に対し出資し過半数の株式を取得して、事業運営や更生計画を進めていくことになります。 イセ食品はこれにより4年程度で会社更生手続きを完了させる見通しであることを表明しています。 なお、支援額に関しての公表はありません。 この他、事業再生コンサル会社 経営共創基盤(東京)も支援に参加することを発表しています。 グループ13社には、会社更生手続きしているイセ食品(東京)と、伊勢農場(三重県)の2つ、そのほか系列農場の11農場と関連農場(静岡県)の合計12農場 が該当し東北地方から岡山県にかけて広い地域が対象です。 なお、会社更生手続き中のイセ(株)(富山県)はスポンサー支援対象ではないとしており、管財人による運営が続きます。 最大手とされた養鶏グループの会社更生法申請が3月にあり、創業家の争いとも言われましたが、現在も多くの店舗でイセブランドは並んでいます。 一時期は国内生産量の1割をイセが担うともされており、国内生産や海外生産を展開する新しい養鶏を展開しています。 イセというネームに満足されずに、多機能性鶏卵の開発販売と、普通の鶏卵から新しい価値を見つける企業でもあります。 予定通り進むのであれば、来年からおよそ4年程度(令和9年頃)で会社更生手続きが完了する見込みです。 海外展開し、国内生産を盤石化した新しいイセ食品と、その鶏卵に期待したいと思います。 今年は養鶏場の民事再生や廃業といった話題が多くなったと思います。 配合飼料価格高騰や燃料費の高騰等コスト高に対する話題が多かったと感じます。 中小だから力尽きると民事再生したり廃業するわけではないことを改めて知る機会となったイセショックを教訓に、私たち養鶏家はこの先をどのように考え進んでいくのか、改めて考えさせられるニュースになりました。 お金や知名度があれば再生できるではなく、必要とされるから再生されていることを改めて知る必要があると感じます。 養鶏場の破綻を見ると、多くは事業譲渡となり経営が変わる場合や、地域が必要と感じ再生していく農場、残念ながら経営を断念する農場いずれかに分けられている感じです。 できれば破綻は避けたいところではありますが、今回のように社会が大きく変わるときそれは突然やってくるのかもしれません。 今多くの養鶏家の皆様は我慢をした経営をされていることと思います。 コスト増から収入の持続を継続することを寝る前まで考え続けている農場もあるでしょう。 皆さんにお話ししているように、コスト増を劇的に緩和できる方法はありません。だからこそ多くの方々は借入等負債を増やした我慢した経営をされているところも多いでしょう。 であれば、鶏達を信じ生産量を引き上げることを第1に考えなければならないのですが、多くは鶏は変わらないだから管理も変わらないだから、コストを下げることが有益である。という解を見つけてしまうのだと思います。 その農場ほど、生産は上がらないが他も上がらないはずと信じてしまうという現実もあります。 それは同業を知らないだけではあるのですが、本質は外を見ないだけといいます。 切磋琢磨している農場も意外と多くあります。それに気づけない、知らない、関心ないではこのような苦行に対処できないことでしょう。 繰り返しますが破綻は考えないと思いますが、イセの場合は金融機関から会社更生法申し立てをされています。つまり資金繰りにレッドカードを渡したことが端を発したともいいます。 自ら破綻を申し立てるわけではなく相手からの信用低下が端を発します。自ら断念を決定することもあるでしょう。その時その農場を存続したいというスポンサーや同業があらわれるのでしょうか。 その最後の時に長らく築いてきた農場の真の価値がわかるのかもしれません。