nogutikusan’s diary

畜産と共に歩む20有余年、今の養鶏の課題や考えをお伝えします。 のぐ地久三事務所養鶏部公式ブログ

鶏卵相場の上昇と年末相場と需要

12月になり、鶏卵相場は年末最後の上昇期になりました。 昨年と違い、行動制限がない国内需要から個人・外食共に堅調な消費が続いています。 特に外食加工向けは昨年と違い好調で、相場高の後押しをしているといっても過言ではありません。 足元を見ますと、今年は配合飼料や燃料高といった高コストから生産を自粛する傾向が続きます。 餌付けの減少や種鶏等親鳥の減少も聞かれ、増産する等生産者側の意識は低調でもあります。 需要を見ますと、テーブルエッグは昨年の巣ごもり解消もあることで、昨年よりは少し少ないものの、加工、中食、外食といった加工向けは昨年と違い、大きく需要増加が見られます。 この先は年末需要が重なり一段高となる可能性もあり、生産者にとっては高コストに少しでも対処できる時期です。 その中鳥インフルエンザの発生も深刻化していますので、収入源を失うようなことがないよう、十二分に対応をしてください。 北海道での生産量減少から、道内の鶏卵価格は東京と異なり相場値30円程度の開きが続いています。 一時期40円程度と大きく乖離していましたから、幾分か改善が進んでいたとおもわれます。 ですが、道内では鳥インフルエンザの発生が確認されており供給が改善している中の災害があることで、この先も安心できる状況ではないように思います。 全国的な鳥インフルエンザの発生が確認されていることから東日本にもならず西日本でも生産減少が見受けられます。それに呼応して上昇しているという表現は正しいのかもしれませんが、 経済情勢を加味すると、スーパーでの鶏卵価格が10月時点で10個入235円と、2017年12月調査時価格に並び高い傾向が続きます。11月以降もおそらく上昇し12月も同様になるものと予想されます。 現在、鶏卵相場は270円(東京M規準)となり、例年と比較すればまだ上昇があると考えられ、最終的に290円又は300円となるのではないかと感じます。 年間平均額は220円近辺と昨年の217円を超えることでしょう。 令和2年大流行後の回復期になる年前半は258円(5月平均値)まで上昇し小売価格が高いと報道されていましたが、その時でも全国小売価格平均は226円と今と違い(10月時点9円安)そこまでの価格ではありません。 それでも高い、大変という話題が多く聞かれました。 つまり、この先の鶏卵相場次第では消費の減退もありうるということにもなりかねないという不安もあります。 毎日食べるものだから安心ではなく、購入頻度を下げていくということは1日の販売量が減少しそれが継続していくことになります。 それが大きくなると販売店としては少し困りものかもしれません。かといって値段を下げて目玉商品ともできず苦労されているとも言えます。 適度に上昇し、十分なコストを回収できるような環境であってほしいと感じますが、現在は高コストでもあり出来るだけ収入を大きくしたいというのが本音でもあります。 消費者の意識は節約等不要な出費を下げていきたいという意識が強くなっています。あらゆる物が高くなり、取捨選択しているような感じです。10月の商品値上げでピークになるとされていましたが、 その後の経済情勢から来年2月に再度の大きな値上げがあると報道されていること、電力料金の値上げが来年度あるということ、ガソリンや灯油も原油相場が下がっている者の商品価格は大きく下がらないという状況も続き、 収入の範囲でやり繰りするいまのご苦労されている姿が見受けられます。 このことにより、値段が高くなるということは、何かを削る又は抑える等何らかの調整が必要であり皆さん同様、家庭という会社の経営者の視点で取捨選択しているわけですから、 必要だから買うはずということはないという、この状況から抜け出せるような環境になってほしいと思います。 12月は加工向けの引き合いがこの先10日程度までは続きます。 その後は年始に向けた需要動向に替わり、相場は落ち着き止市(27日最終)を迎えます。その後初市(1月5日開始)となり令和5年を迎えていきます。 この先鳥インフルエンザの発生次第により供給不安がさらに高まることも予想されます。現在まで約300万羽(採卵鶏は250万羽)が防疫措置を受けていますし、数日間隔で新規発生農場の話題を聞くような状況です。 令和2年の大流行時期の3割がこの1か月と数日で処置をされています。昨年は5月まで発生し、例年は3月まで発生する傾向があります。 12月に入りましたが、まだ数日しか経過していませんが、発生頻度は大流行時期以上のハイスピードで進んでいます。この先も心配ですし十分な対応をお願いし、被害内容年末を迎えていただきたいと思います。